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ひらり

意識が同じ場所にあるから思考が止まる。
何をやっても気持ちは晴れず、味気なく感じてしまう。
そんな時は無理に考えを繋げようとせず、頭に浮かんだものを少し膨らませては消していき、何処にも辿り着けようとしなくて良い。
目を閉じながら意識を飛ばす。
ひらひらと舞う蝶のように。

その内に固まっていた思考が少しずつ動き出す。
一人だったら味わえない喜びや高揚感。
一人だったら経験しなくて済んだ悲しみや辛さ。

悲しみや辛さを感られる僕はまだ生きている。
誰かが望むなら力になりたい。
誰かが求めるなら役に立ちたい。
誰かの喜ぶ顔が、僕の力になる。

「自分の感情に殺されてたまるか」
と呟いた。
さっきまでの陰鬱な気分は消えて、心が少し軽くなる。



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