本日のお客さま【幼馴染みの魂】
「チリン、チリン~」
ドアを開けると、小さなベルが鳴る。
開け方によりベルの鳴る音が、大なり小なり。
「いらっしゃいませ」
と、言いかけたが誰も居ない!
洗い物を済ませ、ちょっとひと休みの特別スペシャルコーヒーでも淹れて飲んでみるかぁ~などと、独り言。
「チリン、チリン~」
ドアが開いていないのに、ベルが鳴る・・・窓の外を覗いてみると、風も吹いている様子がない!(ん~?)
最近、背中が刺さるように痛いのはこのせいか?
ゆっくりと、深い深い深呼吸!
いつものように、平常心。
いつものように、コーヒーを淹れた。
いつものように、小さなカップと
いつものように、お客さま用のカップへ。
誰も居ないカウンターに、
「お待たせしました!」
何となく、男性の気配。
小さなカップのコーヒーをゆっくりと飲んでみる・・・
スーっと、涙が流れた。
どのくらいの時間が過ぎたのだろうか、自分でも分からないが、(○○くん?)
心の中で、問いかけてみる!
「チリン、チリン~」ベルが鳴った!
辛かったね!
苦しかったんだね!
逃げ出したかったんだね!
もっと早くコーヒー飲みに来てくれたらよかったのに。(後の祭りだ・・・)
ゆっくり、飲んで落ち着いたら今度はお彼岸にでも、いらっしゃいな?!
「チリン、チリン~」って!
静かに小さな音を鳴らして帰っていったような気がした・・・・
「また、お待ちいたしております。」
では、また今度。
ごきげんよう~
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