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「長唄 松の緑」

長唄の中で最も有名な曲の一つ。
作者が娘の幸せを願って作った曲で、江戸後期〜明治にかけて大流行したお祝いの曲だそうです。
結婚式などで、よく舞われています。

約8分と短い演目ですが、最初の1分15秒ほどは「前引き」(イントロ)で、地方(じかた=演奏家)の技量が発揮される部分となっています。
「松の緑」の前引きは特に有名。


【ざっくり解説】
大夫(花魁)付きの禿(かむろ。幼い女の子)が、いつか大夫のように立派な花魁になって、身請けされて年を取るまで幸せに暮らせますように。

作者が、我が娘をこの禿に例えて(昔は禿に緑と名前を付けることが多かったそう)今はまだ若葉だけど、青々と立派な松に成長して欲しい、という願いを込めています。
長唄の時代は例え話を用いることが好まれていたようです。

お三味線を習っているわけではないので詳しくはわかりません。ごめんなさい。

こちらにわかりやすく書いておられますので興味のある方は参考になさってください。


【振り解説】
地方の前引きの後から動き始めます。
しばらく静止していますが、振りを忘れているわけではありません!

出だしは祝賀舞らしく厳かに。
祝賀舞独特の雅楽っぽい動きから、急にテンポの良い三味に合わせて音を踏み、松を表す、松を見る、といった日舞の基本的動作へ。

ここまで男舞で舞いますが、突然、女舞で花魁になり八文字で歩きます。一瞬なのでお見逃しなく!

廓の格子から覗き見るなど。

両手を上に広げて「めでたい、めでたい」

振り分け髪(童子童女)=若くて綺麗だったのに今ではこんなに老けて、と自分の姿を水に映して嘆き、老人になる動きの後は祝賀舞の定型で終わります。

【まとめ】
私が日舞を習い初めてしばらくはまだレコードの時代。(その後カセットテープの時代へ。そのまま現在に至る)

「松の緑」を習ったのは10歳頃だったか…

端唄小唄が3〜4分なのに比べて8分の長唄「松の緑」のレコード版はとても大きく、ポータブルレコードプレーヤーからはみ出ていたのが子供心にとても印象的でした。

振り自体は基本的な要素が盛りだくさんで、祝賀舞らしく華やかです。後半になるとややこしい動きもあるので、習い初めて5〜6年程度経った頃に習う曲かなと思います。
舞初会で毎年誰かが舞っていたので馴染みの深い曲です。

この度、平岩地域センター主催の『ワンニャンふぇすてぃばる』で「松の緑」をご披露する機会をいただきました。

2024年3月3日(日)
東広島市 平岩地域センター
10時スタート

2024ワンニャンふぇすてぃばる

今はまだ保護されているワンニャンが、この譲渡会で優しい素敵な家族に出会い、末永く幸せになりますように。里親の皆様の繁栄と幸運を願って心を込めて舞わせていただきます。

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