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気になった石ニュース・2024年

ここでは2024年度に気になったの石関連のニュースやイベントを記載しています。
ネット記事は古くなれば、記事自体が削除されていくため、個人的に記録しておきたいと思ったものだけ魚拓しています。

2025年から合成宝石の展示会出品を禁止に

2024年5月1日

元記事リンク ↓
https://www.miraihoushoku-market.com/articles/85900/

AGTA(米国宝石貿易協会)は、2025年のツーソンジェムショーから、ラボで製造した合成宝石のルースと、合成宝石ルースを使ったジュエリーの展示を禁止すると宣言しました。これは「ラボグロウンダイヤモンド」にも適応します。

その理由は「ラボグロウンダイヤモンドが市場に及ぼす影響を考慮して、混乱を阻止するため」、そして「バイヤーに“天然石のみ購入できること”を承知して、安心して購入してほしい」との意向からです。

メーカーが必要に応じて合成宝石を販売するのは、開示する限り問題ありません。しかし、2025年以降のジェムショーでは合石宝石の販売ができなくなります。

参照元:AGTA Bans Lab-Grown Gemstones from Shows

rapaport.com

デビアスが「合成ダイヤモンド」から撤退する理由

2024年6月7日
元記事リンク ↓

ダイヤモンド関連大手De Beers(デビアス)の6年間におよぶ「合成ダイヤモンドの実験」が中止されることになった。これは、デビアスの親会社であるアングロ・アメリカンを、世界最大級の鉱業会社BHPグループが490億ドル(約7兆6000億円)で買収しようとして失敗したことによる最初の影響だ。 物議を醸したデビアスの合成ダイヤモンドまたはラボグロウンダイヤモンド(人工的に「研究所で生成された」ダイヤモンドという意味)を製造・販売するという決定は、同社がこれまで馴染みがなかった低価格宝飾品ビジネスへの参入を図る試みだった。 大衆に人工の宝石を販売するという機会に誘惑されたデビアスには、品質と価格の両面で泥沼の競争に巻き込まれるというリスクが常にあった。 そして、まさにそのリスクが現実となったように思われる。ダイヤモンドの製造技術が簡単に利用できるようになるにつれて、デビアスのラボグロウンダイヤモンド部門であるLightbox(ライトボックス)は、主に中国やインドで作られるようになった低コストの製品との競合から、さらなる値下げを余儀なくされた。 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場したタイムマシンの自動車「デロリアン(DeLorean)」と「デビアス(De Beers)」をかけるわけではないが、デビアスは目の肥えた富裕層の限定された顧客に、高価格で最高級の宝石を提供するという、過去と非常によく似た「未来へ回帰」することを計画している。 デビアスのアル・クックCEO(最高経営責任者)は先日、「ラボグロウンダイヤモンドの在庫は、約1年と予想される期間の販売を継続できる量を保有している。その後、ライトボックスをどうするかという決定を下す予定だ」と、ブルームバーグのニュースサービスに語った。 「私たちはやり方を知っている。そして戻ってくる」と、クックはブルームバーグに語っている。 「これはすべて、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの差別化という大きなテーマの下に集約される」。 クックは、デビアスの「バック・トゥ・ザ・フューチャー(未来への回帰)」の動きが、BHPによる買収提案が始まる前から計画されていたのか、それともデビアスの売却を含むアングロ・アメリカンの防衛策が、ダイヤモンド事業の大規模な改革の引き金となったのか、ということについては語らなかった。
利益率が低いラボグロウンダイヤモンド
利益率が低いラボグロウンダイヤモンド 合成ダイヤモンドから撤退を決めた理由が何であれ、ラボグロウンダイヤモンドの価格が暴落し、利益率の低い事業になっているのが現実だ。 投資家がBHPの複雑な株式交換買収計画のニュースについて考えを巡らせていた5月上旬、デビアスはライトボックス・ブランドで販売するラボグロウンダイヤモンドの価格を大幅に引き下げ、1カラットあたり800ドル(約12万5000円)から500ドル(約7万8000円)へ恒久的に値下げすると発表した。 デビアス・ブランドのサンドリーヌ・コンセイエCEOは5月10日、「小売店における天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの価格差は急速に拡がっており、両者が根本的に全く異なる製品であるという消費者の認識が加速している」と声明で述べた。 このコメントは、デビアスを傘下に収めるアングロ・アメリカンの経営権をめぐる買収合戦の真っ最中に発せられたものであり、合成ダイヤモンドからの撤退をうかがわせる最初の兆候であったのかもしれない。 この利益率の低い事業からの撤退は、アングロ・アメリカンのダンカン・ワンブラッドCEOが、同社の事業を銅、鉄鉱石、肥料の原料となる鉱物に集中する計画の一環として、売却する事業部門にデビアスを含めたとき、さらに推し進められることになった。 2018年にデビアスがライトボックスを意気揚々と立ち上げたのは、合成ダイヤモンドが同社の未来の一部になると見なされたからだ。そうならずにどうなったのかを説明することが目下の課題だ。 よく言えば、デビアスはダイヤモンド業界を高級品と低級品に分断する役割を果たしたということだ。これは、宝石ビジネスにおけるトップエンドの管理者としての信用を宣伝する機会を作ったと言えるかもしれない。 悪く言えば、デビアスは市場の廉価品に手を出して、顧客とデビアス自身を混乱させた。そして現在は業界におけるトップエンドの独占的なプレーヤーとして復活することを望んでいる。 生意気な部外者は、クックの計画について、ダイヤモンドをちりばめたデロリアンに乗って「未来への回帰(バック・トゥ・ザ・フューチャー)」の旅に出ようとしていると揶揄するかもしれない。

Tim Treadgold


2024年度はまだ半ばでありますが、気になるニュースがあるタイミングで都度更新していければと考えております。
過去の気になった石ニュースは下記となります。


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