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大宜味リゾートへの期待

沖縄本島北部にあるシークワーサーの里・大宜味村が埋め立て造成地「結の浜」で進めるリゾートホテル誘致と合わせた人工ビーチの整備計画に対する反対運動が起きているというお話。「結の浜人工ビーチ事業を検証する会」の構成員は「吉浜覚さんら村議3人と山本大五郎さんら住民4人で構成」と沖縄タイムスは報じますが、7名ということで総人口3千人からみれば少数派のようですが、村議3名(定数10)の存在は反村長派なのでしょうか。

人工ビーチの整備費は約10億円で、国庫8割、地元2割の負担だそうですが、地元負担は地方債で賄い一定部分は地方交付税で手当てされる構図であれば、村民の実負担はさほど大きいもではなく、この人工海浜に隣接してルートインホテルズのリゾートホテルが整備されるとなれば、宿泊施設が乏しいとされる沖縄本島北部地区にとっては、そんなに悪い話ではないと感じます。

この「結の浜」といういかにも近年登場したような地域名が示すように、ダム整備で発生した土砂を使って埋め立てた土地で、放置していても仕方ないので活用を考え、人工ビーチとリゾートホテルの組み合わせに至ったとのこと。もっとも、結の浜地区ではすでに住宅、診療所、企業支援施設、公園、小・中学校等の整備も進んでいるそうなので、リゾート開発のためだけに建設事業が入る訳ではないようです。

国有地である天然海岸のプライベート化が難しい現行制度の下では、村が整備する景観がきちんとデザインされたビーチ空間は貴重と言えます。沖縄には、ホテルが管理するビーチがあると聞きましたが、そこは公式の独占空間ではなく、地図上存在する里道のような細い小道を通ればだれでも入れるのでプライベートビーチではないと説明されているようで、その小道にはハブが居るから容易に通れない結果、プライベート化していると・・・何ともすっきりしない話です。

願わくは、リゾートホテルのデザインコンセプトと一体的に人工ビーチの整備をして欲しいところです。高級感のない公設海浜公園を出現させては、それこそ予算の無駄と謗られましょう。人工ビーチの指定管理者にホテル事業者をあてていただき、設計段階から共に進めてもらいたいところです。

観光資源の代表のような「海」ですが、規制が多すぎて活用方法が限られ、伝統的な季節観光の「海水浴」、集客力の乏しい「マリンスポーツ」、ビーチコーミングを含む散策活動、イベント開催の「観光地引網」、いろいろ問題の多い「フィッシング」といったメニューに限られています。どれも地域産業としての成長可能性は限定的です。

ogimi_handbook2020.pdf

長寿の里でもある沖縄県大宜味村には、独自の地域文化・暮らしのスタイルが息づいているようなので、元気になれる大宜味のリゾートライフを提供するオリジナリティ際立つ観光空間に進化されることを祈念しております。

そして、経営が行き詰って中国資本に買われるというオチは勘弁願いたいところです。


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