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海水浴の衰退(?)に思うこと

https://www.tiktok.com/@turibakachannel/video/7258926884640148737

アップロードされていた千葉県勝浦市守谷海岸の波打ち際の風景。この雰囲気、海外のリゾートにも引けを取りません。
東京都内から近く、風光明媚で周辺には料理自慢の民宿が多数あって、海水浴シーズンにはぜひ検討いただきたいスポットで、某有名女優がハイな仲間と違法薬物パーティを楽しんでいた隠れ家もあった場所です。

猛暑続きで海水浴客が減ったという報道があり、増えたというところもあり、ライフセーバーを確保できずに海水浴場の開設日を制限する自治体もあるなど、夏の定番レジャーとは昔の話。ラブコメ系のアニメでは水着回を織り込んでいるものの、夏だ!海だ!というノリは一般的ではなくなりつつあるようです。

海外の有名ビーチリゾートのようなところが国内にほとんどないのは、法制度と既得権の関係で、現代日本の構造問題の一角を形成しています。

海岸法では、ビーチは公共財産なので独占使用を認めないのが基本です。一方、海の家利権が幅を利かせる地域も多くあり、バドワイザーガールが給仕をする洒落たシーサイドハウスは簡単に出せません。仮に地元勢がなわばりを主張して嫌がらせをしないとしても、ハイセンスな設備を場末感漂う簡易な掘っ立て小屋に並べて建てたくはないでしょう。統一感のあるデザインで空間一帯を整えたい、というのが出店者側の希望であり、お客の方もそういうふうにして欲しいと願っているはずですが、「公共」の壁が容易にそれを許しません。公共空間となれば、行政に強い地元議員の口利きを得られる勢力が、地場振興を名目に占使用権を握ります。中には、町長が海の家経営者という実例も見たことがあります。

地元民からすれば、オレ達の土地にやって来るよそ者が好き勝手に商売するのは気に入らないという感情を抱くのは自然なことかもしれませんが、往々にして彼らは顧客目線を持ち合わせていません。他所モンがオレ達の海で遊ぶならカネを落とせ!という視線なので、少しでも楽しんでもらおうという思考には成り難いようです。公有地を駐車場のように仕立て、駐車料金を取るなんていう話は珍しくありません。段ボール板に「有料」と書いて、町営無料駐車場の看板に「無料」の文字を隠して貼っているケースにも出くわしたことがあります。犯罪行為なのですが、そんな意識はないのでしょう。

マナーを守らない海水浴客は絶えませんが、これに違法行為でお迎えする地元民。季節経営とはいえ低品質(不衛生)・高価格の海の家、正規のごみ処分の経費は惜しむくせに、砂浜に埋める穴を掘る重機はどこからか調達してくる感性。

海水浴客の減少という話を聞いて、同情する気になれないのは、偶々とは言え、海岸をめぐる情けない現実を見聞したゆえのことだと思います。

ああ、北陸の海岸でイルカに攻撃された事件があったとか、詳細は知らないので被害者に対してはお気の毒と申し上げるのみですが、威圧的なタトゥーを施した輩が近くにいたならば十分警戒するはずですから、言葉が完全に通じない野生生物との距離に配慮しないのはダメですよね。




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