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観光振興とクマ

人口減少傾向が続く中、経済成長の余地がないとか、何だとか騒がれていますが、人口が減るのは地方部から始まっており、その結果、野生の王国が勢力圏をひろげています。地方創生のテーマは、観光振興を通じて交流人口を増やし、地方に購買力を行き渡らせる!という話ですが、地方に行くと猛獣に襲われるのでは、新たな治安問題が検討されなければなりません。

最近、北海道では、大千軒岳(福島町)で、消防隊員を襲い反撃された傷が元で死んだとみられるクマの胃の内容物などから先に死亡した男子大学生が食べられてしまったことが判明したと報じられていました。一部には、人命より熊の方が大事という信条をお持ちの方々が居るようですが、人類の歴史は、野生生物との勢力争いの末に生活圏を勝ち取ってきた苦闘の積み重ねであり、今も最前線に暮らす人々の戦いを安全圏に住む者が気楽に批判することを支持する気になりません。以前、ムスリム過激派と酒を酌み交わして話し合うと豪語していた大学生と同じ臭いがします。

さて、有害鳥獣との戦いにおいて、人間勢は各地で苦戦しているようで、じわじわと後退しているようにも見えてなりません。10年くらい前は、ジビエ料理で村おこしのような話が明るく語られていましたが、立場が逆になるとは深刻な状況です。野生動物への対策は農業支援の文脈で語られてきましたが、観光振興の面からも対策を講じる段階に入りました。

ところで、子熊の頃から仕込んで行けば、番犬ならぬ「番熊」として仕事をしてもらうことは可能なのでしょうか?サーカスのクマ使いの名人を呼んで相談する価値があるように思えます。実現すれば、ある意味共存の姿が見られるかもしれません。

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