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31歳専業主婦。保育士の資格を取ろうと決めた。9



2歳児クラスに配属されて季節は冬になった。

相変わらず、保育と掃除に向き合う日々。

すっかり腰痛持ちにもなった。


ある時、私がピアノが弾ける事が事務所の先生の耳に入った。

「朝の会」の歌の伴奏をする許可が下りた。

毎月の歌2曲と、朝の会の歌1曲。

家にキーボードがなかった為、

掃除を早めに終わらせて

伴奏の練習の時間を10分ぐらい確保した。



いよいよ、伴奏デビューの日がきた。

伴奏自体は簡単だけど、

子ども達に合わせて弾くのは初めてで

少し緊張しながら弾いた。

キーボードの音だけ聞いたら、リズムがずれてしまうので

子ども達の歌声に耳を傾けてながら弾いた。

子ども達は歌うのに一所懸命だった。


それから何回か弾く機会があり、

子ども達も歌う事を楽しんでいた。

朝の会を進めるリーダーの先生からも

「ありがとうございます」と言ってもらえ

自分が初めて必要とされたと思った。



もう一つ私の得意な事が発揮できた出来事があった。

私は絵を描くことが好きで、

またまた事務所の先生の耳に入った。

「保育発表会」の劇での背景の絵が、

どうも上手くいって無かったらしい。

そこで、私に手直しの依頼や

新しく使う背景の絵の追加を依頼された。

保育の時間を抜けて、背景を作業部屋で描いた。

手直しの背景の方は、

もう1人の先生から背景のイメージを聞いて

イメージを固めながら手直しした。

背景の幕は大きくて、刷毛に絵の具をつけて

かがみ込み、色を重ねていった。

足の裏や服が絵の具で汚れた。

かがんで刷毛でひたすら塗る作業は、腰にきたが

どうにか仕上げる事ができた。

手直しをした絵を見て「すごい!」といろんな先生から言ってもらえた。

達成感があり、やりがいを感じた。

今まで保育士と支援員との間に引いていた線を
ちょっとだけ、乗り越えた気がした。



その頃には、クラスの担任の先生方ともコミュニケーションが取りやすくなっていていた。


保育発表会で使う小道具作りなども、一緒に手伝ったりした。

1月に行われた「保育発表会」では、コロナの影響で無観客で動画が撮影された。

DVDという形で保護者には、我が子の成長を見てもらっていた。


2歳児クラスは、3グループに分かれ

どのグループも楽しんでいて、そして可愛らしく披露していた。

コロナの影響も心配されたが、全員参加する事が出来た。

練習では突っ立ってるだけの子が

体を曲に合わせて動かしてたり

女の子は、可愛いポーズをしたり

先生方や私も子ども達の成長を感じる事が出来た。


その後、あっという間に3月に入ると

進級を前提とした活動に徐々に切り替わって行った。


そして2021年3月末。

新しいクラスの配属が発表された。


次に続きます…☺︎











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