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味よりも、ただ手間をかけたい。

 コーヒーの話。
 朝、コーヒーを飲むのが好きです。淹れている時の香りも好きです。

 先日、同僚が「高いデロンギのコーヒーメーカーを、何度も迷った結果、買ってしまった」と言っていた。迷って、買いに行って、やめて、さらに何度も迷った結果、買ったんだそう。

 そういう話を聞くことは苦じゃない。多少、興味がある分野だし、何か勉強になるかも知れないから。だけど特に羨ましくはならない。

 コーヒーを美味しく淹れるコツを知らない。お湯を沸かし、フィルターをお湯で濡らし、蒸らしながら淹れる程度。詳しい人は、こだわりを持っている。
 豆を挽く方法。
 豆の産地。
 お湯の温度。
 粉の分量。
 など、奥が深い。そして、そうやって淹れられたコーヒーは確かに美味しい。一杯500円とか、値段だけのことはある。

 僕は、現状に満足している。スーパーで売っているありきたりなコーヒー粉を使ってドリップしているだけ。でも、それで充分なんです。
 そして、機械を使わないのは、時短だったり、金額が高いからじゃなく「淹れる工程を、味わっていたいから」

 何も考えず、ただなんとなくコーヒーを淹れる時間。この余裕のある時間を、一日の中に少しでいいから持ちたい。だからデロンギのコーヒーメーカーは羨ましくもない。僕にとっては。

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