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音楽療法での音楽の使い方

音楽をどう使うか?

ミュージシャンとして音楽に関わるときには


曲という
でっかなプールの中にわお!と飛び込んで
どんな風に気持ちよく泳ぐか泳げるか?
端から端まで行く?
底まで潜る?
仰向けに浮かぶ?
とか
出来ること色々やって
一番好きなの
嬉しくなるの
をみつけて
ほら、いいでしょ?
みたいなことをしています
この伸び伸びがとても楽しいんです

さて音楽療法では


プールにわお!と飛び込むのはやめておいて
うーん、とじっくり考えるんです
またはこれや!と閃く

どの曲のどの部分をどう使えばお役に立つかというのを
出来上がった折り紙の鶴をわざわざもう一度開いて
ああ、この折り目が使える
などと細かなことを考えます

その使える折り目にお相手の方への尊敬と愛を込めて
また折ります
一度開いたとはわからない完成した鶴だけを見せて使います

対象のお方が(大人でも子どもでも)
にこやかに挨拶してもいいよとなる曲
笑顔を見せてもいいよとなる曲
ノってあげてもいいよとなる曲
歌ってあげよかとなる曲
仲良くしてあげよかとなる曲
身体動かすの悪くないねとなる曲

お相手の方が〇〇してあげよか?と
各ハードルを越える曲をご用意したいのです

そのお方の好きそうな曲を並べて機嫌をとるのではありません

この曲ついついそうなっちゃう、というような曲を選んで
ついついそうなっちゃうような演奏方法で使うのです
ここが音楽療法です

アセスメントといいまして
そのお方が何にどう困っておられるか
何ができるようになるとおしあわせ倍増するのか
そこを見立てるのが重要です
お医者様、看護師さん、作業療法士さん、理学療法士さん、言語聴覚士さん、介護職さんに色々教えて頂きながら
対象者様の根っこを見つめていきます

子どもの例



子どもたちの成長は大きくて

あっという間に課題が変わっていきます

ことばが出なくて
人から離れて背を向けていた子が
話せるようになって
人の輪の中に入って遊び
次第にケンカもできるようになります
手を上げて発表されるようになります

発語のための特別メソッドがあります

ひとつの音にひとつの文字を入れて
文章を歌にします
デジタル的に聴こえるようになるので
文字と文字が連なってことばになっていることを遊びながら学ぶことが出来ます

3歳で言葉がなかった子が3回目のセッションで話せるようになった経験がございます

デジタル的に聴かせることで話せるようになる子はとても多いです

まだ話さなくても
声を出して欲しいです
声が出ることは話すための近道です

だから音楽にして歌います
遊びとして
おもしろいことと楽しいことをします
いかにも遊びます
遊びが脳の発達を促進するからです
遊びやふざけや真似の中で思わずことばが出るからです
私たちはそれを引き出したいのです
そのために音楽を使っていっぱい遊ぶのです

名前も返事も数も身体の部位も自分の動作も全部歌にして歌います

名前の概念の習得
数の概念習得
動作を説明する概念習得
と発語が
同時に叶います

おまけ

歌で理解し覚えたことばですが
子どもは普通に「話す」ようになります
話す代わりに「歌う」ようになる子はひとりもいません
それがすごいと思います
子どもは理想的な完成を本能的に生理的に知っているんだと思います

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