くだらないということ

「葬送のフリーレン」が好きということは先に書いた。世界観が丁寧に創り上げられているのは、読んでいてとても気持ちいい。魔法使いの魔法と、僧侶の魔法の違い、魔族の魔法•呪いが、魔法使いの魔法と、とても明確に区別されているのは、アクションが下手くそだからRPGばっかりやってた訳では無いけども、生きている時間の一部を確実にRPGの世界で過ごした身としては、本当に目からウロコが落ちる。

私は特別なことが苦手で、イベントとか本当に面倒くさい。サプライズはしないでね、と重ね重ねオットには言ってあるし、オットも理解してくれている。何ならお盆やお正月ですら煩わしい。毎日同じペースでずっと生きていたいと思っている。
その代わり、季節の移り変わりや気候の変化、季節の花や実、瞬の野菜など、四季の巡りに喜びを感じる。それを長く繰り返して行ければいい。

「葬送のフリーレン」の中で、「くだらない」ことが時々出てくる。魔法使いフリーレンの趣味は魔法の収集で、そのために旅をしている。なぜそんなくだらない事のために、という疑問に対して、「私の集めた魔法を褒めてくれたバカがいた」と答える。また、フリーレンを仲間にした勇者ヒンメルは、同じく仲間の戦士アイゼンから「くだらねえ」と言われた時、「僕は仲間とくだらない楽しい旅がしたいんだよ」と返した。
この「くだらない」が最高に好きだ。軽く震えが来るほど心にしみる。刺さると痛いからね。
他の人にすれば取るに足らない、意味のない、全く実のない事だけども、それが一番大事なことなのかもしれないと思わせてくれる。
真面目なのは良いことだし、一生懸命やることはとても大事な事だ。でも「くだらない」は余計な力を抜ける。意外と忘れがちで大事な事だと思う。
この作品はネガティブな言葉にさえバックグラウンドからくるその人の「在り方」が映し出されている。
フリーレンに限らず、いや、マンガアニメ、音楽、絵、動画など好きと感じる作品に出会うと自分の中の大切な何かが言語化される。マンガ、アニメ、小説、ゲームなどノンフィクションの物語を読むと登場人物の数だけ人生を感じる。

それを知れるだけで心が震える。生きているって嬉しいと思える。
ありがたい。

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