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【DEEP】和田竜光「それが渋い動きになっても、派手な動きになっても──」=4月28日(土)『DEEP 83 IMPACT』後楽園ホール大会で“天心世代”無敗の高橋誠と対戦


4月28日(土)東京・後楽園ホールにて開催される『DEEP 83 IMPACT』の前日計量が27日、都内にて13時より行われた。

セミファイナル DEEPフライ級タイトルマッチに臨む両者はともに56.7kgで計量をクリア。6勝1分で負けなしの17歳・高橋誠の挑戦を受ける王者・和田竜光は7連勝中だが、試合は2017年9月以来、約7カ月ぶりの試合となる。

2016年年末にはRIZINでTUFファイター カイ・カラフランスを完封している実力者・和田は、フライ級王座初防衛戦に向け、ルールミーティングでグラウンド状態での判定基準について説明を求めるなど、勝負に貪欲な姿勢を見せた。

18勝8敗2分1NCという29歳のベテランにして、万全を期す王者は、高橋が言うように「ビビッている」のか。計量後に話を聞くと、飄々と、しかし達観したファイター「和田竜光」を表すような言葉がかえってきた。(DEEP写真=GONG KAKUTOGI、RIZIN試合写真=RIZIN FF)

▼第12試合 セミファイナル DEEPフライ級タイトルマッチ 5分3R
和田竜光(56.7kg/フリー/王者)※初防衛戦
高橋 誠(56.7kg/パラエストラ松戸/挑戦者)

ポイントがつくならつくで知っていたい

──計量はリミットちょうどでした。減量は順調でしたか。

「順調ですね。体調もいいですし、怪我もなくいい試合ができそうです」

──ルールミーティングではグラウンド状態での判定基準について質問をされていました。テイクダウンをして抱えられることを想定してのことでしょうか。

「前回の彼の石橋幸太選手との試合(スプリットで高橋が勝利)で、(判定基準が)どうなのか、という話が出たというのを聞いて、試合動画を観てみたんです。たしかに高橋選手の勝ちでもよかった試合内容だと思ったんですが、自分が同じ状態になったときにゴチャゴチャ思いたくないので確認しました。

 石橋選手がトップを取っていて、上の方が有利だろうと進めていて、でもああいう結果になった。もしあそこで負けていると、あのポジションではダメだと石橋選手が認識していたら、違う展開になっていたかもしれない。動いていたかもしれないですよね。あれでOKだと思っていてあの状態でいたとしたら、俺はそういうミスをしたくないと思って確認をしました」

──なるほど。ルールミーティングという公の場での確認で、周囲に意識づけることもできると思います。

「もしトップを取っていても安心できない、相手が極めきる動きじゃなくても評価されるとしたら、こちらも考えなくてはいけない。大阪大会で長倉(立尚)選手の試合の前も聞いてみたんですけど、ちょっとあやふやな感じを受けたんです。それで今回あらためて聞いてみました」

──状況による、と。口頭だけだと説明しにくい、という回答でした。どちらがどうコントロールしているか。試合を支配しているのかという判断基準の確認でしたね。

「自分には分かりにくかったんですけど……トップを取っていても下からチョコチョコやっていたら、下が有利とつけられる可能性はあるのかなと」

DEEP公式ルールでは「試合への影響度を評価する。試合への影響度とは、ノックアウトやタップアウトなど試合終了につながる可能性のあるダメージやアドバンテージがあったかどうかを意味する」と記載。判定基準や優先順位も明らかにされているが、「効果的なダメージ、サブミッションアドバンテージ」「アグレッシブネス」「ジェネラルシップ」等を、個々のポジションにおいて具体的にどうとらえているかという和田の問いかけだった。

──その“チョコチョコ”を客観的にどうとらえるか。細かい手足の各ポジションや極まり具合によって、判定の判断がなされていると。その意味では、石橋戦で高橋選手はテイクダウンされながらも下からのハーフネルソン&腕固めや横三角絞めを仕掛ける動きは見せていました。

「ハマってしまえばそれはいいと思うんですけど、石橋選手が両足を束ねてマウントのような形を取っていて、下から固められてどっちも動けないような状態で、下からポイントがつくのかな、と思って。それで下にポイントがつくならつくでいいんです。ただ、それでポイントがつくなら知っていたい。ただ、さっきの説明ではよく分からなかったです」

──となると、そういうこともあると注意して動く必要がある。

「どちらにしろ注意はするんですけど、もしそのポジションになったらどうにか動かなくちゃいけないのかと」

──動きにくい状況で無理矢理動くことはリスクもありますね。

「そうですね……こちらがトップでコントロールしていると思ってもダメ。でも“極めてるふりフロントチョーク”とかもありますからね。極まってないけどどっちも動きが取れないという。そうなったら仕掛けている方が有利になるんだろうなという感じがしました」

練習のひとつとして、シンドイ試合をした方がレベルが上がる

──そういったことも頭に入れながら戦うことになりますね。ところで事前映像では「キツイ試合がしたい」という言葉もありました。それは和田選手を追い込む選手がなかなかいないというように感じましたが。

「うーん、簡単な言葉で言うと、強い人と試合がしたいな、というこです。たとえばRIZINのときにやったカイ・カラフランス戦は思っていたよりも大変な試合でしたし」

──「思っていたよりも大変だった」と、サラッというところに和田選手の凄味を感じます。カイ・カラフランス、RIZIN前に5連勝、和田選手に負けてからも実は5連勝しています。あの選手にローも当ててダウンも奪いました。

「あれも自分の足が痛くなって、蹴っている自分の方がダウンしたくなっていたんです(笑)。その状況のなかで1発効かされたりもしたので。だから……そういう選手とキツい試合のなかで勝ちたい。スクランブルした試合でも勝ちたい、という感じです」

──では、今回で言うと、キツい試合ととらえていますか。

「弱いとも思っていないし、特別に強いという印象もないです。もちろん余裕で勝てれば、それは自分のなかでホッと出来ます。でも練習のひとつとして、シンドイ試合をした方がレベルが上がるという意味で、キツい試合が出来れば自分の身になると思います」

“天心に被れてんな”とは思いました

──試合を「練習のひとつ」として考えることができるのは……驚きです。対戦相手の高橋選手はTEPPEN GYMで那須川天心選手とも練習しています。そういった若い世代の勢いは気になりませんか。

「若さは……気になんないです。周りからは『17歳に負けたらヤバイよ』とか言われますけど。そう考えると、俺に旨味はない試合だなと思いましたけど(笑)、歳はあまり関係ない。天心くんだって強いヤツは強いし。ただ……出来上がった煽り映像を見て、天心くんとかも出てきて、“天心に被れてんな”とは思いました。“一人で出て来いよ”と。先輩を出してきて“俺の先輩この人だから”というのは子供だな、と思いました」

──和田竜光は1人で立っていると。

「特に最近(笑)。所属も無くなってフリーになったので」

──最後に7カ月ぶりの試合を待ち望んでいたファンにメッセージを。

「最後に一言、は苦手なんですけど(苦笑)、まあ、やってきたものを全部出して、僕が持っているいい動きを全部出すところを見てもらいたいです。それが渋い動きになっても、派手な動きになっても。それが俺なので」

【関連記事】
高橋誠「ビビってる相手に負ける気はしない」

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◆DEEP 83 IMPACT
2018年4月28日(土)後楽園ホール
OPEN/17:30 START/18:00

【当日券】
16時から立見券(5,000円)のみ販売

▼第12試合 DEEPフライ級タイトルマッチ 5分3R
和田竜光(56.7kg/王者/フリー)
高橋 誠(56.7kg/挑戦者/パラエストラ松戸)

和田「コテンパンにやっつけるので楽しみにしてください」
高橋「僕が勝って新チャンピオンになります」

▼第11試合 第6代DEEPバンタム級王者決定戦 5分3R
北田俊亮(61.1kg/パンクラスイズム横浜)
ソン・ジンス(61.2kg/韓国/KOREAN ZOMBIE MMA/本宮塾)

▼第10試合 DEEP KICKルール 55kg以下 3分3R
堀尾竜司(55.0kg/TRY HARD GYM)
結城将人(54.9kg/TEPPEN GYM)

▼第9試合 DEEPライト級 5分3R
ツォゴーフ・アマルサナー(※73.35kg/COREモンゴル)
武田光司(70.2kg/BRAVE)

レスリングエリート 武田光司「MMAの世界を目指して」

※アマルサナーは体重超過。再計量も規定体重を2.85kg超過(許容重量0.45kg含む)。武田が勝った場合のみ公式記録となる。武田が負けるか引き分けた場合はノーコンテストに。超過体重が1kg以上につき警告(レッドカード)により、アマルサナーは2点減点から開始。

▼第8試合 DEEP女子46kg以下 5分2R
しなしさとこ(44.5kg/フリー)
ジョン・イェジン(44.25kg/TEAMフェトラ/CMA KOREA)

【中止】第7試合 DEEPウェルター級 5分2R
桜井隆多(77.55kg/R-BLOOD)
片平“なぎさ”吉幸(/パンクラスイズム横浜)
※片平が階段から落ちて救急車で搬送、打撲により欠場。試合は中止に。

▼第6試合 DEEP 63kg以下 5分2R
CORO(62.85kg/K−Clann)
朝倉未来(62.95kg/トライフォース赤坂)

▼第5試合 DEEPストロー級 5分2R
ランボー宏輔(51.9kg/パラエストラ千葉)
村元友太郎(52.35kg/ALIVE)

▼第4試合 DEEPバンタム級 5分2R
窪田泰斗(61.45kg/D's Box'n’Fit)
小川顕広(61.6kg/CAVE)

▼第3試合 DEEPフライ級 5分2R
島袋チカラ(56.6kg/CORE王子豊島)
石神保貴(56.85kg/フリー)

▼第2試合 DEEPフェザー級 5分2R
横山恭典 (66.0kg/KRAZY BEE)
ムン・ギボム(65.8kg/TEAM MAD DAEJEON)

▼第1試合 DEEPバンタム級 5分2R
ハシャーンフヒト(61.2kg/NEX)
バータル・アズジャブハラン(61.05kg/COREモンゴル)

【映像配信】

◆サムライTV
格闘技プロレス専門チャンネル「サムライTV」で中継。「サムライTV」はスカパー!・J:COM・ひかりTV他全国のケーブルテレビで放送中。

今大会は3時間スペシャルとして『DEEP 83 IMPACT』と2018年4月8日(日)に大阪・城東KADO-YAがもよんホールで開催された『DEEP CAGE IMPACT 2018 in OSAKA』の一部カードも放送。

・初回放送
5月5日(土)22:00~25:00

・再放送
5月6日(日)14:00~17:00 5月7日(月)17:00~20:00
5月9日(水)25:00~4:00  5月11日(金)12:00~15:00
5月16日(水)19:00~22:00 5月19日(土)9:00~12:00 
5月24日(木)13:00~16:00
※最新の放送スケジュールはサムライTVホームページにて。

◆DEEP FIGHT GLOBAL
DEEPとDEEP JEWELSの動画サイト『DEEP FIGHT GLOBAL』で大会後10日以内に全試合をノーカットで配信。毎月777円の見放題でDEEPとDEEP JEWELSの試合映像を配信中。
※PC、スマートフォン、タフレットで視聴可能。

◆YouTube DEEPチャンネル
当日無料生配信(1カメ)

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