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【DEEP】『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』発刊特集・レスリングエリート 武田光司「MMAの世界を目指して」=4月28日「DEEP 83」後楽園ホール大会

4月28日「DEEP 83」後楽園ホール大会で、モンゴルの豪腕ツォゴーフ・アマルサナーと武田光司(BRAVE)が対戦する。

武田は埼玉栄高校時代に、全国高校選抜大会、インターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国体の4冠を制しているレスリングエリート。2017年2月にBRAVE入りし、8月のプロMMAデビュー戦から半年で4連勝を飾っている。

国内MMAファイターのなかで高いレスリングの実績を誇る武田は、試金石となる国際戦で、いかに戦うか。

レスリングは辞めたけど、まだ全然、燃え尽きていない

——2017年2月の「BRAVE Fight」アマチュアMMAデビューから5戦全勝。プロデビュー戦から全試合拝見していますが、武田光司選手の試合は、“ザッツ・グレコレスラー”という印象を受けるほど投げ技に印象が残ります。レスリング時代の実績を教えていただけますか。

「小学校1年生、6歳からレスリングを始めて、小学5年生のときに初めて全国チャンピオンになって、5年生、6年生と2連覇をして、中学校のときも、1、2年のときはなかなか勝てなかったんですけど、3年で6連覇をして、(埼玉栄)高校1年生のデビュー戦の全国大会──中学の全国チャンピオンだけが高校生の大会に出られるんですけど──その大会でデビュー戦で優勝をして、カデット、高校生の部なんですけど、海外にいろいろ行ったり、高校3年生のときにインターハイ国体で全国選抜。全国グレコローマン選手権で、高校3年生のときに4連覇しています。(※高校生の全国大会は「全国高校選抜大会」「インターハイ」「全国高校生グレコローマン選手権」「国体」の4大会。武田はこの全大会で優勝し4冠を制した)

(専修)大学1年生で青年の部で国体2位になって、ヨーロッパに行って、ジュニア選手権とかも出場したんですが、僕の中では留年したら、金銭的な面も両親に迷惑をかけられないので辞めようと決めていて。普通にアルバイトとかして生計を立てていたのですが、まだやりたいなって、まだ全然、燃え尽きていないなと感じて……」

——それは何歳ですか?

「それは大学2年、20歳のとき。まだ全然やりきれてないと。だけどレスリングは辞めたからもうやらないと決めていたので、BRAVEジムが家の近くだったのと、たまたま僕の後輩が入っていたこともあり、総合格闘技をやろうと決心しました」

——総合格闘技を誰かに勧められて始めたわけじゃないんですね。

「勧められたわけではないです。自分の中で辞めた後のことも考えて、格闘技をやろうって。それで宮田(和幸)先生のもとでやらせてもらうことにしました」

——BRAVEジムに入ったのは……。

「2016年の9月頃です。それで2017年の2月頃から宮田先生に声を掛けていただき、スタッフとしてレスリングの指導もするようになりました」

——自宅に近くて、しかもレスリングベースのジムが偶然あったのですね。

「はい。レスリングベースでやらせてもらえるのはありがたいです。打撃も寝技もまだまだですが、これからどんどん覚えていけたらと思っています」

——アーセン選手も同年代ですか。

「アーセンは僕の1個下です。小学校のときに一度だけ対戦しています」

レスリングのネルソンにパウンドをプラス

——BRAVE FIGHTでも拝見したのですが、レスリング主体のスタイルで、這いつくばっている相手も半ば強引にグレコの投げでひっくり返していました。豪快な投げとリストコントロールから、バックからチョークへ行くこともありますが、よりパウンドでダメージを与えていますね。

「そうですね、パウンドを狙って。いまはこのスタイルで、プラスアルファ打撃を加え、レスリングをベースにできたらと思っています」

——DEEPでの試合のように柔術を使う相手が亀になって、腕を巻き込んで返そうとしても、足を二重絡みにしているときもあり、返らないのでしょうか。

「あれがけっこう練習でやっている形で、レスリングのネルソンの技にプラスアルファ、反対側の左ネルソンの形で(リストコントロールし)右足をかぶせているんです。あれだと相手が右に逃げたくても反対側に体がいくと、なかなか逃げられない。そこにパウンドを入れながらサイドコントロールする。これからもレスリングを柱に打撃も寝技も採り入れていきたいと思っています」

キッズレスリングで教えることで気づきが多い

——宮田和幸代表が見守るなか、セコンドには同じレスリングをベースとする鈴木隼人選手もいましたし、ボクシングベースの芦田崇宏選手はDEEPフェザー級王座を戴冠しました。アスリートが多いジムの先輩のアドバイスや練習は参考になりますか?

「とても勉強になります。レスリングは高校のときもトップでやらせてもらっていたので大体の動きは分かるのですが、打撃も寝技も融合したMMAとなると、本当にまだまだ全然、分からない状況なので、その都度、一つひとつのアドバイスが自分の中で生きています。その中で自分に合う動きを採り入れて、自分に合わないなと思ったとしても、頭の隅には置いておいて、こういう動きもあるんだぞと知っておくことが大事だと思っています」

——BRAVEジムには内弟子システムもあって、指導しながらいい練習が出来ていると。

「本当に僕に合ってます。今キッズレスリングをメインで教えているんですけど、教えることによって気づきも多く、子どもたちの力がすごく今の僕の背中を押してくれています」

自分の距離、タイミングで行ければ必ず倒せる

──なるほど。4月28日の「DEEP 83」後楽園ホール大会では、MMA3戦全勝のツォゴーフ・アマルサナーと対戦します。モンゴルのボクシング選手権で3位、士道館空手、キックボクシングでも実績を持つアマルサナーをどのように対戦相手としてとらえていますか。

「アマルサナーはこれまでの対戦相手と比べ、数段強い選手だと考えています。右構えで左右ともにフックが的確で、一発で効かせられる。主にストライカーというイメージで、自分としてはいかに相手と打撃を交わしながらもテイクダウンに持ち込むかが勝負の鍵となるのではないかと思っています」

──アマルサナーはストライカーとはいえ腰も強く、シングルレッグ、ダブルレッグを切るのも巧みです。

「モンゴルは相撲が盛んな国ですから、きっと彼もモンゴル相撲などをやっていて腰も重いだろうと想定しています。一つの動きにこだわらず、色んな展開のテイクダウンを狙えば、倒しに行けると考えています」

──打撃の強い相手に武田選手がいかに組むか。

「そうですね。相手の距離にならず自分の距離、タイミングで行ければ必ず倒せると思います。そこからのコントロールも見ていてください」

──この試合を越えることでモノサシが出来ますね。

「このチャンスを逃さず、必ず勝ち名乗りを受けるのは僕だと信じて試合に臨みます。僕が戦場としているDEEPで、ベルトのみを目指して頑張ります。応援、よろしくお願いします!」

——レスリングの同期で世界で活躍している選手のことが刺激になったりもしますか。

「僕の同い年には、樋口黎(リオ五輪銀メダル)、文田健一郎(2017年世界選手権優勝)らがいます。中学校のときから一緒に海外に練習とか試合に出ていて、最前線で活躍している。いまはジャンルは違えど、同級生が活躍しているし、俺も世界で活躍したいと強く思っています。ゆくゆくはUFCでチャンピオンになることが目標です」

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◆『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』

『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』が3月17日、イースト・プレスより発売された。本文二段組、560頁に及ぶ第1弾の今回は歴史篇。柔道、柔術、レスリング、バーリトゥード、MMA、空手、キック、立ち技格闘技──ゴン格31年の取材史に書き下ろしコラムも収録! → http://goo.gl/Enmvrc

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◆DEEP 83 IMPACT
4月28日(土)後楽園ホール
OPEN/17:30 START/18:00
※オープニングファイトは17:40開始予定

▼DEEPウェルター級タイトルマッチ 5分3R
住村竜市朗(王者/フリー)
佐藤洋一郎(挑戦者/katana gym)

▼DEEPフライ級タイトルマッチ 5分3R
和田竜光(王者/フリー/王者)
高橋 誠(挑戦者/パラエストラ松戸)

▼第6代DEEPバンタム級王座決定戦 5分3R
北田俊亮(パンクラスイズム横浜)
ソン・ジンス(韓国/コリアンゾンビMMA/本宮塾)

▼DEEPライト級 5分3R
ツォゴーフ・アマルサナー(モンゴル/COREモンゴル)
武田光司(BRAVE)

▼DEEPウェルター級
桜井隆多(R-BLOOD)
片平”なぎさ”吉幸(パンクラスイズム横浜)

▼DEEPストロー級
ランボー宏輔(パラエストラ千葉)
村元友太郎(ALIVE)

▼DEEPフェザー級 
横山恭典 (KRAZY BEE)
ムン・ギボム(韓国/TEAM MAD DAEJEON)

▼DEEPバンタム級
窪田泰斗(D's Box'n Fit)
小川顕広(CAVE) 

▼DEEPフライ級
島袋チカラ(CORE王子豊島)
石神保貴(フリー) 

▼DEEPバンタム級
ハシャーンフヒト(NEX/DXFCバンタム級王者)
バータル・アズジャブハラン(モンゴル/COREモンゴル)

【出場予定選手】
しなしさとこ(フリー/DEEP女子フライ級王者)
CORO(K-Clann)

◆DEEP 82 IMPACT大会概要
開催名:カー・エイドpresents DEEP 83 IMPACT
日時:2018年4月28日(土)後楽園ホール
OPEN/17:30 START/18:00
※オープニングファイトは17:40開始予定

冠協賛:カー・エイド/(株)吉角
特別協賛:ナイツネット
協賛:(株)ドン・キホーテ、(株)ファイティングロード、Jホールディングス(株)、ラーメン俺の空、(株)クレスト、ヴァンクール、BK-Mind、BKアビリティ
後援:FIGHTING TVサムライ、公武堂、フォレスト玩具、(株)HATANO、HELMET

チケット料金:
VIP 16,000(パンフ付き)
SRS 10,000
指定A 8,000
指定B 6,500
※当日500円UP
※未就学児は保護者膝上に限り無料 

チケット販売所:
DEEP HP(www.deep2001.com) 
チケットぴあ(0570-02-9999 Pコード:594-750)
チケット発売中。
主催・問い合わせ:DEEP事務局(03-6908-6455)

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