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【QUINTET】POLARISが強さ見せつけ優勝。桜庭率いるHALEOが準優勝「QUINTET」を振り返る(2)

◆1回戦 POLARIS Dream Team vs SAMBO Dream Team

▼1回戦 第1試合 8分一本勝負
○クレイグ・ジョーンズ(POLARIS先鋒/豪州/90.3kg)
[1分58秒 ヒザ十字固め]
×ミンダウガス・ベルツビカス(SAMBO先鋒/リトアニア/81.4kg)

POLARIS先鋒としていきなり“グラップリング界新時代の寵児”クレイグ・ジョーンズが登場。柔術界の大物レアンドロ・ロ、ムリーロ・サンタナ、UFCでも活躍したジェイク・シールズらから一本勝ちしているジョーンズが「ヒールフック禁止」のルールのなかで、どんな極めのセットアップを見せるか。ベルツビカスはコンバットサンボ欧州王者で、MMA BUSHIDO王者でもある。

ベルツビカスの右手首を掴み、両腕で掴んでアームドラッグ的に引き落としたところで前に出た右足首を掴みにいくジョーンズ。そのまま足を越えようとするベルツビカスの左足を止め、Xガードで浮かし前方に蹴って煽って手を着かせるが、向き直ったベルツビカスはジョーンズの右足を差し込ませないよう左腕を入れる。

再び右ヒザで煽ったジョーンズは、すぐに足下に潜ると両足を差し込んできたベルツビカスにクロスヒール(※ヒールフックと異なる)へ。これを横回転でベルツビカスが凌ぐ途中でジョーンズはサドルロック(内側で4の字にロック)を組むと、アンクルホールド、ヒザ十字の変化。胸もとで踵を抱えるジョーンズに対し、1回目は伸ばされた左足を回転してずらすベルツビカス。

しかしジョーンズは今度は正対してきたベルツビカスの左足を深く両足で組み、左の脇の下に入れてヒザ十字を極めた。

▼1回戦 第2試合 8分一本勝負
△クレイグ・ジョーンズ(POLARIS先鋒/豪州/90.3kg)
[時間切れ引き分け]
△セルゲイ・グレチコ(SAMBO次鋒/リトアニア/71.7kg)

両手を掴んでからシッティングガードに入るジョーンズ。世界サンボ選手権68kg級金メダル(2007, 2009, 2012)のセルゲイ・グレチコは足を後方に引きながら、ジョーンズの右足首を掴みにいくが、掴みに行くことは相手に捕まれる瞬間でもあり、両手でグレチコの右手を掴んだジョーンズは、アームドラッグで前方に引き出すとすかさずハーフガード、サドルロック狙いへ。グレチコが左で脇を差しにくるとオモプラッタを仕掛ける。ここは外したジョーンズ。離れるグレチコの股下に左足を差し入れ、右ヒザは腹に当てニーシールド。そこから左脇を差されずにシールズ戦のように遠い足をすくいに行くとグレチコの右足を伸ばしていく。グレチコはジョーンズの右足にアキレス腱固めに入るが、ジョーンズは伸ばした足をアンクルロックへ。グレチコが捻られた足首を真っ直ぐにするとジョーンズは両足を4の字に組みヒザ十字へ。

横回転で外したグレチコが上を取ると、ジョーンズは下から右足組みを掴みながら潜って煽り、上に。右で脇差しパスガードでサイドを奪うとマウント、ノーギの袖車絞め・エゼキエルチョークへ。これは凌いだグレチコは下から右足首を狙うが、手も長いジョーンズは中腰からアンクルを仕掛け、グレチコの手を放させる。立つグレチコはヒザを飛び箱跳びでジャンピングパスを狙う。跳んできた足を掴んだジョーンズは両足を束ね、クロスヒールへ。これも抜いたグレチコはジョーンズの足狙いをデフェンス。

しかしサイドを奪ったジョーンズは自ら左足をハーフに差し込み、ヒザ裏とヒザ裏を合わせて前転しベリンボロへ。バックに回りかけると正対してきたグレチコからマウントを奪う。ここで試合が終了。SAMBO次鋒のグレチコがジョーンズの猛攻を凌ぐ健闘で、引き分けに持ち込んだ。

▼1回戦 第3試合 8分一本勝負
○マーチン・ヘルド(POLARIS次鋒/ポーランド/82.05kg)
[2分36秒 ヒザ十字固め]
×ビクトル・トマセビッチ(SAMBO中堅/リトアニア/81.9kg)

Bellator、UFCで活躍する“ポーランドの足関王”マーチン・ヘルドがPOLARIS次鋒で登場。対するリトアニアのビクトル・トマセビッチは2010年コンバットサンボ世界選手権準優勝、2017年欧州グラップリング選手権優勝の肩書きを持つ。

今成ロールでスライディングし足下に潜り右足に両足でからみ、右手は左足をすくいにいくヘルド。首を抱えにきたトマセビッチに尻餅をつかせそのまま上に。下のトマセビッチはストレートアームバーを狙うが、中腰で外したヘルドは、噛み付きパスからサイドへ。腕を巻き込み上を取ろうとするトマセビッチのアゴを掴み、がぶりからギロチン・バックへ。そこにアームロックを狙うトマセビッチが上に。

これを外したヘルドは再び左足を両腕ですくいながら潜り、左足を肩口にかけ、右ヒザをトマセビッチの左腿に当て、ついにトマセビッチの左足を伸ばすと、ヒザ十字へ。トマセビッチは右足を差し入れるが、両足首を組んで挟んだヘルドが腹を突き上げて梃子を効かせてヒザ十字でタップを奪った。

▼1回戦 第4試合 4分一本勝負※体重差が20kg以上の試合時間
○マーチン・ヘルド(POLARIS次鋒/ポーランド/82.05kg)
[0分45秒 ヒザ固め]
×テオドラス・オークストリス(SAMBO副将/リトアニア/104.4kg)

体重差が20kg以上あるため、通常の8分ではなく4分一本勝負に。テオドラス・オークストリスは柔道経験もあるコンバットサンボリトアニア王者で、RIZINにも参戦しているBushido FC欧州ライトヘビー級王者。

足関節を狙う相手に対して、どうしても足を遠ざけたくなるオークストリス。体重差はあるものの、腰が引けて、踏み込んだ投げを狙うのが難しくなる。組手争いからスライディングはヘルド。すぐさま左足を股下に入れハーフから外の右足と内側で4の字で組むと右で脇を差す。

左腕で小手に巻き、右手を前方でマットに着きバランスを取るオークストリスだが、左腕で右足を担いだヘルドは、右側にスイープ狙い。これを戻してきたところに両足を組み直したヘルドによりヒザが捻じれ、オークストリスがタップ。45秒ヘルドが2人抜き。

▼1回戦第5試合 8分一本勝負
△マーチン・ヘルド(POLARIS次鋒/ポーランド/82.05kg)
[時間切れ引き分け]
△マリウス・ザロムスキー(SAMBO大将/リトアニア/77.9kg)

SAMBO大将のマリウス・ザロムスキーは極真空手黒帯のストライカーながら、グラップリングにも精通し、三角絞めでの一本勝ちもあり、DREAMでは池本誠知、桜井“マッハ”速人、ジェイソン・ハイ、桜庭和志らに勝利しウェルター級王者にも輝いている。

3試合目のヘルドは引き分けでもPOLARISチームの決勝進出が決まる。ザロムスキーのダブルレッグに対し、両足を後方に飛ばし、がぶりから引き落とし、アナコンダチョーク狙いからバックに回るヘルド。両足はフックさせないザロムスキーに対し、ヘルドはシングルバックでツイスター狙い。これを防がれるとヘルドはバナナスプリット・股裂きへ移行。そこから片足を肩口に上げながらトップへ。

そのままサイドを奪い、ニーオンから腕十字狙い。いったんは伸びかかった右腕を足下に回りながら腕も回して外したのはザロムスキー。足を警戒しながらパスガードのアタックをする。片足を股下に入れながらインバーテッドで腕十字を狙うヘルド。これもまたいで凌ぐザロムスキーは、会見で語った通り防御力が高い。引き分けでもチームの勝利が決まるヘルドはシッティングのまま、ザロムスキーのパス狙いにヒップアタックで足を越させず。時間切れ引き分けでPOLARISチームを決勝へと導いた。

※POLARIS Dream Teamが決勝戦進出。グレゴー・グレイシー(POLARIS中堅/ブラジル/86.25kg)、宇野薫(POLARIS副将/日本/67.95kg)、ダン・ストラウス(POLARIS大将/英国/93kg)残し。

◆決勝戦「HALEO Dream Team vs POLARIS Dream Team」へ続く

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