見出し画像

【QUINTET】格闘技ビギナーにもオススメしたい桜庭和志プロデュース『QUINTET』の楽しみかた=4月11日(水)『QUINTET.1』

「ピースオブケイク」加藤貞顕CEO、水野圭輔ディレクターらとお話ししたことが縁で、「note」の皆様にもご注目いただき、フォロワーが増えた『ゴング格闘技』公式noteです。

いつも堅苦しい内容が多いゴン格の文章ですが、今回はせっかく「note」のユーザーの皆様に新規フォローいただいたこともあり、少し肩の力を抜いて、新しい格闘技イベントを紹介したいと思います。

本日4月11日(水)18時30分から、東京・両国国技館で、あの格闘技界のレジェンド・桜庭和志選手がプロデュースする新格闘技イベント『QUINTET.1ーGrappling Team Survival Match−』(クインテット)が旗揚げ戦を行ないます。同大会は、無料でAbemaTVでもライブで視聴が可能。試合翌日の12日(木)からHuluでも配信されます。

『QUINTET』は、PRIDEやUFC、RIZINなどの総合格闘技と異なり、打撃無しの「グラップリング」という組み技(絞め技・関節技あり)の大会です。5人で1チームを結成し、柔道のように勝ち抜き戦で勝敗を争う。今回は世界各国から集められた4チームがトーナメントに参加します。

4チームには個性豊かな選手が集まりました。

桜庭選手率いる「HALEO Dream Team」には総合格闘技でも有名な選手がズラリ(先鋒・中村大介、次鋒・桜庭和志、中堅・所英男、副将・マルコス・ソウザ、大将・ジョシュ・バーネット)。

また、HALEOチームと1回戦で対戦する「JUDO Dream Team」にも大将の石井慧選手をはじめ、柔道をベースとしたMMAファイターが揃いました(先鋒・小見川道大、次鋒・出花崇太郎、中堅・キム・ヒョンジュ、副将・ヨンユン・ドンシク、大将・石井慧)

もう一方のブロックには、英国発のプログラップリングイベント「POLARIS」等で活躍する選手たち(先鋒クレイグ・ジョーンズ、次鋒マーチン・ヘルド、中堅グレゴー・グレイシー、副将 宇野薫、大将ダン・ストラウス)。サンボをベースとする「SAMBO Dream Team」にはDREAM、RIZINにも参戦経験のある選手がラインナップされています。

このように格闘技の実力者たちが一同に会し、組み技のみで競う『QUINTET』。どのような大会になるでしょうか。『ゴング格闘技』では、日本ではまだ馴染みの薄い選手を紹介することで、「グラップリング」の面白さをお届けできればと思います。

さて、「グラップリング」というと、打撃ありの競技に比べ、動きが分かりにくく、抑え込んで膠着している時間が多い、というイメージがありませんか。

たしかにテクニカルな動きには、一見して何が起きているのか分かりにくいムーブもありますが、近年のプロ・グラップリングの試合は、まるで打撃の試合のような「音」や「スピード」が感じられる試合が増えています。

たとえば……、今回「POLARIS」チーム1回戦の大将を務めるダン・ストラウス選手。ホジャー・グレイシーの黒帯である彼は、95kgという巨漢ながら、AJ・アガザーム(この選手も驚異の新鋭)を相手にまるで「ビシッ!」「バシッ!」と擬音がつけられるような素早い動きを見せています。頑強なガードから、素早いオモプラッタ、ラバーガード……時に胸を叩くゴリラさながらのドラミングも迫力です。

さらに「POLARIS」チームでいきなり先鋒として登場する豪州のクレイグ・ジョーンズ選手は“グラップリング界の寵児”と呼ばれます。柔術界の大物レアンドロ・ロから裸絞めでタップを奪い、ムリーロ・サンタナを三角絞めで下し、日本マットやUFCでも活躍したジェイク・シールズ選手にヒールフック(かかとを極める)で一本勝ちもしています。

今回の『QUINTET』では、そのジョーンズ選手得意の「ヒールフック」が禁止されているため、残念ながらいま世界で話題のサドルロック(各自ご調査を)からのヒールフックというフィニッシュが見られません。しかし、逆に言えば、その得意の極め技が制限された状態で、クレイグ・ジョーンズ選手がどんな足関節を見せるのか、あるいはほかのサブミッション、絞め技を見せるのか、大注目です。

また、UFC、Bellatorでも活躍したマーチン・ヘルド選手も「POLARIS」チームに緊急参戦。“ポーランドの足関王”と呼ばれるヘルド選手は、一時は「総合格闘技(MMA)で足関節で下になることは危険」と言われるなか、足関節から逃げる相手のバックを奪うなど、MMAのなかで関節技をトランジション(動きの変化・連係)としても活用しています。上からでも下(ガードポジション)からでも柔術ができるヘルド選手は、ヒールフックのみならず、トゥーホールド(足首固め)、ヒザ十字固め、腕十字固め、ギロチンチョークやリアネイキドチョークも得意としており、ジョーンズ選手同様に、『QUINTET』のルールでどのような新たな面を見せてくれるのか、期待が高まります。さらに近年、柔術での活躍も目覚ましい宇野薫選手が「POLARIS」チームの一員として参戦するのも目が離せません。

1回戦の対戦チームのベースである「サンボ」はもともとヒールフックや足首固め、絞め技は禁止なれど、蟹挟、河津掛け、アキレス腱固め、ヒザ十字固めなどが認められた競技。「POLARIS」勢の動きと噛み合うのか、噛み合わないのか、こちらも注目です。

「柔道」チームでは、大将として陣取る石井慧選手のピュア・グラップリングが初お目見え。柔道衣を着ないMMAでも多彩な投げ技と抑え込み、腕がらみ(キムラロック)等を得意としてきた石井選手が、純粋なノーギ(衣無し)グラップリングでどんな動きを見せるのか。また、石井選手と同じ大阪出身で柔道時代に団体戦でともに戦ったこともある出花崇太郎選手は「キャプテン☆アフリカ」の名前でMMAでも活躍中。奥様がボクシング元世界王者という異色のプロフィールの持ち主(記事詳細はこちら)。先鋒の小見川道大選手と次鋒の出花選手という1回戦の試合順は、対戦チームにとっても脅威となるでしょう。

そして、桜庭和志選手率いる「HALEO」チームには、副将としてマルコス・ソウザ、大将としてジョシュ・バーネットが控えている点にも注目です。マルキーニョスことマルコス・ソウザは日系ブラジリアンとして、世界で活躍する柔術家。力強いテイクダウン、跳びつき三角絞めなどトリッキーな動きも得意とし、何よりトップ・ガードとともに、最先端の動きのなかで安定した強さを持っています。そして、大将ジョシュ・バーネットは、キャッチ・レスリングを標榜するファイター。古のキャッチ・レスリングを現代グラップリングのなかでいかに披露するか。柔道チームの石井選手とはかつての練習仲間でもあるため、手の内を知り尽くした「柔道」vs「レスリング」の戦いにも注目です。そして、もちろん、この大会の発案者で、試合に向けて練習で「14人抜き」をしてきたという桜庭選手の動きをライブで見られること──これも格闘技ファンにとって幸福な時間となることでしょう。

『QUINTET』は消極的な動きに「指導」のペナルティがあり、「指導」3回で失格になるルール。アクティブに動き続けなければいけない状況で、今回の参戦選手たちはどんな動きを見せるでしょうか。そして、「勝ち抜き戦」という団体戦(チーム5人の総体重は430kg以内、体重差が20kg以上ある場合は8分→4分1本勝負に)で、いかに選手たちは消耗するのか。体重差はどのように影響するか。「1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない」ため、決勝の試合順を含めた作戦も勝敗を決めるポイントとなりそうです。

試合直前に駆け足で紹介した『QUINTET』。新たな格闘技の潮流になることを期待して、試合開始を待ちたいと思います。また、現在発売中の『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』(イースト・プレス刊)では、「柔術と柔道」「ジョシュ・バーネット×カール・ゴッチ対談」など、組み技の歴史も紹介しています。ぜひ、ご一読ください!

『ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017』が3月17日、イースト・プレスより発売された。本文二段組、560頁に及ぶ第1弾の今回は歴史篇。柔道、柔術、レスリング、バーリトゥード、MMA、空手、キック、立ち技格闘技──ゴン格31年の取材史に書き下ろしコラムも収録! → http://goo.gl/Enmvrc

────────────────────

■QUINTET.1
2018年4月11日(水)両国国技館
開場 17:30(予定)開始 18:30(予定)

◆HALEO DREAM TEAM
先鋒・中村大介、次鋒・桜庭和志、中堅・所英男、副将・マルコス・ソウザ、大将・ジョシュ・バーネット

vs

◆JUDO DREAM TEAM
先鋒・小見川道大、次鋒・出花崇太郎、中堅・キム・ヒョンジュ、副将・ヨンユン・ドンシク、大将・石井慧

◆POLARIS DREAM TEAM
先鋒クレイグ・ジョーンズ、次鋒マーチン・ヘルド、中堅グレゴー・グレイシー、副将 宇野薫、大将ダン・ストラウス

vs

◆SAMBO DREAM TEAM
先鋒ミンダウガス・ベルツビカス、次鋒セルゲイ・グレチコ、中堅ビクトル・トマセビッチ、副将テオドラス・オークストリス、大将マリウス・ザロムスキー

※決勝は「HALEO DREAM TEAM」vs「JUDO DREAM TEAM」、「POLARIS DREAM TEAM」vs「SAMBO DREAM TEAM」の勝ち上りチームが対戦

【チケット】
入場料金(消費税込)
マスVIP席 39,000円(サンキュー39シート:特典付) 
マスSS席 15,000円
マスS席 12,000円
マスA席 10,000円
マスB席 7,000円
2階指定A席 6,000円
2階自由席 4,000円

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?