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【マンガ原作】『令和地獄ブラザーズ・帰国編』「VOL.4 平成地獄」

あらすじ

権藤左近は、ある日…30年前、行方不明になった兄の右近と、その友人・牛山をテレビの中で発見し、ミナミノ島に向かう。
そこには、右近と牛山が生きていた。

登場人物

権藤左近…「サイバーコア・ネットワーク」CEO。現在は子会社の「サイバーコアエンジン」でロボット開発に力を入れている。

早瀬綾乃…左近と交際している女優。性格は天然。都内のタワマンに住み、ネコを飼っている。趣味はピアノ。

権藤右近…左近の兄。30年前から行方不明。

牛山…右近の親友。右近と共に行方不明。

ミーズ・ヌ・マ―…通訳兼コーディネータ。

カーネ・シ・ロー…島の長老。

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※タイトル画面

島に不時着した右近と牛山…砂浜に倒れている。

タイトル
『令和地獄ブラザーズ・帰国編』

「VOL.4 平成地獄」

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海。砂浜に立つ右近、牛山と左近、ミーズ。
右近「オレと牛山は…」
  「気が付くと、この浜に打ち上げられ」

※右近の回想
砂浜に倒れている右近と牛山。
(うぅっ…)と、二人が顔上げると、島民に囲まれてる。
その先頭には、槍を構えた…カーネ・シ・ロー。
字幕(右近)⦅島民たちに囲まれていた…⦆
     ⦅その時…牛山が……⦆
牛山「えっえっえっ!」
字幕(右近)⦅すると、どうだ……⦆
カーネを始めに次々とひざまづく島民。
字幕(右近)⦅島民たちはひざまづき…⦆
牛山に向かって、祈るかのように両手を握る。
字幕(右近)⦅なぜか…牛山を拝み始めた……⦆
     ⦅…まるで⦆
     ⦅水戸黄門がインノーを出したかのようにな…⦆
※回想終わる

ミーズ、冷静に。
ミーズ「印籠ですね…ウコンさん」
ミーズの声(コーモンが、タマ見せてどうすんだよ)
右近「お…おお、そうか」

※回想の続き
立ち上がり、島民に向かって語り掛けるカーネ。
カーネ「皆の者…よく聞け!」
   「…今やこの島も」
   「金儲けばかりを考える、商業主義者ばかりになってしまった…」
口をあんぐり開け、《ポカ~ン》とする右近と牛山。
カーネ「この者たちこそ…この島の世直しのため」
     「流れ星に乗り…空から舞い降りた」
     「…聖なる戦士たる者ぞ!」
《おぉ~!?》と感心する島民。
カーネ、右近と牛山に。
カーネ「○✕△○✕✕△△…(働いてくれぬか…)」
     「△○✕○✕✕△○✕△!(…この島の、世直しのために!)」
(『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』Vol・5「秘儀参入」オマージュ)
字幕(右近の声)⦅俺は“神”を見た…⦆
       ⦅決してコトバは通じなくとも⦆
       ⦅皮膚から染み込んで、血液が理解した……⦆
(『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』Vol・38「平地人を戦慄せしめよ」オマージュ)
字幕⦅それ以来…オレのココロの師として尊敬している……⦆
※回想終わる

左近「兄貴、牛山さん…日本に帰る気はないか?」
  「平成は終わり、今はもう令和…になった」
右近「れ、れいわ…?」
左近「良い時代とは言えないが、決して悪い時代でもない…」
  「もう一度日本で…人生をやり直してみる気はないか?」
右近「う、う~む」
  「誰も騙すことも、傷つけることもない…」
  「…自給自足を基本とする、この島のライフスタイルは」
  「オレと牛山には、合っている…」
左近「…」
右近「…だが、そんな事よりも」
  「オレたちには日本に帰れない事情…」
  「オ、オレは…日本で暮らしてはいけない……」、
  「罪深い人間なんだ…!」
左近「廃工場での殺人事件か」
右近「し、知っているのか…?」
左近「ああ…もちろんだとも」
  「あの時、取引"を終えたオレが、廃工場に行くと…」
  「工場はケーサツにより封鎖され、辺りは騒然としていた」
右近「……」
左近「工場内から政治団体代表とみられる遺体が発見され」
  「関係者とみられる中年男性二人が行方不明」
  「オレも、肉親として何度か事情聴取され…」
  「兄貴がまた何か、巻き込まれたのだろう…と、思っていた」
右近「…オ、オレたちは指名手配か!?」
左近「そんな時…都内のあるマンションで」
  「30代の女性が飛び降り自殺…」
  「女性の自宅からは、絞殺された父親の遺体…」
右近「ま、まさか…!?」
左近「…そのまさかさ」
右近の回想カット。『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』「VOL.30 廻転しない鮨 」より、在りし日の水沼の娘…多恵子。
右近の声(た、多恵子さん…)
左近「クローゼットから、血まみれになった父親の衣服が発見され」
  「衣服に付いた血と、廃工場の遺体と血液が一致」
  「事件は水沼親子が起こしたとものとして、捜査に終止符が打たれた…」
右近「それじゃあ、オレたちは…?」
左近「ただの…行方不明者だ」
右近「な、なぜだ…」
左近「さあな…聞くところによると、その夜」
  「廃工場から、謎の物体が飛び立った…」
  「だが…その件は、オレも含めた関係者すべてに」
  「かん口令が敷かれ伏せられた」
  「もちろんオレは、その物体が何であるか…わかっていたがな」
右近「…」  
左近「ヤツらは、決して…真実が知りたいわけではない」
  「辻褄が合うストーリーで書類さえ整えば」
  「理解不能な事象を追求して」
  「余計な混乱を招く必要はない…という判断なのだろう」
左近、《くっくっくっ》と含み笑いをして。
左近「つまり、兄貴と牛山さんは…」
  「平成の世から、見捨てられた…というわけだ」
右近「み、見捨てられた…!?」 
牛山「えっえっえっ!?」 
右近「ふ、ふざけるな…!」
  「オレたちが、見捨てられたんじゃねえ…」
左近「…!?」  

※ラストコマ
右近、目を見開き唾を飛ばして。
右近「オレたちが、そんな…クソみてえな世の中と」
  「…オサラバしたんだ!」

「VOL.4 平成地獄」END

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