見出し画像

【マンガ原作】『令和地獄ブラザーズ・帰国編』「VOL.1 ミナミノ島まで飛んでイK!」

※タイトル画面

南の島。浜辺に立つ、権藤右近、牛山…そして左近!

タイトル
『令和地獄ブラザーズ・帰国編』

「VOL.1 ミナミノ島まで飛んでイK!」

ーーーーー

夜。廃工場。
赤いパトランプ、そしてスポットライト。
大勢の機動隊に囲まれる…権藤右近、牛山そしてロボオ。
(武器を捨てて出てきなさい!!)
その時…ロボオが右近と牛山を抱きかかえ空へ!
遥か上空まで飛び、夜空に消えて行く…。
※『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』最終話より。

ーーーーー

夜。ライトアップされる横浜ベイブリッジ。
横浜みなとみらいー
みなとみらいの夜景…。
タワーマンションの一室。
ベッド上に半裸の女性。
その横で寝ている…権藤左近!
汗をかいてうなされている。
左近「ん…ん~ん……」
女性=左近の交際相手、女優・早瀬綾乃…左近の体を揺らして。
綾乃「ねえねえ…どうしたのよ」
目を覚ます左近。
左近「!?」
左近、起き上がり汗をぬぐう。
左近「ふ~…」
綾乃「ねえ…左近〈サコ〉ちゃんにお兄さんなんかいたっけ?」
左近「なぜだ…?」
綾乃「…ずっと、アニキアニキって言ってた」
左近、ベッドを出て。
左近「な、なんでもない…」
窓際で夜景を見ながら煙草に火をつける左近。
左近の声(また、あの夢を…)

回想カット。『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』最終話ラストシーン…廃工場の前で佇む左近。
字幕⦅二人の遺体は発見されず⦆
  ⦅空を飛んだ謎の物体など不可解な点も多く⦆
  ⦅関係者にはかん口令が敷かれ⦆
  ⦅二人は行方不明者として処理された…⦆

左近の横顔。
左近の声(あれから30年……)
左近「兄貴…」

ーーーーー

工場のような建物。
ロボット試験場ー
字幕「サイバーコアネットワーク」
  「サイバーコアエンジン」
  「ロボット試験場ー」
サイバーコアネットワークCEOの左近をはじめ、関係者、エンジニアなどが注目するなか、ヒト型二足歩行ロボットが椅子に座っている。
エンジニア「…ではテストを始めます!」
左近「うむ…」
《ギギギギ…》と、ロボットが起動。
徐々に立とうとして。
《キ~ガチャン、キ~ガチャン》
完全に立ち上がる。
関係者から感嘆の声が上がる。
一同「うお~っ!?」
ロボットが一歩を踏み出す。
《キ~ガチャン、キ~ガチャン》
注目する左近。
左近「…!」
そのまま前のめりに倒れるロボット。
うつ伏せになったまま、ただ手足だけが動いている。
《キ~ガチャン、キ~ガチャン》
落胆する一同。
一同「あ~…」
タメ息の左近。
左近「ふ~…」

ーーーーー

夜。ライトアップされる横浜ベイブリッジ。
横浜みなとみらいー
ベイブリッジを走る車。
社用車、後部座席の左近。
左近の声(今でも信じられない…)
みなとみらいの夜景を見ている左近の横顔。
左近の声(…あのロボットは
    30年も前にすでに
    二足歩行
    人口音声
    AI…
    現在の最先端の技術を
    装備していたとは…)

横浜・みなとみらい地区…。
タワーマンション(左近の住居)ー
玄関前に停車する社用車。
車から降りる左近。
左近、エントランスに進む。
走り去る社用車。
物陰から男が出て来て左近の前に立つ。
男、名刺を出して。
男「週刊文潮のモノです」
左近、無視して通り過ぎる。
左近「…」
男、左近に追いすがり。
男「女優の早瀬綾乃サンとの交際は順調ですか?」
エントランスに入って行く左近。
左近「好きなように書いてもらっていい…」
左近の後姿を見送る男。
男「…」

窓からライトアップされた横浜ベイブリッジが見える…左近の部屋。
Yシャツ姿の左近、冷蔵庫から缶ビールを取出す。
ネクタイを緩め。
左近「ふ~っ…」
《ピキッ》と缶ビールを開け、一口飲みソファに座る。
TVのリモコンを手にして、スイッチON。
大型の壁掛けTVの画面にバラエティ番組。
セーラー服を着た女性お笑いタレントが映しだされている。
タレント「地球の果てまで飛んでイK~!」
      「さーて、今日はですね…ここミナミノ島より」
      「なんと…部族対抗駅伝大会の様子をお送りしまーす」
左近、横目で見ながら。
左近の声(ちっ…くだらねえ)
TV画面…股間にペニスケースを装着した部族、顔にペイントをした部族など計4チームがスタートラインに並ぶ。
タレント「この駅伝大会は、部族同士の無用な争いを避けるため」
    「およそ100年も前から、行われていて…」
    「上位チームから、その年の優先狩猟権が決められるそうです」
スマホをチェックしながら、ビールを飲む左近。
左近「…」
TV画面…長老のバグパイプのような民族楽器でスタートの合図。《プゥ~~ッ!》
各部族のランナーがスタートを切る。
《うお~っ!》と盛り上がる各部族の応援団。
その前を一斉に駆け抜けるランナーたち。
スマホを見ながらも、時折チラチラと横目でTVを気にする左近。
左近「…」
左近、眼を見開きフリーズ。
左近「!?」
缶ビールが左近の手から離れ、スローモーションのように落ちていく。
床に転がり、ビールがあふれ出す。
立ち上がり、茫然とする左近。
左近「…」
よろよろと壁掛けTVの前まで行く。
左近「ま…まさか!?」

※ラストコマ
TV画面…部族のランナーの後からランニングシャツ&腰蓑姿の牛山!それを追い掛ける、同じく腰蓑の権藤右近の姿が!!
字幕(左近)「う…牛山さん?」
     「あ、兄貴…!」

『令和地獄ブラザーズ・帰国編』

「VOL.1 ミナミノ島まで飛んでイK!」END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?