【第32回芥川也寸志サントリー作曲賞】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月27日(土)【サントリーサマーフェスティバル】

小野田健太〈第30回受賞記念委嘱作品〉『綺羅星』
 うーん。なんというか、フランス系ですね。始めは単音の旋律、後半は和音の応酬でしたが、2台もピアノがいてそれかよ、みたいな。音が燦めいているのは分かりましたが、静かな部分も美しくないし、早い部分も無くて盛り上がりに欠ける。2年前の受賞作もつまらなかったし、仕方無い。

波立裕矢『失われたイノセンスを追う。Ⅱ』
 ヒンデミットのワーグナーみたいだったな。コンセプトがベリオの『シンフォニア』的。坂東祐大『ダミエ & ミスマッチ J.H:S』とか、冷水乃栄流『ノット ファウンド』と同じ系列。それにしてもマーラーがスウィングジャズになるとは。だからドラムセットがいたんですね。他にはフレクサトーンがいて、それがシュニトケを思い起こさせた。
 今回の受賞作とに選ばれました。おめでとうございます。

根岸宏輔『雲隠れにし 夜半の月影』
 去年の武満徹作曲賞1位の曲です。そこで聴いたときにはあまり印象に残らなかったけど、今日聴いたらとても美しかった。現代に於ける平安趣味なんでしょうか。民族主義ではないけど、なんか日本的で良かった。
 SFA総選挙ではこの曲に投票しました。

大畑眞『ジンク』
 和太鼓と当たり鉦で何も聞こえねえ! せっかくいる男声もよく聞こえなかった。
 オーケストラが異常な配置。ピアノ、チェレスタ、ハープが真ん中にいて、その後ろに打楽器。周囲には、内側に管楽器、外側に絃楽器。どういうこと?
 太鼓のリズムが全く取れなかったのですが、選考会の中で聞こえて来たのは、「10/16拍子」という言葉。えっ、そんな……。
 民族主義と言えると思います。一貫したオスティナートでした。ミニマル音楽だよね。打楽器以外で聞こえて来たのはホルンのクレッシェンドくらい。最後にハープの残響が聞こえたのは驚いたけどね。他はいなくても良いんじゃない? 打楽器ソロの室内楽で良かったと思う。