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集団いじめはエンタメ化する(これ、いま流行りの、マルトリートメントじゃないっすか⁉(29))

どうも、こんにちは。ゴンベーでございます。
 
初めましての方はご存じないかも分かりませんが、本シリーズは、
筆者ゴンベーが家庭で受けてきた虐待・マルトリートメントを、
実体験に基づいて書いております。
虐待は家庭のいじめ、ってことで、お読みくださいまし。
 
え~、虐待家庭とひと口に言いましても、内情はさまざまでして。
「父親」だけが加害者で、あとは全員被害者、というお家もございます。
 
そういうお家では、なんですか、下の子が暴力を浴びていると、
上の子が、下の子をかばい、守ろうとすることがあるそうで。
上の子ったって、下の子と比べて年長なだけで、まだ子どもでしょ。
自分も怖くて動けないのが普通でしょうに……。
世の中には、あっぱれな兄姉がいるもんです。
 
もちろん、「母親」だけが加害者というお家もありますね。
「親」が加害者で、子どもは全員被害者のお家もあるでしょう。
 
で、Z家はどうだったかといいますと、
これはもう、今までにも書いてきました通り、
「父親・母親・兄・妹」の4人が、ゴンベー1人を痛めつけておりました。
 
ゴンベーは、常日頃から、Z家の連中の地雷を踏まないよう、
子どもなりに気をつかい、細心の注意を払っておりました。
が、相手は、その日その時の気分で、色んなとこに地雷を
埋め変えていくもんですから、どれだけ注意したって、
よけられないもんは出てくるわけでございます。
 
なにせ「母親」に共感を示しただけで暴言を浴びせられますから。
(詳しくは「記事3『もっとひどいこと、しとるがな』 『そこだけ取って暴言かよ』」に記載の通りでございます)。
 
なぜゴンベーだったのかは永遠の謎なのですが、
おそらく、「『兄妹』のまん中で長女」という立ち位置が、
家庭のゴミ箱にするのに、ちょうどよかったのでしょう。
きょうだい格差の形は、家庭によってさまざまあると思いますが、
Z家においては、ゴンベーの立ち位置が叩きやすかったようです。
 
んで。
これ、ゴンベーは、家庭での実体験から感じたことなのですが、
多人数で1人にやる場合、いじめってエンタメ化するんすよ。
 
1人の暴君が、他の「家族」全員に暴力や暴言を浴びせる場合、
エンタメにはなりにくいと思うんですよね。
暴君は1人で楽しんでるかも知れませんが、
その楽しみを、共有する相手がいないので。
 
しかし、Z家のように、1人の子どもを家ぐるみでいたぶる場合、
盛り上がるんですよ、これが。
 
例えば、こんな感じです↓。
 
さあ、今日も今日とて、「父親」がゴンベーに、いきなり
キレて怒鳴りだしました。居間での出来事です。
当時のゴンベーは、小学生です。
実況は現在のゴンベーでお送りします。
 
おっと! ゴンベー、急いで廊下を走りまして、
居間から一番遠い部屋に、逃げこみました!
 
そこは、元々「父親」の部屋ですねぇ。
しかし、ゴンベー用の机がここに置かれてしまったんですね。
「父親」と共用という形にされてしまいました。
「兄」には、一人部屋が与えられておりました。
 
ともあれ、机が置かれたことで、ゴンベーは
この部屋への出入りが、比較的自由にできました。
同じ家の中で逃げられる場所は、他にありませんねぇ。
ここしかない。そしてこの部屋は、鍵がかかります
 
ゴンベー、部屋に逃げこみ、ドアに鍵をかけた!
これは勝負あったか?
 
追いかけてきた「父親」、鍵のかかったドアをドカンドカンと、
力づくで開けようとしたり、「開けろ!」などと怒鳴っております。
開けるわけない! 開けるわけがありません!
開けるくらいなら、最初から逃げていません!
 
おや、「父親」が、「おい! ハサミ持ってこい!」と怒鳴りました。
ゴンベーに、ではない。部屋の外の誰かに、怒鳴っています。
 
え~、ここでいったん、解説をはさみます。
ゴンベーが逃げこんだ部屋の鍵なんですが、
この鍵は、とても簡素なものでした。
 
鍵穴に鍵をさして回すようなタイプではなく、
ドアノブのまん中に、つまみがついてるんです。
縦についているつまみを、横に回すと、鍵がかかります。
外側から見ると、溝が一本あるだけでした。
 
なので、溝に何か細いものをあてがい回せば、
外側からも、いとも簡単に鍵をあけられた
のです。
 
子どものゴンベーは、まだ純真で、浅はかでした。
鍵をかけた部屋に逃げこんだ子どもを追いかけ追いつめ、
外から暴力的に押し入って罵声怒声を浴びせ続ける、
そんな非道な真似を平気でできる人間がいるなんて、
思ってもいませんでした。
 
毎日毎日、暴力をふるわれ、罵倒され、
怒声を浴びせられているのに、それでもなお、
あの連中にも、あんな連中にも、人の心があると、
心のどこかでは、信じ続けてしまう。
 
ゴンベーに限らず、虐待されている子には、あるあるです。
人の心があるなら、年端もいかない子どもを、
家ぐるみで加害できるわけないのにね。
その残酷な真実を受け入れるには、小学生は幼なすぎるんです。
 
さて、実況を続けます。
「父親」が、「おい! ハサミ持ってこい!」と怒鳴りました。
 
おや、「兄」の「ハサミ、ハサミ!」というはしゃいだ声が、
部屋の前から遠ざかっていきます。
どうやら「兄」、「父親」と一緒にゴンベーを追って
部屋の前まで来ていた
もようです。
何しに来たんでしょうか、コイツは。
 
あ、情報が入りました。
「兄」は、ゴンベーが「親」に罵倒されているのを見るのが
大のお気に入りだということです。
 
わざわざ見に来て、怒鳴り散らされて泣き声を上げる
ゴンベーを笑い、なんなら「親」の罵倒が終わった後に、
入れ違いでゴンベーの罵倒を始める、それが「兄」のお気に入り。
 
記事冒頭の、弟妹を虐待から守ろうとするあっぱれな兄姉とは、
えらい違いです。
しかし、これがZ家! これがZ家なのです!
 
さあ、「兄」、おそらく台所に行きました。
台所では、「母親」が、素早くハサミを準備して、「兄」に
手渡していると思われます。
なぜそれが分かるかといいますと、この後、「父親」が
部屋に押し入った時、手に持っていたのが、台所のハサミだったからです。
その事実に、ゴンベーは絶望しましたね。
 
なお、部屋の前では、「妹」が、「ハサミ、ハサミ!」と
はしゃぐ声
が聞こえております。
コイツは絶対に、自分は動きません! 
労力を使うのは必ず、自分以外の誰かです!
 
「兄」が、戻ってきて、「父親」にハサミを渡しました。
ちなみに、字づらだけ見ていると、家が広そうに感じますが、
とんでもない! マンションの一室です、狭いです!
 
そのため、廊下を走って台所まで往復しても、10秒ほどです。
「家族」が一体となり、協力し連携しあって、ハサミを部屋の前まで
持ってくるのに、30秒はかかっていないと思われます。
 
「父親」、ドアの外側で、鍵の溝にハサミをあて、鍵を回す!
 
部屋の中ではゴンベー、「ハサミ」の意味に気づいて、呆然としている!
まさか、鍵をかけた部屋に押し入ってまで、罵声怒声を浴びせ続けなきゃ
気が済まないなんて!
そんな、人の心を持ってない怪物がこの世にいたなんて!
 
ゴンベー、あわてて、内側からつまみを押さえ、鍵が回るのを
阻止しようとします。
しかーし、力が違いすぎる! 小学生の女の子と、大人の怪物です!
鍵が回った、回ってしまった! 鍵をあけられてしまいました!
 
ゴンベー、ドアをあけられないよう全体重をかけてドアをおさえますが、
「父親」は、ゴンベーが体でおさえているのを知りながら、
ドアにドカアン!と、自分の体重を乗せた一撃!
ちなみに「父親」、巨漢の肥満体です!
表現には気をつけつつ、事実をお伝えしておりますっ!
 
ゴンベー、跳ね飛ばされて、床に叩きつけられました。
痛みと恐怖で起き上がれないゴンベーを、
「父親」が仁王立ちで見下ろし、怒鳴りつけ罵倒しています。
 
その様子を、「兄」「妹」「母親」のZ家一同が、
家族仲良く、楽しそうに笑いながら見ています。
「父親」の後ろ、ドアの向こうに、その姿が見えております。
なんて微笑ましい光景でしょう。ご家族の仲のよろしいこと。
 
現場からは異常です~。あ、違った、以上です~。
 
と、こういう感じでね。加害者側は、大はしゃぎ。
楽しさを共有し、共有した楽しさが拡大していく。
その共同作業の達成感・満足感は、ひとしおってとこでしょうか。
 
ですが、これを読んだアナタには、感じていただけたでしょうか。
いじめが、集団で共有され拡大し、エンタメと化す、その怖さを。
 
「兄」がノリノリでハサミを取りに行くシーン。
「妹」が、部屋の外ではしゃいでいるシーン。
「母親」が、ハサミを用意し、「兄」に渡すシーン。
部屋の外から鍵をこじ開け、暴力的にドアを開け、
床に叩きつけられた子どもを見おろして怒鳴り散らす「父親」のシーン。
 
そして、その様子を、「家族」で仲よく鑑賞しているシーン。
 
だれ一人、「父親」を止めようとしません。
それどころか、積極的に協力し、このイベントを盛り上げています。

家族みんなで力を合わせて、獲物を追いこみ追いつめる。
そんなノリなんでしょうかねぇ。
 
怖ぁ……と、思っていただけたなら、書いた甲斐がありました。
エンタメと化した集団いじめは、はたから見ると、
こんなにもおぞましくて恐ろしいものなんです。
 
ふぅ……これも、書いててキツかったぁ……。
 
何度、叫び声をあげそうになったか。
何度、ゴムゴムのガトリングを自分自身に叩きこみそうになったか。
 
多少なり、笑いや勢いを取り入れたり、「ゴンベー」という
ヘンテコキャラを作り上げることで、ギリギリ書けています。
届くものがあることを願って。
 
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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