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今煙草を吸っているあなたへ

僕は頭が悪い。

新卒で入社したこの会社だって、たまたま運が良く入社できただけで、採用された時も全く嬉しくなかった。ただ東京で働きたくて適当に面接を受けただけだ。むしろ虚しさまで感じたことを覚えている。

「あぁ。世の中はこんなに頭が悪い僕でも入社できる会社があるんだなぁ」

そう思うとなんだか自分のやる気のなさと、世界の簡単さに、酔えた。


僕は頭がいい。

何をしてもそつなくこなせる僕は誰からも頼りにされる。ただ全く続かない。それも責任がついてまわり始めると途端に嫌になってしまう。

「あぁ。責任なんてどこかへ追いやってしまいたい。」

そう思うと責任感の無い自分を簡単に肯定できて、幸せだった。


そう思っていると、心の隅の埃を被ったような場所から、小さな子供の声で

「そんなお前に何ができるんだ。もう何もしなくていいよ。」

その声は細くて、丁寧で、虚しくて。



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