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Hexasim/コマンドマガジンtenkatouitsuシリーズ(長久手、山崎、関ケ原)ルール解説2.02

はじめに

Hexasim(フランスのゲーム出版社)の日本の戦国時代の合戦を扱うウォーゲーム「tenkatouitsu」は「長久手の戦い」「山崎の戦い」「関ケ原」の3シナリオが入った3in1のゲームです。
コマンドマガジンの付録として3つに分割され長久手はコマンドマガジン144号、山崎は149号、関ケ原は159号それぞれの付録として発売されています。
コマンドマガジンバックナンバー
https://commandmagazine.jp/update/list.php

本来3シナリオとも基本ルールは共通なのですがコマンドマガジンの翻訳ルールは3シナリオとも少しづつ異なっています。
またこのシリーズ従来のウォーゲームのお約束から逸脱する斬新なルールも多いのが特徴です。解釈違いと思われる箇所が散見されます。
更に2022年オリジナル「tenkatouitsu」の二版が出版されルールも併せてv2.0にバージョンアップされ変更が加えられました。

ヴァージョン2.0ルール
v1.0から変更のあった箇所には赤丸の印がついています
https://hexasim.com/sj/Tenkatoitsu_Rulebook_Web_ENG_V2.pdf

この記事では誤訳と解釈違いを訂正し最新のv2.0ルールの基づき3シナリオを共通の正しい(と思われる)ルールでプレイできるよう解説しようとするものです。
目標はコマンド版ルールとこの記事だけで3ゲーム共通のルールでプレイできるようにすることです。

注意

この記事のルール解釈と解説は公式に提供されたものではありません。あくまでこのように解釈してプレイしましょうという提案です。ですがBGG(ボードゲームギーク)掲示板におけるデザイナー本人による質疑応答をなるべく漏らさず採用しております。

BGG tenkatouitsu リンク
https://boardgamegeek.com/boardgame/214296/tenkatoitsu

またこの記事には母体があります。

上記の記事にも間違いあります。
特に(7.2.3)回復フェイズと(8.5)再編成命令には大きな間違いがあります。
ミス修正とルールヴァージョンアップに対応したこのnoteの方を参照してください。

英語ルールについてはこちら(再掲)

v1.0から変更のあった箇所には赤丸の印がついています
https://hexasim.com/sj/Tenkatoitsu_Rulebook_Web_ENG_V2.pdf

和訳ルールは3ゲームとも項目が異なる点があります。オリジナルの英語ルールと項目番が異なる部分があります。例えば14.0はコマンド版長久手では「侍(選択ルール)」コマンド版山崎では「夜」となっています。本来共通ルールなのですがコマンド版ではシナリオによって使用しない部分を訳出しなかったのが原因です。この記事では項目番号は英文ルールに合わせています。項目名は和訳ルールに合わせていますので参照したい内容は項目名で判断してください。

ヴァージョン2.0における主な変更点

この項目はv2.0でどこ変わったのか早く知りたい既プレイの人向けです。未プレイまたはルール読んだけど良く分からなかったという人は飛ばして次のルール解説並びに誤訳訂正に行ってください。

v1.0からv2.0への変更は細かい修正と明確化がメインですが次の6.3と8.0の絡みはプレイに大きく影響を与えるはずです。

6.3(追加)攻撃命令の軍勢が「進撃」を行う際に6ヘクス以内に敵がいなければ命令は「再編成」になります。

8.0(削除)例外:対象軍勢が攻撃命令を~~~敵ユニットの存在は無視できます。

この2つはセットです。v1では軍勢フェイズにおいて攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵ユニットが存在しない軍勢は再編成命令に変更される(8.0)例外規定がありましたがv2.0においてその例外規定は削除されています。
「攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵ユニットが存在しない軍勢は即再編成命令に変更」になるのは進撃を行う際です。
攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵ユニットが存在しない軍勢が再編成命令に変更するのは以下2つのケースとなります。

・戦闘フェイズにおいて攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵ユニットが存在しない軍勢
・軍勢フェイズにおいて攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵ユニットが存在しない軍勢が命令変更に失敗又はあえて命令変更しなかった

6.6.3(追加)撤退は可能な限り短くしてください。

明確化です撤退ルートを遠回りして追撃ユニットを誘引したりはできません。

11.3(追加)一つの戦闘で複数のユニットで複数のユニットを攻撃することはできません。

15.9(追加)すべての城域ヘクスの軍勢は攻城戦終了後「防御」命令となります。

18.0(追加)初期配置で城域ヘクスの軍勢は「防御」命令にしても良い。

20.4長久手の戦いシナリオルール(追加)初期配置の徳川の軍勢Jは戦闘陣形の指定を無視して「防御」命令にできます。

ルール解説並びに誤訳訂正


ゲームの大まかな手順

全体像のつかみにくいゲームかと思います。大雑把に流れを解説します。

このゲームはいわゆるチットプルタイプです。

ターンはじめに獲得する命令ポイントをロールして決定します。
両プレイヤーとも命令ポイント(CP)で軍勢チットを購入してカップに投入します。また軍勢チットとは別に強制行動チットが必ず5枚カップに入ります。

カップからランダムにチットを引きます。
軍勢チットが引かれたらチットの軍勢が活性化し軍勢フェイズを行います。軍勢は移動(6.0)を行います。軍勢の命令によって移動のタイプが異なります。ここが重要です。

移動後接敵していたら基本マストアタックですが一部例外(11.2)があります。これで軍勢フェイズは終了です。次のチットを引きます。

強制行動チットが引かれたら以下のフェイズを行います。長久手の戦いを例に説明します

徳川戦闘チット:徳川の戦闘フェイズを行う。徳川の攻撃命令の軍勢が全て移動(進撃)して接敵しているユニットはマストアタックです。

池田戦闘チット:池田の戦闘フェイズを行う。池田の攻撃命令の軍勢が全て移動(進撃)して接敵しているユニットはマストアタックです。

行軍チット:両軍の移動命令の軍勢が交互に移動(行軍)します。戦闘はこのフェイズ中一切起きません。

回復チット:両軍の再編成命令の軍勢が交互に移動(撤退)と回復を行います。戦闘はこのフェイズ中一切起きません。

独断専攻チット:両軍の任意の軍勢一つに移動命令又は再編成命令かつEZOCにユニットがいる軍勢が交互に命令変更を試み移動と戦闘を行います。移動のタイプは命令によって異なります。

以上の強制行動チット5枚が引かれフェイズが終了したらカップにチットが残っていてもターンの行動は終了(例外:13.0疲労 14.0夜)となります。つまりカップに投入した軍勢チットは引かれないままターンが終了することもあり得ます。

ミスしがちポイントとできるだけ適用して欲しい変更ポイント


ルールブックとこの記事全て読み込んで適用するのは困難です。
経験上見落としがちなポイントとルールブックの間違いでも重大な所をあげておきます。

軍勢は先鋒ユニットに隣接するように動く→(6.3)
進撃の際に6ヘクス以内に敵がいない時は再編成(6.3)
追撃は防御命令変更でキャンセルできる→(6.7)
回復フェイズの撤退と回復は義務だがフェイズ中に一度→(7.2.3)
総大将からの距離を計算する時脇道も1/2MP換算→(9.3)
セットアップ時の命令→(10.0)(18.0)
戦闘陣形は2回目の発動はできない→(10.2)
戦術が使用できるのは軍勢チットを引いた際の軍勢フェイズ→(10.3)
突撃の青ダイス+2はユニット毎→(10.4.1)
攻撃命令は強制攻撃を免れるヘクスサイドでもマストアタック→(11.2)
長久手ルールブック戦闘の部分の誤訳(11.1 11.5)
盤外増援は行軍フェイズに登場できない→(12.0)
(山崎をプレイするなら)城域と城域付近の進撃→(15.3)
得点は両陣営別個に計算する→(17.1)
(山崎ショートシナリオ)両軍の戦闘陣形発動済→(19.3)
(長久手シナリオ)岩崎城の5VPはゲーム終了時にユニットが居る必要がある。2点差は勝利。→(20.5.2)

5軍勢と命令


軍勢は必ず4種類の命令のうちどれか一つを与えられています。命令の無い軍勢は存在しません。セットアップ時の命令は(10.0 18.0)を参照してください。

6移動とスタック

移動総論

このゲームの特徴として軍勢の命令によって移動のタイプが異なります。基本的にEZOCにいるユニットは移動できません。例外は撤退(6.6)です。
またスタックは禁止です。ゲーム中あらゆる瞬間でスタック禁止の強い制限です。例外は攻城戦(15.0)です。移動終了時にスタック制限をオーバーしなければ良いというウォーゲームに良くある原則は適用されません。追い越し禁止です。また移動力はヘクスサイドを越える時に消費します。ヘクスサイドをよく見てください。

同一フェイズに複数の軍勢が移動する際はかならず軍勢ごと移動してください。例えば軍勢Aを1ユニット動かして他の軍勢を1ユニット動かしてその後軍勢Aの残り2ユニットを動かす等はできません。軍勢Aの移動を全ユニット終了させてから他の軍勢の移動に移ってください。

移動終了時に可能な限り同一軍勢は隣接接近するように動いてください(6.2.4)。実行不可能な場合も出現しますがペナルティはありません。(6.3)進撃と(6.6)撤退で複数ユニットの軍勢が離れてしまうことがありますが進撃と撤退のルールを優先してください。

6.3進撃

攻撃命令の軍勢のユニットの移動タイプは「進撃」です。3MPです。必ず先鋒ユニットを指定してください。軍勢の中でEZOCにいない1ユニットです。「一番近い敵ユニット」とはその敵に隣接するまでの移動コストで比較します。敵ユニットまでの移動コストでは有りません。

先鋒ユニットは可能な限り接敵するように進撃してください。
複数ユニットの軍勢で先鋒以外のユニットは可能な限り先鋒ユニットに隣接するように(接敵するようにではありません)進撃してください。先鋒ユニットに隣接不可能ならば可能なかぎり先に動いたユニットに隣接するように動いてください。
進撃の対象は隣接するまでに一番近い敵ユニットになりますが進撃ルートは最短を辿らなくてもかまいません。
既に他の味方ユニットのZOCにいる敵ユニットは進撃の対象からはあえて無視して良いというルールを忘れないでください。
また進撃の際に6ヘクス以内に敵ユニットがいない軍勢は再編成命令に変更されます。ただし6ヘクス以内に敵ユニットが川ヘクスサイド越えにしか存在しない時は敢えて無視して再編成命令に変更することも可能です。

進撃の図例


進撃例その1

青の軍勢D(攻撃命令)の軍勢フェイズです。進撃をします。
先鋒はEZOCに居ないユニットから選ぶので2-2と0-2どちらでも可です。
青プレイヤーは赤いヘクスの0-2を先鋒に選びました。
進撃の対象は最も近い敵ですが3MPで接敵できる敵ユニットが3ユニット居ます(K2-2、J0-3、J2-2)がK2-2に向かって進撃することにしました。
D0-2は青ルートで進撃をしました。
次いでD2-2の進撃です赤ルートをたどりD0-2の後詰めをします。
後続ユニットは可能な限り先鋒ユニットに隣接するように動きます。
必ずしも接敵する必要はありません。
もちろん白ルートをたどるのも可です。(先鋒D0-2に隣接しているので)
ウォーゲーム頻出の包囲してポンは単独の軍勢で出来ないですメカニズムです。



進撃の例その2

A徳川(青)の戦闘フェイズです。攻撃命令の軍勢Fは進撃をします。
6ヘクス以内に敵ユニットがいない軍勢は進撃の際に再編成命令になります。その際に川越えのユニットは無視して良いです。

青プレイヤーは軍勢Fをあえて再編成命令にすることにしました。
F1-3は再編成命令で敵から3ヘクス以内です。
撤退(6.6)の義務があります。


進撃例その3

青プレイヤーはやはり軍勢Fを攻撃命令のまま進撃をすることにしました。
J2-2、J2-3どちらも接敵するまで2MP です。
進撃の対象にはJ2-2を選びました。
進撃のルートは最短ルートをたどらなくても良いです。
赤矢印どちらのルートを選ぶのも可です。
但し先鋒ユニットは接敵可能なら必ず接敵してください。

進撃例その4

戦闘フェイズは続きます。軍勢Gも攻撃命令です。
進撃の対象は・・接敵するまで最も近いのはJ2-3(接敵に3MP)です。
ですが既に味方F1-3が接敵済です。
進撃の対象から敢えて無視することが可能です。
次に近いJ2-2(4MP )もF1-3と接敵しています。
そこでJ1-2に向かって進撃することにしました。
進撃は青ルートを選びました。
もちろんJ2-3を進撃の対象として赤いルートを辿るのも有りです。

進撃の例その5

青軍勢D(攻撃命令)の軍勢フェイズです。進撃をします。先鋒はEZOCに居ないユニットなので自動的にD0-2となります。最も近い敵K2-2が進撃の対象になります。赤い矢印のルートで進撃します。軍勢Dの2ユニットは離れ離れになってしまいます。進撃(6.3)のルールは(6.2.4)の軍勢は可能な限り一つのグループになるというルールより優先されます。

6.4布陣

防御命令の軍勢ユニットの移動タイプは「布陣」です。移動力1MPでなく、1ヘクスを移動します。EZOCへの進入はできませんが味方ユニットのZOCが及んでいるヘクスのみ可能です。

6.5行軍

移動命令の軍勢ユニットの移動タイプは「行軍」です。4MPです。ウォーゲーム頻出の道路移動は「行軍」でのみ可能です。道路は1/2MP小路は1MPとなります。EZOCに進入することはできません。ここでも6.2.4に注意してください。可能な限り軍勢ユニットは隣接させます。

6.6撤退

再編成命令の軍勢の移動タイプは「撤退」です。再編成命令の軍勢で3ヘクス以内に敵がいるユニットが撤退が可能でありまたしなくてはなりません。最も近い敵ユニットが4ヘクス以上離れているユニットは撤退をしてはいけません。

ここは複雑です。
6.6.1で規定されているのは

最初に撤退するユニットは敵から4ヘクス離れたら即停止
EZOCに進入禁止
最大移動力8ヘクス
適当な撤退先かルートが無い時はそもそも撤退できない
撤退したら追撃を食らうことがあるよ

続いて6.6.2の規定

複数ユニットの軍勢の残りのユニットの撤退する順番は任意
少なくとも敵から4ヘクス離れてね
可能な限り先に撤退したユニットに隣接して
適当なルートないときは撤退しないで
撤退したら追撃食らうよ

続いて6.6.3
移動力は8ヘクス
ルートは可能な限り短く
撤退の長さは8ヘクス越えちゃだめ
4ヘクス以上敵から離れることができないユニット(EZOCや他のユニットがいる等の理由で)はそもそも動かない

複雑なケースの撤退の図例


撤退の例1

回復フェイズです。軍勢D(再編成命令)は2ユニットとも敵から3ヘクス以内です。撤退しないといけません。
まずD0-2を赤いルートで撤退させます。
4ヘクス離れた所で停止です。
次いでD2-2を青いルートで撤退させます。

もっと複雑な撤退も可能です。

撤退例その2

その1と同じ条件です
今回はD2-2を先に撤退させ赤いルートをたどります。
敵から4ヘクス離れた時点で即時停止です。
次に青0-2を撤退させ青いルートをたどります。
青いルートは敵から4ヘクス以上離れたルートを辿っていますが途中で停止しません。
最終的には先に撤退した2-2に隣接したヘクスに行きます。
ただその際には黄色ルートのように遠回りしてはいけません。

つまり最初の撤退ユニットは敵から4ヘクス離れた時点で停止しないといけません。しかし後続のユニットは合法なヘクス(4ヘクス以上離れて先に撤退したユニットに隣接する)へ撤退する際に4ヘクス以上離れたルートを辿って良いです。ただし最短ルートを選んでください。

6.7追撃

攻撃命令の軍勢のユニットはEZOCのユニットが撤退をしたら追撃をしなければいけません。他の命令のユニットは追撃できません。(以下長久手の戦い訳抜け注意)ただし命令変更を試みて防御命令に変更成功した場合は追撃を行いません。命令変更を試みるかは任意です。

一つのフェイズに同じユニットが何回も追撃を行うことは起こり得ます。
一つの撤退ユニットのEZOCに複数の攻撃命令ユニットが存在する場合は追撃するユニットは追撃側が選びます。逆に言うと撤退する1ユニットを追撃するのは1ユニットだけです。

6.8スタック

繰り返しになりますがスタックは常に禁止です。味方ユニットの追い越しは一切できません。唯一の例外は城塞(15.0)ヘクスです。

7行動ターンにおける強制フェイズ

7.2.1行軍フェイズ

移動命令を受けている軍勢が活性化します。ダイスロールで先後を決定し両軍が交互に一軍勢ずつ移動させます。
盤外援軍の軍勢は「移動」命令ですが行軍フェイズに登場はできません。軍勢チットを引く必要があります。(12.0)

このフェイズでは一切戦闘は発生しません。

7.2.2戦闘フェイズ

攻撃命令かつEZOCにいないユニットは進撃しなくてはいけません。繰り返しですが進撃は軍勢ごとに行ってください。
接敵しているユニットはマストアタックです。

7.2.3回復フェイズ

長久手ルールブックの再編成命令の軍勢がすべて活性化されるというのは間違いです。正しくは「再編成命令の軍勢はすべて活性化される可能性がある」です。ダイスロールで先後を決定し再編成の軍勢を一つずつ活性化し交互にプレイをします。必ず軍勢ごとにプレイすることが重要です。
活性化する軍勢は再編成命令で次の2つの状態のユニットどちらかがいる軍勢です。

3ヘクス以内に敵ユニットが存在するユニット
ダメージを受けていて敵ユニットから4ヘクス以上離れているユニット

「3ヘクス以内に敵ユニットが存在するユニット」は撤退(6.6)を行います。この撤退に対して追撃(6.7)は発生します。
「敵から4ヘクス以上離れていてかつ損害を受けているユニット」は回復を行います。

撤退で敵ユニットから離れて回復はこのフェイズ中にはできません。どちらかをプレイしたら活性化終了です。
このフェイズの回復可能な状態のユニットの回復ロールは義務です。ただし損害を受けていないユニットによる回復ロールの空振りは禁止です。

活性化する軍勢の順番は所有プレイヤーの任意です。また複数ユニットの軍勢ならばどのユニットから撤退と回復をプレイするのかも任意です。自軍ユニットの撤退と敵の追撃により新たに撤退する必要のあるユニットが出たり回復できなくなるユニットも出る可能性があります。

撤退しなくてはいけないユニットと回復可能のユニットが双方にいなくなるまで交互に軍勢を活性化させいなくなったら回復フェイズは終了です。

重要なのは活性化はフェイズ中に一度ということです。既に一度活性化した軍勢のユニットは連鎖的に撤退はしません。

そしてこのフェイズ中にも一切戦闘は発生しません。

回復フェイズ図例


回復フェイズの例1

上図で回復フェイズを迎えました。
徳川(青)は軍勢H、I共に攻撃命令。池田(薄緑)は軍勢K、L共に再編成命令とします。
回復フェイズは交互にプレイします。上図は再編成命令は池田側の軍勢のみなので池田側が連続でプレイします。
池田側は軍勢Lを活性化させます。L2-3は2ステップの損害を受けています。回復ロールをします。ここで修正前1を出した場合は最も近い敵から3ヘクス遠ざかるように移動します。
L1-2は損害ないので回復ロールはできません。また敵から4ヘクス離れているので撤退してはいけません。ここで軍勢Lの活性化を終了します。
続いて軍勢Kを活性化させます。敵ユニットが3ヘクス以内に存在します。撤退しないといけません(6.6)。隣接している青の0-3は攻撃命令です。Kの撤退路に沿って追撃をしないといけません。ここで防御命令に変更(任意)することに成功したならば追撃をしません(6.7)もし追撃により0−3が軍勢Lのユニットの3ヘクス以内に入ってきても軍勢Lの活性化は終了しているので撤退の義務はありませんししてもいけません。

回復フェイズの例2

例1から今度は軍勢Kを先に活性化させました。K2-3は撤退を行い青I0-3に追撃をされました。回復フェイズは戦闘は発生しないのでK2-3はI0-3を攻撃しません。(もしKの軍勢フェイズならI0-3を攻撃しないといけません)軍勢Kの活性化は終了です。次いでLを活性化させます。今度はL2-3は3ヘクス以内に敵ユニットがいます。回復ロールはできません。撤退義務があります。右下に1ヘクス撤退するのが適切(敵ユニットから4ヘクス離れる味方軍勢に隣接してるヘクスへ最短ルート)です。L1-2が回復も撤退もできないのは例1と同様です。


回復フェイズその3

回復フェイズです。池田(薄緑)は全軍勢再編成命令です。徳川(青)は全軍勢攻撃命令です。
軍勢Jを活性化させます。まずJ1-2の回復ロールを行いました。次いでJ0-3の回復ロールをします。その後J2-2は撤退プレイします。赤と青ルートどちらも合法です。J2-3は撤退も回復もプレイできないのを確認してください。以上で軍勢Jの活性化終了です。

回復フェイズその4

その3から軍勢Kを活性化しました。3ユニットが赤青黄の順番で撤退します。それぞれ追撃を食らって上図となりました。軍勢Kは全ユニット敵に隣接されていますが撤退はここで終了です。活性化はフェイズ中に一度です。同じく軍勢Jも3ヘクス以内に敵ユニットがいますが先程活性化が終了しているのでもう撤退しません。(追撃は同一ユニットが何度もすることがある)

7.2.4独断専行フェイズ

これもダイスロールで先後を決定して交互に1軍勢ごとプレイします。独断専行フェイズに活性化されるのは1ユニット以上が接敵している移動命令または再編成命令の軍勢です。ただし最初に選択する1軍勢のみ命令と接敵の如何に関係なく自由に軍勢を選ぶことができます。

このフェイズに活性化を試みる軍勢は必ず命令変更を試みるのがポイントです。例えば移動命令の軍勢をそのまま移動命令で軍勢フェイズを行うことはできません。

・命令変更ダイスが修正前1だった場合
直ちに軍勢は再編成命令に変更され撤退(6.6)を行う必要があります。
撤退なので3へクス以内に敵ユニットが居ないユニットは撤退できません。
追撃(6.7)が発生する可能性があります。撤退後にEZOCにいるユニットはマストアタックです。
4ヘクス以上敵から離れているユニットがあっても命令変更ロール修正前1の軍勢は回復はプレイできません。

・命令変更成功の場合
直ちに軍勢フェイズを行ってください。ただし命令変更はスキップです。例えば再編成命令の軍勢が独断専行フェイズに防御命令へ命令変更を試み成功→軍勢フェイズ開始で命令変更を試みるといった二度替えはできないルールとなっています。

・命令変更に失敗(ただし修正前ダイスが1以外)
一切何も起きません。軍勢は活性化していない扱いです。

8軍勢フェイズ


軍勢フェイズは最初に命令変更を試みることができます。軍勢フェイズの命令変更ロールは修正前1でも特に何もありません。独断専攻フェイズの命令変更ロールとは違います。また戦術(10.3)が使用できるのは軍勢チットを引いた際の軍勢フェイズのみです。また盤外援軍がマップ内に進入するのも軍勢チットを引いた際の軍勢フェイズです。

8.0例外事項の「攻撃命令の軍勢ユニットから6ヘクス以内に敵ユニットがいない軍勢は自動的に再編成命令に移行する」項目はv2.0で削除されています。
攻撃命令かつ6ヘクス以内に敵のいない軍勢の軍勢フェイズが始まった場合、命令変更を試みて失敗する又は敢えて命令変更をしない場合は再編成命令に変更され(6.3)進撃はキャンセルされます。

8.5再編成命令

私の以前のtumblerの記事では「回復は軍勢全てのユニットが敵ユニットから4ヘクス以上離れている必要がある」と説明していたのですが完全に誤りです。
正しくは敵ユニットから4ヘクス以上離れているユニットは(同じ軍勢の他のユニットの位置に関係なく)回復ロールができます。

敵から4ヘクス以上離れているユニットはユニット毎に回復をロールできます。ただしダメージを受けていないユニットによる回復の空振りは禁止です。軍勢フェイズの回復は義務ではありません。回復フェイズとは異なります。
回復ロールで修正前1を出した時は最も近い敵からEZOCに入らないように3へクス遠ざかるように移動してください。もしも不可能ならばユニットはそのヘクスに留まってください。
この移動は「撤退」ではありません。この回復ロール修正前1のケースのみ撤退とは異なる敵から遠ざかる移動が要求されます。

回復が終了したら敵ユニットから3ヘクス以内のユニットは撤退をします。追撃は発生します。もちろん敵ユニットから4ヘクス以上離れているユニットは撤退できません。
撤退と追撃が終了したら戦闘です。もちろんマストアタックです。


9命令ターン

9.3活性化チット選択フェイズ

総大将から軍勢ユニットへの距離を計算する場合は道路と脇道も1/2MPとして計算します。

この距離が14MP以下であればその軍勢のチットをカップに直接入れます→正しくは14.5MPです。

10戦闘陣形

両軍プレイヤーはゲーム開始時に秘密裏に戦闘陣形を一つ選択します。どの戦闘陣形を選択するかは自由です。ですが発動は陣営ごとにゲーム中一度きりです(発動チェックはターンに一度成功するまで行えます)CP貯めて2回目の戦闘陣形発動や最初に選んだ陣形と別のものを発動することはできません。例えばゲーム開始時に戦闘陣形発動済みで魚鱗を選択した陣営がCPを貯めてもう一度魚鱗を発動する、又は違う陣形の発動を試みる等はできません。
ゲーム最初から発動済のシナリオと陣営があります。当然発動済の場合は発動チェックは不要です。

長久手 徳川:戦術発動済
    池田:未発動
山崎 ショートシナリオ:両軍発動済←訳抜けです超重要
   ロングシナリオ:両軍未発動
関ケ原 両軍発動済

戦闘陣形発動済みのシナリオの場合、選んだ戦闘陣形によってはゲーム開始時の命令が制限されます。例えば「柵」を選んだならば全軍防御命令です。ルールブック最後の戦闘陣形シートの最初の命令の部分を見てください。
戦闘陣形によっては柵マーカーを配置する、勝った勝ったチットを相手に渡すことによってどの戦闘陣形を選んだかバレるのは仕様です。

10.2戦闘陣形の発動

発動チェックは命令ポイント決定の後に行います。そのターンに得た命令ポイントも発動チェックに使用できます。
戦闘陣形発動チェックに成功すると全てのユニットがEZOCにいない軍勢は命令変更できます(ロール不要)。選べる命令は陣形によっては制限があります。戦闘陣形シートの最初の命令の欄を参照してください。また戦闘陣形発動とそれに伴う命令変更はチットをカップに投入する(9.3)前に行ってください。

10.3戦術の使用

戦術が使えるのは軍勢チットを引いた際の軍勢フェイズというのも要注意です。よくあるミスは「突撃」をプロットしてそのターンの戦闘フェイズに「突撃」をプレイするパターンですができません。軍勢Aに「突撃」をプロットしたならば軍勢Aの活性化チットを引いた時のみ戦術「突撃」を使用できます。当然独断専行フェイズで活性化した際の軍勢フェイズにも戦術は使えません。

使用できる戦術は種類、回数共に戦闘陣形シートに記載された分です。例えば戦闘陣形「魚鱗」選んだならば、ゲーム中に使える戦術は突撃を4回、後退を3回です。正確には使える回数というよりプロットできる回数です。

戦術はキャンセルできます。あえて戦術を使用せず通常の軍勢フェイズを行うことも可能です。その際はプロットした戦術は使用されることなく失われます。
戦術をプロットした軍勢の軍勢チットが引かれないままターンが終了したケースはどうなるのでしょうか。この場合は持ち越し可です。軍勢チットは次ターンにノーコストでカップに投入できます。次ターン以降チットが引かれたら戦術使用可です。

10.4.1「突撃」

おそらく最も使われる戦術です。
突撃は5MPに移動力増加し突撃したユニットは戦闘で青ダイス+2になります。その他は進撃(6.3)と同様に扱います。
青ダイス+2の修正は突撃したユニット毎に加わります。例えば突撃した2ユニットが同じユニットを攻撃したら+4修正になります。予め接敵していて突撃していないユニットには青ダイス+2はありません。

重箱の隅を突く論点ですが6ヘクス以内に敵ユニットがいない軍勢に「突撃」が与えられていたらどうなるでしょう。これは突撃の際に再編成命令に変更となります。「突撃」は進撃のルール(6.3)に従います。

10.4.3「後退」

基本は再編成命令の軍勢フェイズと同じですが撤退に対して追撃が発生しません。加えて戦術「後退」を使用したフェイズは一切の戦闘が発生しません。

10.4.4「機動」

軍勢4つまで同時に活性化する可能性のある戦術ですが軍勢ごとに起動チェックが必要です。
起動チェックのロールが修正前1の軍勢は直ちに再編成命令に変更され可能なら撤退をします。この撤退は「相手プレイヤー」がルートを決定します。敵の追撃は発生する可能性があります。そこで活性化終了です。この軍勢は戦闘を行いません。

命令変更においてコマンド版の「自由に命令変更できます」は誤りです。起動に成功した軍勢でも命令変更するならばロールは必要です。起動チェック後の命令変更は通常の軍勢フェイズと同様に行います。この命令変更ロールで修正前1を出しても何も起きません。失敗したら命令はそのままで軍勢フェイズを続行してください。

移動は軍勢ごとに行ってください。戦闘は機動で起動成功した全ての軍勢の移動が終わってから解決します。その際に連携攻撃(11.4)のチェックは不要です。

回復と撤退まとめ

修正前1やら3ヘクス以内に敵ユニットやら似た記述が多く混乱すると思います。その修正前1は大丈夫?まとめです。


回復フェイズ
ユニットは3ヘクス以内に敵ユニットがいたら撤退を行う。追撃はあり。4ヘクス以上離れていれば回復。回復も義務。処理は軍勢ごとに。戦闘は発生せず

軍勢フェイズで再編成命令
4へクス以上敵ユニットから離れているユニットが回復を行う。3ヘクス以内に敵ユニットがいるユニットは撤退。追撃はあり。接敵していれば戦闘。

独断専行フェイズで命令変更ロールが修正前1
再編成命令に変更され即座に3ヘクス以内に敵がいるユニットは撤退。追撃はあり。回復はプレイできない。接敵していれば戦闘。処理は軍勢ごとに。

回復ロールで修正前1のユニット
最も近い敵から更に3へクス遠ざかるように移動。撤退ではない。追撃もなし。回復ロールの時点で敵ユニットから4ヘクス以上離れている。戦闘は発生しない。

戦術「機動」の起動チェックにおいて修正前1の軍勢
再編成命令に変更され即座に3ヘクス以内に敵がいるユニットは撤退(撤退ルートは相手プレイヤーが決める!)。追撃はあり。回復もなし戦闘も発生しない。

戦術「後退」を使用した軍勢フェイズ
4ヘクス以上敵ユニットから離れているユニットが回復を行いその後3ヘクス以内のユニットは撤退。追撃は発生しない。戦闘は発生しない。

おまけ:軍勢フェイズの命令変更ロールで修正前1
特になし。統率値があるなら足して命令変更成功したか判定してください。

命令変更の修正前1は軍勢フェイズはセーフ独断専行フェイズはアウトと覚えておくと簡明です。

11.0戦闘

11.1攻撃義務のあるユニット

長久手ルールブックの「独断専攻フェイズに攻撃命令に変更しなかった軍勢も攻撃を行いません」は誤りです。削除してください。
このゲームはマストアタックです。活性化した軍勢はZOCにいる敵ユニットをフェイズ中に攻撃をしないといけません。ただし例外があり(11.2)次の項目で解説します。

11.2攻撃義務のないユニット

ZOCにいる敵を攻撃しなくて良いケースをここで整理します

まず以下2つのフェイズでは一切戦闘は起きないと規定されています。

・行軍フェイズ
・再編成フェイズ

以下2つの規定は攻撃命令ではない軍勢全てに適用されます

・EZOCにあるユニットが既に他の味方ユニットにより攻撃されている場合
・強制攻撃ではないヘクスサイドで接しているユニット

攻撃命令の軍勢ユニットには上2つの規定は適用されません。強制攻撃でないヘクスサイドでもマストアタックです。ただし連携攻撃(11.4)のロール次第では攻撃できない場合もあります。

戦闘が発生しないと規定されているケース

・戦術「後退」使用した軍勢フェイズ
・戦術「機動」で起動チェックで修正前ロール1を出した軍勢
・独断専行フェイズにおいて修正前1以外で命令変更ロールに失敗した軍勢

・連携攻撃(11.4)チェックに失敗したケース

11.3


v2.0追加:複数ユニットで複数ユニットを攻撃するのは禁止です。
明確化です。全ての戦闘は複数対1(1対複数)又は1対1の組み合わせとなります。

11.4連携攻撃


異なる軍勢に所属するユニットが同一のユニットを攻撃する時は連携攻撃のチェックが必要です。

戦闘フェイズは連携攻撃チェックが必要で軍勢フェイズは活性化していない方が支援を与えると覚えておくと簡明です。
連携攻撃チェック失敗し戦闘に参加しないユニットは支援を与えることは可能です。
ただし支援を与えるには次の11.6.1の条件、他の敵ユニットのZOCにいない
そのフェイズの戦闘に参加していない
を満たす必要があります。

コマンド版の「残りの軍勢はそのフェイズでは全く攻撃できません」はあくまで連携攻撃のチェックをした戦闘組み合わせのユニットです。他の戦闘に参加しているユニットのことではありません。

攻撃の組み合わせと連携攻撃の図例


攻撃の組み合わせと戦闘支援の例

例1 軍勢Kの軍勢フェイズとします。攻撃以外の命令ならばH2-2I0-3どちらを攻撃しても良いし、2ユニット同時攻撃をしても良いし全く攻撃しなくても良いです。点線のヘクスサイドは強制攻撃を免れるヘクスサイドです(11.2)。もしKが攻撃命令なら強制攻撃を免れるヘクスサイドであってもマストアタックです。HとI両方を攻撃しないといけません。その際は一度の戦闘で解決します。

例2 軍勢Hのチットが引かれHの軍勢フェイズとします。Hは攻撃命令です。Iは活性化していません。HがKを攻撃して、Iは戦闘支援を与えることになります(11.6)。

例3 徳川(青)側の戦闘フェイズとします。その際はHとIの連携攻撃チェックが必要です(11.4)。チェックが失敗したならば攻撃に参加出来ない方が戦闘支援を与えることになります。

例4 戦闘修正の計算例です。Hの軍勢フェイズ。K2-2を攻撃します。命令はHとI両方とも攻撃命令。Kは再編成命令。Hは進撃していないとします。

攻撃側戦闘タイプ。Hは移動無し、このケースは乱戦になります。Iは活性化していないので戦闘支援を与えます。榊原康政の統率値は青の修正に使うことにしました。青+4(防御側が再編成命令+2、統率値+1、Iの戦闘支援+1)赤+4(練度+兵力)

防御側戦闘タイプ。乱戦になります。反撃も槍衾も条件を満たしていないのを確認してください。川の点線ヘクスサイドは乱戦においても射撃力有効ヘクスサイドです。青-2(射撃力-2)赤-4(練度+兵力)

合算して青+2赤±0の修正でダイスを振ります。


戦闘の組み合わせと支援の例その2

上図で青戦闘フェイズです。軍勢D(防御命令)はどのように戦闘するでしょうか。この例は複雑です。

可能な攻撃の組み合わせは
D2-2でK2-3 のみ
D2-2でK2-3 D0-2はJ1-2を攻撃
D2-2でK2-3K1-2 
D2-2でK2-3K1-2 D0-2はJ1-2を攻撃
D2-2でK2-3J1-2 D0-2は戦闘支援
D2-2でK2-3K1-2J1-2 D0-2は戦闘支援

D0-2はJ1-2を攻撃しても良いし攻撃しなくても良いですが注意です。D2-2はK2-3は必ず攻撃しないといけません(唯一強制攻撃を免れるヘクスサイドではない)。
導かれるのはD2-2がK2-3とJ1-2を同時に攻撃するときD0-2は一緒に攻撃できません。複数ユニットで複数ユニット攻撃は禁止です。(11.3v2.0で追加)
戦闘の組み合わせは必ず1対複数(複数対1)か1対1になります。
ただしD0-2が支援を与えることは可能です。


戦闘の組み合わせと支援の例その2

同じ図ですが今度は池田(薄緑)の戦闘フェイズです。軍勢K(攻撃命令)軍勢J(再編成命令)とします。
軍勢Kはシンプルです。攻撃命令は川越えでもマストアタックです。K2-3K1-2必ずD2-2を攻撃します。
J1-2は川越えでしか接敵していません。攻撃命令でもありません。D2-2への攻撃に参加してもD0-2へ攻撃しても一切攻撃しなくてもオーケーです。

K2-3K1-2でD2-2 (J1-2は戦闘支援与えられないことに注意)
K2-3K1-2J1-2でD2-2 (連携攻撃チェックが必要)
K2-3K1-2でD2-2 J1-2でD0-2

支援を与える条件を確認してください(11.4)(11.6)
川越えヘクスサイドは強制攻撃を免れるだけでありZOCが消えるわけではありません。

11.5戦闘タイプ

長久手ルールブックの11.5の3
防御側が攻撃命令下にあり攻撃側が直前に移動していない場合→「槍衾」
この記述は誤りです。


正しくは攻撃側:直前に移動 防御側:攻撃命令以外の場合→「槍衾」となります。

11.7戦闘結果


EZOCには後退できません。(山崎ルール訳抜け)

11.8馬防柵


馬防柵に向きはありません。どこの向きのヘクスサイドから攻撃されても効果は有効です。

11.9射撃力有効


射撃力有効ヘクスサイドから「のみ」攻撃されている時は戦闘タイプ乱戦でも射撃力有効となります。

11.11大軍勢の総崩れ


戦闘後前進の前に潰走表をロールするのを忘れないでください。
潰走の結果の撤退と追撃により予定していた戦闘の組み合わせが変わる可能性があります。一つのフェイズ中にユニットが攻撃できるのも一度攻撃されるのも一度のルールを丹念に適用して組み合わせを新たに決定してください。

11.12戦闘後前進

戦闘後前進の可否はユニットへの命令によって異なります。
戦闘後前進はZOCtoZOCが可能です。

攻撃命令:しなくてはいけない
防御命令:してもよい
移動命令:できない
再編成命令:できない

戦闘後前進は6.2.4のルールより優先されます。戦闘後前進により味方軍勢ユニットから離れることになっても構いません。

12.0増援及び盤外軍勢


盤外軍勢は必ず移動命令です。ですが行軍フェイズには登場できません。長久手シナリオの3ターン行軍フェイズに徳川の援軍を登場させるのがありがちなミスです。軍勢チットを引いた軍勢フェイズにしか登場できません。
盤外援軍の軍勢チットもカップに投入する場合はCPを消費する必要があります。
盤外援軍が登場時に戦術を使用できるかという論点があるのですができないと結論づけました。理由は盤外軍勢の登場する軍勢フェイズの挙動は12.0本文に指定されているからです。そこで指示されているのは、軍勢全てのユニットを登場させる。通常の移動力で移動する。2点のみです。つまりこれ以外の行動はできないと考えます。

予定されていた登場ターンに軍勢チット引けずにターン終了した場合は遅参ボックス1に送られ次ターンノーコストでカップに投入できます

15攻城戦

攻城戦総論


攻城戦は戦闘フェイズにメインマップと別の攻城戦マップで解決します。しかし定義としての攻城戦の開始は両軍のユニットがマップの城域ヘクスに同居し始めた時点からです。これから解説する様々な規定の大半はこの攻城戦が始まってからの規定です。攻城戦ルールが難解なのは城域ヘクスにおける規定が攻城戦が始まってからの規定なのか攻城戦が起こっていない状態の規定なのかがハッキリしないのも一因です。

攻城戦が起こっていない状態での城域ヘクスのルール


先にまとめておきます。

進入するには3MP
出るには通常のヘクスサイドの移動コスト(15.8.3)
城域ヘクスにスタック制限無し
城域ヘクスのユニットはZOCを及ばさない

城域外から城域内へZOCは及ばない
総大将からの距離を計算する時は入るのも出るのも1MP として計算(9.3)(15.3)
ユニットが入るときも出るときも命令の制限は無し。(15.3の規定は攻城側籠城側の規定とされています)
城域ヘクスに撤退しても良いし撤退の通路としてもよい(距離1ヘクス扱い)
追撃ユニットは城域ヘクスに進入できず直前で停止

以上です

15.3勝竜寺城

15.3はルールの混乱の元です。
コマンド版山﨑ルールの15.3の内容は忘れてください。大半が間違っています。以下15.3の訳文(多少意訳)を掲載します。

15.3オリジナル

 メインマップにある城域ヘクス(複数ヘクスの場合もあり)には城塞があり特別なルールがあります。城域ヘクスに進入する移動コストは3MP。(6.8)に反して城域ヘクスはスタック制限はありません。両軍ユニットの存在が許容されます。
 活性化チット選択フェイズにおいて距離を計算する場合(9.3)城域ヘク     
スは入るのも出るのも1MP(地形コストは加算しません)で計算します。城域ヘクスが敵ユニットに占有されている場合は城外のユニットへの距離計算ルートとして使用できません。

 敵ユニットが城域ヘクスにいたら攻城側は攻撃命令でしか城域ヘクスには入れません。籠城側ユニットが城域ヘクスに入るには防御、再編成、移動命令でないといけません。ユニットが城域ヘクスに進入したら(15.4 15.7)に従い攻城戦スコアを増加させます。軍勢の命令は城域ヘクスに進入した時点で変更しません。城域内のユニットは他のユニットにZOCを及ぼしません。ユニットが城域ヘクスから離脱するには所属する軍勢の全てのユニットが攻城戦を取りやめる必要があります(15.8)。城域ヘクス外のユニットは城域ヘクスにZOCを及ぼしません

以上です。

コマンド版15.3に記述された城域への進撃のルールは間違いです。では城域や城域付近の進撃はどのよう処理するのでしょうか。基本は通常の進撃と変わりません。ただし15.3の規定を考慮する必要があります。以下に例を挙げて説明します。

城域への進撃

城域内と城外の敵が同じ距離(MP換算)→進撃側が対象を好きに選択

城域内と城外の敵の距離が異なる(MP換算)→近い方に進撃しないといけない

城域内のユニットへの距離は城域内に進入する3MPを考慮して計算する

味方ユニットのZOCにいる敵は進撃対象として無視できる(6.3.1)のですが、 城域内のユニットはZOCを及ぼさない(15.3)という規定があります。既に城域内に友軍ユニットが居ても城域内敵ユニットは進撃対象として無視できません。

城域ヘクス進撃例1

例)羽柴(白)方は攻撃命令、明智(赤)方は防御命令とします。羽柴Eの軍勢フェイズです。軍勢Eの進撃をします。2-2を先鋒に指定しました。城域に進入するには3MP、I1-2に接敵するには4MPです。従って城域内の敵に対して進撃することになります。城域内に味方ユニットが存在するのですが城域内のユニットはZOCを及ぼさない(15.3)ので進撃の対象として無視(6.3.1)することができません。


城域ヘクス進撃例2

例)上と同じ条件とします。今度はE2-2はI1-2までは2MPで接敵できます。1-2のユニットに向かって進撃をしないといけません。


城域ヘクス進撃例3

例)また同じ条件です。I1-2はすでに味方のZOCに居ます。進撃対象としては無視しても構いません。軍勢Eを城域内に進撃させるかI1-2に向かって進撃させるかは羽柴プレイヤーの自由です。

15.4攻城側と籠城側


色々と細かく規定されていますが状況と兵力の多寡に関わらず先に城域に居た方が籠城側で後から入ってきた方が攻城側と考えると簡明です。

15.5攻城戦の開始

攻城戦を行うには攻撃命令の軍勢が城域に進入しないといけません。
攻城側ユニットが城域に進入したら籠城側軍勢は直ちに防御命令に変更されます。(訳抜け)この時点で攻城戦は開始です。
複数ユニットの軍勢で先に城域に入ったユニットがいる場合は同じアルファベットのヘクスからしか城域に進入できません。
まず攻城戦開始の時点で(最初の攻城側が城域に進入)攻城側籠城側共に兵力スコア離散兵スコアに変換します。以降お互いに増援が城域に進入するたびに同じように処理をしていきます(15.7)。

15.6攻城戦の解決


攻城戦は戦闘フェイズと回復フェイズに起こります。攻城戦に参加中の軍勢軍勢チットは攻城戦の取りやめ(15.8)のために命令変更を試みる際に使用します。
全てのユニットが城域にいない軍勢の軍勢チットが引かれた場合は現在の命令のまま城外のユニットは行動してください。城外のユニットは6.2.4のルールに従い城域へ突入を目指してください。

15.6.1戦闘チット


戦闘フェイズになったらまず進撃を解決してください。攻城戦と城外での戦闘との先後は指定がないですが城外の戦闘前に攻城戦解決する方が処理に混乱がないので推奨します。

15.6.2回復チット


撤退の前にダイスを振るわけですが撤退?とは何でしょう。
これは攻城側(進入する時はすべて攻撃命令)に再編成命令に変更されている軍勢があったら城域ヘクスから撤退をプレイします。ただしこの撤退は通常の撤退と異なり(15.8)の通り処理します。籠城側軍勢は攻撃命令でないと城域から退出できない(15.8.1)ので再編成命令であっても撤退をしません。

15.7.2籠城側の進入制限

籠城側は移動、再編成または防御(訳抜け)命令の軍勢ユニットが城域ヘクスに進入できます。撤退先として城域に進入するのは可能です。城域内のユニットはZOCを及ぼさないからです。(15.3)

15.7.3攻城側の進入制限


攻城側は攻撃命令のみ城域ヘクスに進入できます。ただし撤退に対する追撃では進入できません。進撃か戦闘後前進なら可です。

15.8包囲の取りやめ


複数ユニットで構成される軍勢は軍勢全てのユニットを城から退出させないといけません。城域の対応する隣接ヘクスがすべて敵ユニット、味方ユニットで埋まっている場合は城外に出ることはできません。

15.8.1籠城側プレイヤーユニットの退出制限


籠城側の軍勢は攻撃命令に変更しないと城域から退出できません。籠城側プレイヤーの軍勢は防御か再編成か移動になっているはずです。

15.8.2攻城側プレイヤーユニットの退出制限


攻城側の軍勢の退出は攻撃命令以外に変更する必要があります。

攻城側が攻城戦の途中で城域から退出するのは籠城側よりはややハードルが低いです。攻撃命令以外の命令に命令変更すれば城域ヘクスから退出できるわけです。

論点として独断専攻フェイズに攻城戦の途中に城域から退出できるのでしょうか。

独断専攻フェイズに命令変更を試みて活性化できるのは任意の1軍勢+1ユニット以上EZOCにユニットがいる移動再編成命令の軍勢です。
本当にしつこいですが城域のユニットはZOCを及ぼしません。攻城戦中の城域ヘクス内の軍勢ユニットは敵ユニットと同居しながらEZOCに居ない軍勢なのです。
というわけで独断専行フェイズにおいては攻城側籠城側共に最初の選択の1軍勢だけが攻城戦中に活性化を試みることができ城域から退出の可能性ありです。

城域ヘクスと城域付近の撤退

これも複雑なテーマなのでまとめます

攻城戦が始まっていない状態(どちらか片方が占有)
・所有者が城域に撤退するのも撤退のルートとしても使うのは自由です。
・城域ヘクスにいる再編成命令の軍勢は活性化した時に3ヘクス以内に敵ユニットがいたら撤退しないといけません。城にいてもビビって逃げ出すのです。
攻城戦始まった状態(両軍ユニットが同居してる)

・城域内の軍勢は攻城側(攻撃命令でしか進入できないので攻撃命令のはず)は再編成命令に変更し活性化した時に撤退をプレイしますがそれは敵から4ヘクス以上遠ざかるのでなく(15.8)の指示通りに処理します。
籠城側は城外に退出するのは攻撃命令と規定されているので撤退はプレイできません。

城域ヘクスへの撤退
籠城側はできます。ただし撤退先として合法であることが必要です。撤退する最初のユニットは敵から4ヘクス離れた時点で停止です。まだ4ヘクス離れていないのに城域で停止したり城域に入るために撤退距離を伸ばさないでください。撤退による通り抜けもできません。
・攻城側は攻撃命令でしか城域に進入できないのでできません。

城外ユニットの撤退
城外の再編成ユニットは城域の敵ユニットに対して撤退するか、これはもちろん撤退です。

15.9攻城戦の終了

v2.0追加です。攻城戦終了後は城域の軍勢は全て防御命令になります。

16侍(選択ルール)


ゲームバランスを変える強力なルールです。ただし入れたほうが面白くなるのも確実です。
敵方の勝利得点が侍マークのある得点に到達してかつ自分の得点が相手より低い時に侍チットをカップに入れます。

16.2

侍による回復ロールで1を出した時は通常の回復ロールで1を出した時と同じく最も近い敵から3ヘクス遠ざかるように移動してください。不可能ならそのヘクスにとどまります。

16.3

侍マーカーはターン終了時にEZOCにいないと除去されます。
コマンド版山崎のルールにある「侍は城域内に存在できない」は間違いです。攻囲行動数を算出する時に侍の統率値を足すことは可能です。ただし城域ヘクスのユニットはZOCを及ぼさない(15.3)ので城域ヘクスに敵ユニットがいてもターン終了時に侍マーカーは除去されます。

16.4

侍マーカーの除去で討ち取りポイント、並びにVPを得られるのは(11.10)の結果除去された時のみです。

17ゲームの終了と勝利得点

17.1

 勝利得点は両陣営別々に加算し計算します

https://boardgamegeek.com/thread/1982203/victory-points

英語ルールも間違っていて仏語ルールではちゃんとしているそうです(??!!)

このゲームは両軍が得点を積み重ねその点差において勝敗を判定します。勝利得点は陣営ごとに別々に計算してください。点差と勝敗についてはそれぞれのシナリオの特別ルールをみてください。
侍(16.0)の出現頻度が変わる重要な変更です。

18ゲームのセットアップ

v2.0追加:城域ヘクスの軍勢は戦闘陣形に関係なく防御命令にして良いです。

ここでゲーム開始時の命令をまとめておきます。
長久手 
徳川:戦闘陣形発動済、選んだ戦闘陣形シートの最初の命令から選ぶ(例外20.4)
池田:全軍勢再編成命令(シナリオルール)
山崎ショート
両軍:戦闘陣形発動済、選んだ戦闘陣形シートの最初の命令から選ぶ
山崎ロング
明智:移動命令(シナリオルール、例外18.0)
羽柴:移動命令(全軍盤外援軍 12.0)
関ケ原
両軍:戦闘陣形発動済、選んだ戦闘陣形シートの最初の命令から選ぶ

ルールブック最後に戦闘陣形シートがあります。例えば鋒矢には「最初の命令:攻撃命令か回復命令」(回復は再編成の誤植でしょう)とあります。戦闘陣形発動済シナリオで鋒矢を選んだプレイヤーは全軍勢を攻撃命令か再編成命令にします。鶴翼を選んだなら「最初の命令:プレイヤーが選択」とあるので全軍勢プレイヤーが自由に選ぶことができます。


19山崎の戦い用特別ルール

19.3

ショートシナリオは両軍戦闘陣形発動済です(訳抜け)
超重要です。

20長久手の戦い用特別ルール

20.4奇襲

V2変更点:徳川の軍勢Jは戦闘陣形の制約に関係なく防御命令にしても良いです。

20.5.1サドンデス勝利

家康戦死で池田即時勝利ですが11.10のルールで討ち取りしないといけません。家康ユニット除去では条件を満たしません。11.11の大軍勢の総崩れにおける切腹も条件を満たさないと考えます。(ルールに家康の討ち取りは11.10のケースだけと指定があります)

20.5.2勝利の決定


岩崎城ヘクスは5VP ですがゲーム終了時にユニットが存在する必要があります。いわゆる最後の占有者ルールではありません。(重要)

2点差以上で得点の大きい方が勝利です。1点差と同点は引き分けです。
コマンド版の書き方は2点差引き分け3点差以上で勝利と取れますが違います。

岩崎城はただのヘクスです。15.0のルールは適用されません。

おわりに

このゲームあらためて感動しました。歴史小説的な合戦の世界観と実際には合戦こんな感じだったのだろうという想像が見事にブレンドされてゲームとして合理的に動き破綻していません。

この記事自体まだまだ未完成です。私の経験不足から特に攻城戦(15.0)と関ケ原のシナリオルール(21.0)は解説が足りません。戦闘修正の図例も追加していきたいと思います。そして以前のTumblrの記事も改めて大ミスが見つかりました。申し訳ない。

また質問や指摘があったら遠慮なくお願いします。時間の許す限り対応します。

先日このゲームを対戦した時に対戦者の方とルール打ち合わせしたのですがその際のやり取りが本当に為になりました。感謝します。
また実際の対戦のときは何の疑問も無く援軍投入のときに戦術使ってました。改めてルール読み返すと・・ごめんなさい。

視点が加わるとルールへの気づきやどこに目をつけるかグッと広がります。

ウォーゲームはルールの見落としや解釈違いを避けて通れません。
そしてルールの検討やデバッグをユーザーに任せ、ある程度ユーザーもそういうものだと受け入れている業界です。
ルールを参照しやすいようにして欲しいです。ゲーム出版社はルールはPDFで公開してください。よろしくお願いします。


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