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シンエヴァ最後の駅の話

シンエヴァ最後の最後で推しカプや情緒をめちゃくちゃにされた人たちを救えそうな私の解釈をまとめました。

ラストの表現とその意味を考察した内容を書いていきます。

1.
ゴルゴダオブジェクト内に取り残されたシンジくんは、心象風景の波打ち際に座り込み水平線を眺めている。原画、下書き、ラフとシンジくんの存在が消えていきそうになる。

まずここで、ゴルゴダオブジェクト内に存在する生命はシンジくん一人だということから、シンジくんを認識してくれる他人が存在しないために意味消失しようとしている描写と思える。これってめちゃくちゃヤバくて、マリさんの到着が遅ければシンジくんはLCLに解けて消えた時と同じ状態になってたかも知れない。そもそもシンジくんがゴルゴダオブジェクトの中で何年過ごしたかも定かではないので、相当怖いことが起きてたんじゃないかなと思ってる。

2.
マリさんが八号機から飛び出して海に落ちる。海に落ちた瞬間、原画に色が着く…と思いきや、海に落ちるほんの少し前のタイミングで色が着いてる(と記憶している)

これはシンジくんを認識する他人がエヴァの外へ出てやってきた、シンジくんを見たために色が着いたと考えられる。さきほどの意味消失を免れたことの証。シンジくんが割と興奮してマリさんに向かっていくのも、ゴルゴダオブジェクト内に取り残された時間が長いことの表れじゃないかと思う。

3.
駅に場面転換しシンジくんが成長している。マリさんも大人の女性になり、シンジくんを迎えに来る。なんかえっちだった…ここでシンジくんがマリさんのこと「相変わらずかわいい」って言った。

シンジくんはマリさんのこと全然知らないしヴンダー内で初めて自己紹介したはず。あの駅がある世界はまだゴルゴダオブジェクトの中なので(私はそう思ってる)あの世界でマリさんとシンジくんが育んだ何かは無いはず。では「相変わらずかわいい」と言うのは、シンジくんの中のユイさんのセリフじゃないか!?と私は思うのです…相変わらずなんて、ユイさんじゃなきゃ出てこない時間経過の表現じゃないか!?と…すみません百合厨が興奮してしまいました。

4.
向かいのホームにカヲルくんとレイがいる。向かい合って笑いあっているように見える。まず、向かいのホームにいるという事はシンジくんが乗ってきた方向に戻っていく方向の電車に乗るということ。アスカちゃんもきっと同じ電車に乗るのかも知れない?

それは無限ループを繰り返す不毛な過去ではなくて、シンジくんが消し去った過去に還って消えていくということを意味する。別記事で紹介しますが、シンエヴァでシンジくんがしたことは全宇宙全事象全世界線のエヴァ時空においてアダム・リリス・エヴァの存在を抹消しそれら宇宙の出来事を、そもそも宇宙から削除したという事になる。したがって、カヲルくんとレイはいがみ合う(創世神話においてアダムとリリスは結果的にそんな仲良しじゃない感じで別れるので)過去を抹消し仲良く連れ立って全宇宙の歴史から消えていく、ことを意味している。と思ってる…私は…でなきゃ納得できない…(すみません)詳しくは以下の記事にて。

あのホームで微笑みあっていた(?)のは純粋なアダムとリリス、そしてエヴァ世界の終焉に安堵する無垢な渚カヲルと綾波レイだったのだ…

5.
ゴルゴダオブジェクトで全てに終止符を打ってきた(電車に乗ってやってきた)シンジくんはマリさんと合流して電車に乗らずそのまま駅を出る。駅からカメラが上がっていき空撮の街の映像に変わる。

もう電車に乗るのをやめた。電車は補完の間シンジくんが何もかも任せて駄々こねながら流されていく様を表している(と思ってる)ので、誰かに流されるのはやめて、誰かの手を取って自分から走り出していくシンジくんの大人になった様を表している。もう補完の電車に乗ることも、カヲルくんとレイのいる場所へ戻ることもない、自分で立って誰かの手を握ってあげられる大人の男に…なったんやな…おーいおいおいおい…(感極まって泣いてしまいました)

余談:その後のアスカちゃんの行動の選択肢はアスカちゃんにあるので、アスカちゃんについてだけは私たちは結末を知ることができない。ただ、アスカちゃんはエヴァのためだけに生まれてきた子なので、エヴァのない世界を本人が望まないかも知れない。ケンスケくんを求めてあるいは全く別の理由で駅を飛び出すかも知れないし、エヴァがないなら…と言ってカヲルくんとレイと一緒に電車に乗るかも知れない。それだけは誰にも分からない。アスカちゃんが幸せな方に自分で進んで行って欲しいよ…おーいおいおい(アスカちゃんのママになりたい自我が泣き出してしまいました)

漫画版エヴァを読破された方はご存知かと思いますが、漫画版は最後の最後にマリと言うユイさんの学友が出てきて超絶百合エンドで終わります。今回のシンエヴァもそう言うことだったんじゃないかと私は思ってます。マリさんもゲンドウ同様ユイさんを追い求めて新劇場版時空のNERVに殴り込んできたのだと思います。その結果、ゴルゴダオブジェクトの中でシンジくんの中のユイさんと再会し手を取り合って現実へ帰っていく表現があのラストの意味なんだと思います。(シンマリ推しの方も、その意味で受け取っても結構ハッピーだと思います)

以上、シンエヴァのラストから読み取ったことまとめでした。