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アコースティックピアノメーカーが作った電子ピアノが優れているとは限らない

本記事は私の妄想と偏見なのであしからず。
「当社が長年蓄積してきたグランドピアノの製造開発技術が電子ピアノ開発製造に生かされています」
こんなキャッチコピーを見かけるが、自分はまったくそうは思わない。アコースティックピアノの製造開発技術が電子ピアノの開発製造に活かされることは、殆どないと思っている。

特に電子ピアノの鍵盤はやたらグランドピアノのタッチを謳い文句にしている。
アコースティックピアノの鍵盤は、まさにピアノがピアノらしい音を出すための生み出されたメカニズムであり、シーソー式鍵盤、鍵盤の動きをハンマーに伝えるウィペンと呼ばれる部品、それにハンマー。
この3つの部品が動作することでそれぞれの部品の重さや回転速度が影響してアコースティックピアノのタッチというものを形成している。
弦の振動を制御するダンパーの役割も大きい。
ダンパーを外し、弦を鳴らすための準備を行い、ハンマーが弦を叩いた後にハンマーを自動で戻すという2つのエスケープメントはピアノという楽器のコア部分と言ってよい。
要は「ピアノという楽器を鳴らすための必然的な構造であり、その構造から結果的に生み出されたタッチ感である

さて電子ピアノが音に強弱をつけるためにはこんなものは要らない。
電子ピアノは最低でも2つセンサーで鍵盤の押される速度を計測するだけならバネで戻る鍵盤とセンサーだけでいい。
電子ピアノのハンマーアクションとやらは、強弱や音色変化には全く関係ない。
アコースティックピアノの慣れた人に合わせるための仕掛けに過ぎない。
アコースティックピアノのタッチ感を模倣するための構造に過ぎない。

ちなみにアコースティックピアノの鍵盤が一つにつき60数個の部品から形成されているのに対して、電子ピアノの鍵盤機構は複雑なものでも10数個だろう。(個人の偏見です)
ヤマハのGHS鍵盤であれば、4個未満かもしれない。
何故ならGHS鍵盤は、1オクターブ毎の白鍵部分と黒鍵部分を組み合わせたプラスチック部分なので、1オクターブで部品は2つだから。(個人の根拠なき偏見です)
アコースティックピアノのタッチ感を模倣するだけなら大したことはないでのある。(アコースティックピアノの鍵盤を開発製造する事と比較して)

だから電子ピアノの鍵盤をグランドピアノのタッチに近づけるには、別にアコースティックピアノの開発製造技術なんか関係なくてアコースティックピアノのタッチを形成する慣性モーメントなどを正確に計測して部品の重さなどの調整をすればいい。
楽器ではなく物理と工業製品の範疇だ。
そして、これは別にメーカーでなくても調律師でもできる事である。
いや、むしろ多くのピアノのタッチをカストマイズしてきた一流の調律師のほうがメーカーの技術者よりもいい仕事をするのではないか?

まあ少し話は違うが、腕時計製造技術なんか何も持たないカシオがデジタル腕時計を製造して世界で販売している事からも明白だと思う。

だからヤマハが電子ピアノを開発して進化させてきたのは、アコースティックピアノの技術ではなくエレクトーンやシンセなどの電子楽器技術であり、音響機器メーカーであるためである。
(個人の根拠なき妄想なので悪しからず)

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