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RGEスタンダード音源とは何か?

P-125のRGEスタンダード音源。
RGEとはリアル・グランド・エクスプレッションの略だそうだ。
ヤマハの説明によると「ヤマハのコンサートグランドピアノの中で、最も録音に適した一台を選び抜き、最良の状態に調整して収録した~」云々とある
そしてこの表現をしているのはP-125だけだ。
他の機種は、ヤマハ CFXサンプリングという記述で、ヤマハの最高峰のグランドピアノである CFXをもとにしているという表現である。
この事から、P-125がサンプリングした音源はCFXではないと推察される。
では何か?それはCFXの前の世代のCFIIISであると思われる。
CFXが出たのは2010年だからそれより昔の音源ないか?
ここで、P-125とクラビノーバの音源表記の変遷をたどってみたい。
Pシリーズ
P125 2018年 RGEスタンダード3音源
P115 2015年 RGEスタンダード2音源
P105 2012年 RGEスタンダード音源
P 95 2010年 AWM音源
P 85 2007年 AWM音源
クラビノーバ
CLP-500番台 2013年  ヤマハCFXサンプリング
CLP-400番台 2011年  RGE音源
CLP-330番台 2008年  3レベルAWMダイナミックステレオサンプリング

AWMというのはPCM音源のヤマハでの言い方で、いまでもシンセでは使われている表記である。
RGEという言葉が出てきたのは、2011年のクラビノーバの新型からである。
ではそれぞれの宣伝文句を拾ってみると・・・

2008年 3レベルAWMダイナミックステレオサンプリング
「ヤマハ最高峰のフルコンサートグランドピアノ「CFIIIS」から最上の1台を選び抜き、最良の状態に調整。その1台からすべての音をサンプリングした「Pure CF Voice(ビュアCFボイス)」を採用。~」
とあるから音源は「CFIIIS」である。また
「ヤマハはひとつひとつの鍵盤ごとに10段階以上の打鍵の強弱をつけた音をサンプリング。その中から「Pure CF Voice(ピュアCFボイス)」の特長がもっともよく出ている音を厳選して収録する「AWMダイナミックステレオサンプリング」を採用しています。CLP-330は3段階の音を収録。」
とあることから通常のAMW音源に対してさらに手を加えたということであろう。

2011年  RGE音源
「新世代のピアノ音源「リアル・グランド・エクスプレッション(RGE)音源」を採用。それは、CVPシリーズで高い評価をいただいている「ピュアCF音源」の完成度を一段と高め、~」とあることからAWMダイナミックステレオサンプリングを改良して名前を変えたものであると思われる。

2013年 ヤマハCFXサンプリング
「CLPシリーズのグランドピアノ音は、世界的に有名な複数のコンサートグランドピアノから収録されています。そのひとつは、ピアニストの登竜門として知られるショパン国際ピアノコンクール2010年度の優勝者が演奏したヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノ「CFX」~」とある。
したがってこの時点でサンプリング先を変えて名前を変えたのであろう。
よくわからないRGEよりCFXというヤマハの最高峰のグランドピアノのブランド名を使ったほうがイメージがいいと思ったんだろう。


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