ヤマハ電子ピアノの鍵盤のロードマップについて(GH系列の消滅?)

ヤマハ電子ピアノの鍵盤の歴史を振り返る。
四半世紀前に生まれたGH鍵盤
その連打性の弱さを改善するためにセンサーを3つに増やしたGH3が出たのが、20年前の2002年
2004年にはコストダウンを目的としたGH鍵盤の廉価版であるGHSができた。
そしてGH3鍵盤の木製鍵盤版であるナチュラルウッド鍵盤が開発されクラビノーバの上位機種に搭載される。
2011年には、GH3にエスケープメントを追加したGH3Xが登場。
その木製鍵盤版であるナチュラルウッドエックス鍵盤が作られる。
しかしそれらのベースは四半世紀のGH鍵盤をベースとしているため、ヤマハはクラビノーバの上位機種用に全く新しい鍵盤であるグランドタッチ鍵盤を開発し、2017年のクラビノーバの600番台(前の世代)の上位機種に搭載する。このグランドタッチ鍵盤は今までアップライトピアノと同様の長さであった鍵盤長をグランドピアノレベルまで伸長したものであった。
そして2020年には、そのグランドタッチ鍵盤の長さを短くしたグランドタッチエス鍵盤を開発して、クラビノーバの700番台(今の世代)の下位機種に搭載する。
これはエスケープメントはついているが鍵盤が木製のものとプラスチック製のものの2種類が用意されている。

主要な商品ラインナップと鍵盤の関係を確認すると2017年当時は以下のようであった
クラビノーバ上位  グランドタッチ(木製鍵盤)     27cm前後  
クラビノーバ中位  NWX(木製鍵盤のGH3X)       21cm前後
クラビノーバ下位  GH3X(GH3のエスケープメント有) 21cm前後
アリウス上位    GH3(3センサーのプラスチック鍵盤)   21cm前後 
アリウス下位       GHS(2センサーのプラスチック鍵盤) 17cm前後
P-45.P-125                GHS(2センサーのプラスチック鍵盤)  17cm前後

そして2020年当時は以下のようになった。
クラビノーバ上位  グランドタッチ(木製鍵盤)     27cm前後  
クラビノーバ中位  グランドタッチエス(木製鍵盤)   21cm前後
クラビノーバ下位  グランドタッチエス(プラ鍵盤)    21cm前後

アリウス上位    GH3(3センサーのプラスチック鍵盤)   21cm前後 
アリウス下位       GHS(2センサーのプラスチック鍵盤)   17cm前後
P-45.P-125                GHS(2センサーのプラスチック鍵盤)  17cm前後

見ての通り、グラビノーバのメイン機種においてはGH系は一掃されている、
GH3があるのは、アリウスの上級機種だけなので、これは今年の1月のアリウスのモデルチェンジでも変わっていない。
これについては意外であった。
私はアリウスの上位機種についてもグランドタッチエス(プラ鍵盤)になるのではないかと思っていた。
その理由は何といってもアリウス上位機種はヤマハのメインの売れ筋機種である。そしてそれは、ライバルではあるカワイのCN29(もうじきCN201に更新されるが)に鍵盤で劣っている部分があるからである。
もしかしたら本来は、そのようなロードマップであったにもかかわらず、コロナ渦や半導体不足問題から実現を見送ったのかもしれない。
だとしたら、案外早く例えば3年待たずに2年でアリウスは次のバージョンになるかもしれない。(個人の妄想です)
そうなれば、本来のGH鍵盤は完全になくなりデグレードさせたGHSだけが残る形になる。
やはりGHS鍵盤には今後の発展性もなく、改善の期待も薄いと考えられるのである。


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