電子ピアノのエスケープメントとは?「弓道とピアノ」

電子ピアノが「グランドピアノのタッチ」とやらを実現させるための機能の一つにエスケープメントというものがある。
ローランドではエントリー機種も含めて全部ついていて、河合はES110以外はすべてついていて、ヤマハはクラビノーバとP-515についていて、アリウス全機種とP-45、P-125にはついていない。
カシオとKORGにはない。
今や、あたかも「グランドピアノのタッチを実現するための必須機能」のように謳われているが、ヤマハがエスケープメントをつけたのは2011年のGH3Xからである。
それ以前のヤマハの電子ピアノは最上級グレードでもエスケープメントなんかなかったので、電子ピアノとしての必須機能でないと思う。

アコースティックピアノの基本的な機能構造やらエスケープメントの仕組みはなんとなく知っていたので、電子ピアノでエスケープメントを実装するなんてどうやるだろう?
あのアコースティックピアノの複雑なアクションを入れているのか?
そんなものをエントリー機種から入れているローランド凄いと勝手に思っていた。
しかし電子ピアノのエスケープメントの仕組みを知った時は、正直「はぁぁぁ?」と思った。

さて本題から逸れるが、アコースティックピアノの演奏やタッチを他に例えるなら弓道かなと思う。
的がピアノの弦で、矢がハンマーである。
弦(つる)を引き絞り、指を放し、矢が的に向かって飛んでいき命中する。
だから指を放す瞬間が重要で、指を放した時に的に当たるわけではない
なんでこんな当たり前の話をするかと言うと、ピアノは鍵盤が押し込まれた時にハンマーが弦を打っているのではなくて、その手前で指の制御を離れてハンマーが勝手に弦に向かって飛んでいく
だからそのタイミングを意識する必要があるわけで、そのタイミングがエスケープメントによってわかるようになっている。
このエスケープメントの場所をエスケープメントポイントと言う人もいる。

だからエスケープメントの有無にかかわらず電子ピアノしか弾いておらず、エスケープメントを意識したことがない人は、アコースティックピアノをまともに弾けない。
アコースティックピアノを持っていて補完として電子ピアノを使う人でなければ無用の長物だと思う。(個人の偏見と妄想です)

さて、電子ピアノのエスケープメント機構であるが簡単である。
鍵盤毎にラバー製の突起物が、一つついているだけ。
これが鍵盤が下りる途中でひっかかり、少し下げるとボヨーンと外れる。
これだけ。
こんなもんならエントリーモデルでもつけてもコスト高にはならない。
むしろ鍵盤種類の統一の量産効果もある。
そうローランドは考えたのだろうか?
むしろモデル感の差をつけるためにあえてアリウスにはつけないヤマハのせこさを感じる。
(個人の妄想と偏見による個人的意見です)

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