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何故、日本人は騒音クレームを気にして電子ピアノを選ぶようになったのか?

前に、日本のピアノ保有率の25%の内訳として現在の高齢者世帯(すなわち30~40年前の現役世代)が保有しているアコースティックピアノが1000万台で、今の現役世代の保有している電子ピアノが250万台というざっくりした試算をしてみた。
すなわち過去の現役世代の4割近くが、アコースティックピアノを保有していたのに、今の現役世代は1割が電子ピアノを保有しているということである。
では30~40年前の現役世代の親が子供をピアニストにしようと思っていたのか?
そんなわけはない。
高度成長期を経てジャパンアズナンバー1の時代。
国民の7割が中産階級であり、自分たちを中の上と認識していた時代である。
そんな中でのピアノ所有は、ハイソサエティへの憧れ。
それも手の届くものであり、いや、同じ生活レベル感の住民同士の横並び意識というか他人の目を気にする日本人の気質。
すなわち「中の上」ならピアノの1台くらい持っていないと恥ずかしい。
女性の社会進出も進んでいない時代に、いいお嫁さんになるにはピアノの一つも弾けないと恥ずかしい。
要はそれだけである。
子供のいる家からピアノの音が鳴っているのは、日常風景であった。
しかし時代は進み、日本の衰退化によってかつての「中の上」の層が3/4が貧困層になった。
「ピアノがあり、ピアノを習っている家庭」が「手の届く普通の世界」から「手の届かない怨嗟すべき上級国民」への変貌した。
さらには夜間労働者や無職者の増大もある。
「上級国民」は事の他、そういう層からの怨嗟の目に気を付けなければならない。
そういった庶民のルサンチマンに敏感となり、生ピアノではなく電子ピアノを選択するようになったのはないか?
ちなみに習い事をする目的も昔と今では変わっている。
かつては、隣の目を気にしてとかであったが、今は、共働きが増えて学校が終わった後に子供を預かってくれる場所として利用されている。
スイミングスクールがいまだに人気あるのは、料金が安く、初期投資が不要なうえに子供の拘束時間が長いからである。






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