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失くしたもの二つ

最近、言葉で何かを表現することができない。表現するほどのものは、もう自分の中に無いということかも知れない。
この空の色を切り取りたくなったように、今までだって、表すべきものは外界にしか無かったのかも知れない。
ただ、これからもう自分の中に何も生まれることが無いのではないか、と考えることが少しだけ怖い。

最近、一年前の晩春の情景だけを思い出す。
もう写真も消してしまったあの季節は、入道雲もこんな暑さも無かったのに、やたらと眩しかった。
もう過去の話。

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