plane


少年少女の躍るランドセルが遠目に苛立つ
夕暮れのバス停に定刻通り現れた薄紅のワゴン
信号機の黄色だけがレーザーの様に目を焼く
「待たせてごめんね、さあいこうか。」
懐かしい匂いとは裏腹に知らぬ人のふりをした
涙目ではあったが笑うことには成功

黒っぽい烏が実は茶の鳩だったことに気がつく
空はすっかり煤けたようなparadox
振り返るにはとっくに手遅れだと判る
壊れるくらいなら失くしてしまえと思った
おやつの残りはどこかのポケットの中
世界は共有財産だと知らされても尚
午後5時を17時とは呼ばせてもらえない

舌打ちをするリズムが少しずつ早くなると
まるでタイムリミットが存在するかの様だけど
解決策を探してみるがまあ見つからず
時のダクトが辺り一面を飲み込んで暗闇
頭上の鉄板の更上の方で微かに確かに聞こえる
鶯の鳴き声が悲しみを思い出させてくれた
多分もうずっと遠くまで着てる

恐らく当面の間は命の保証がないけれど
元いた犬小屋よりはよっぼど平和だと思う
綺麗な傷はもう懲り懲りだからな
今度こそ初めましてをちゃんと言おう

普通の顔をしてね

ここで頂いたものは血となり肉となります。どうぞよろしくお願いします。