【日記】木漏れ日

目の中をきらきらでいっぱいにしたくて、フィルムカメラを手に、光を探しにいった 












(きらきらをいっぱいみるほど目はきらきらになって、目をみつめたひとにもそのきらきらをおすそわけできる
って信じていっしょうけんめい、お腹に赤ちゃんがいてあまり動けない兄のおよめさんとあかちゃんのためにめをみひらいてかえりみち雪のまっしろなきらきらををめにやきつけていた主人公が太宰治のどこかの小説のなかにいた)

(足元しか見ていないから、上に木があるの知らないまま影のことを知らないまま夢中で歩いていて、これはぜったいに天使みたいな、赤ちゃんみたいな、赤ちゃんを抱いているお母さんみたいな、なんかとにかく神聖な感じの透明な生き物の足跡だと思う。
きっと、その生き物は身体も皮膚も体液も全部、液体か個体の硝子でできていて、血も涙も汗も全部透明で、あまり足りないものを感じたことがないし皮膚の外と内を意識したことがないけれど、もし足りなくなったら光をコップに注いで呑みこんでそれだけで生きている。
だからどんなに傷ついても傷付かなくても吐いても儚くても内臓もどこもかしこも光ってとても熱くてとても冷たい。)











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