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賞味期限間近商品割引スーパーがオープン

大手小売企業の蘇寧が1月15日に賞味期限間近商品割引スーパーに進出をしました。初店舗は安徽省馬鞍山市。

蘇寧の公式サイトによりますと、2022年に蘇寧は馬鞍山からスタートし、江蘇省、浙江省、上海市を中心に、2022年に100店舗をオープンする予定。蘇寧は賞味期限間近商品割引商品のニーズが高いと判断したということでしょう。

しかしこの賞味期限間近商品割引店が増える動きというのはコロナ以降にみられるようになった新しいトレンドのようです。スーパーやネットで賞味期限間近商品割引商品を購入するのは25歳から35歳までの世代の人たちが多いとのこと。

今まではサプライチェーンの問題等もあり、この業態は小売業界の人々にそこまで注目されていなかったのですが、そこに大手の蘇寧グループが参入してきたわけです。

蘇寧割引スーパーの面積は150㎡前後で、陳列商品総額は約15万元、店舗の営業時間は普通のスーパーと同じ。スタッフによると、馬鞍山の初店舗がオープンした時は黒山の人だかりだったとのことですが、今後の1日の売上としては5~6万元を見込んでいるそうです。また、春節後に加盟店の募集を始めていくことを予定しています。

かつてあまり見られることのなかった賞味期限間近商品の市場は900億元あるといわれています。また、一般的なスーパーの粗利率は20%であるのに対して、賞味期限間近商品の食品スーパーの粗利率は50%以上になるといわれています。賞味期限が近く販売できる期間が短いことから粗利率も高くなっているのでしょう。

日本では昔から消費期限が近い商品をその店舗で割引して販売したり、中古の商品の流通なども多いのですが、翻って中国では中国で取り扱うのはなかなか難しいのではないかと考えておりました。しかし、最近は日本のメルカリのようなアプリの取引額も増えてきており、中古と言われるものに対する抵抗も減ってきているのではないかと感じております。商品に対する目利き力も上がってきたことも用品の一つでしょう。目利き力が上がると同時に、賞味期限間近商品でも安心して購入できる、少しでも安価に購入できるのならラッキーだという心理、これが培われてきたと考えることもできるでしょう。

こういった中国人消費者の商品を見る力の向上というのも要因の一つで、特に中古品を購入するようになったのは既述したように目利き力の向上、あるいは中古品でしか入手できないものを購入するいわゆる個性的な商品を購入するようになったということかと思っております。昨今のメディア報道にもありますように、中国の消費が落ち込んでいることも要因の一つではないかと考えております。特に昨年8月以降は消費の勢いにかげりが見られるのは間違いなく、その動きの中で少しでも節約しよう、賞味期限間近でもいいので少しでも安く購入しよう、そういう心理も働いているのではないでしょうか。

しかし今回紹介した賞味期限間近商品に関してはもう一つ別の考え方もできると思っております。

不動産ディベロッパーの経営危機や、それに伴う国家としての住宅政策の変動予測、こういった動きの中で消費マインドに影響しているのも要因の一つと考えることができるのではないかと思います。

こういうご時世にはこういうビジネス、またそのうち新しいビジネスが生まれるかもしれませんね。


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