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平湖開発区の投資誘致担当者来訪

ときどき工業開発区の方がやってこられます。今のご時世なかなか投資誘致というのは難しいと思うのですが、だからといってぼうっとしているわけにもいかず、仕込みとしていろんなところとのリレーションを構築・維持していくうえで活動を続ける必要があるのでしょう。この間は平湖開発の方が来られました。平湖といえば俗に日本電産村と呼ばれたりするように、同社の平湖でも営業額、納税額等の貢献度はかなり高いとのこと。その中であれやこれ話したことを書いてみますね。

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1.新規投資が減少
最近海外からの新規投資が減ってきているというはなしですが、コロナで視察に来れないからしょうがないですね。新規投資がないとはいうものの、拡大投資があるとのことです。
2.移転受け入れ
都市計画や人件費コストの上昇等でやっていけなくなった企業の受け入れを行っているとのこと。どんな業種でもいいというわけではないと思いますが。純粋な移転(登記場所変更)なのか、会社清算した平湖に新規設立なのかを聞いたところ、現実的には前者は難しく、ほぼすべてが清算後新規設立という方法での移転とのこと。
3.人材派遣
いまでも正式契約ではなく、派遣形態の工員が多いとのこと。正式契約すると当然のことですが社会保険料等をしっかりと納付します。その結果として工員の手取り収入が減少するのですが、これを嫌って働き手のほうが派遣を好む(この場合社会保険は派遣会社が少ない基準で処理)ことがまだまだ少なくないそうです。2014年から実施されている《労務派遣暫定規定》では、「雇用単位は厳格に労務派遣しよう数量をコントロールし、使用する被派遣労働者はその雇用総数の10%を超えてはならない」と定められているのですが、この10%の比率は必ずしも徹底されていないようです。
4.日系企業の人材流出
ここ1-2年くらいで、日系企業の人材流出が増えているそうです。その要因としては待遇が挙げられるとのこと。以前も欧米系企業のほうが待遇が良かったようなのですが、そもそも欧米系企業の数が少なかったのであまり問題いにならなかったところ、近年は欧米系企業の数も増えてきて、待遇も上回っているとなるとそっちに移ってしまう人が増えてきているという構図です。工員に限らずですが、確かに最近は日系企業の待遇は今一つという声をよく聞くようになった気がします。

待遇面以外に挙げられているのが管理の厳しさだそうです。これは工員レベルの話ではなさそうな気がするのですが、欧米系企業(中国企業もかな?)は結果を出せばとやかく言われないが、日系企業は結果を出す過程における管理も厳しく、これを嫌う人がいるとのことです。まあこれはわからなくもないですね。しかしこれ、いつも思うのですが、欧米系のほうが給料が高いからといって日系企業から転職しても、高い給料なりの要求が欧米系企業にはやはりあって、それについていけるかどうかという問題のように思うのです。ということは、高い給料なりの要求に見合うポストが日系企業にあるかどうかという問題になってくるのではないかと。さすがに以前と比べてそのあたりは改善されてきており、名のある企業の高級幹部は現地社員が担っているのが当たり前の状況になってきていると思います。とはいうものの、確かに欧米系企業は結構いい給料出しています。人事部門の幹部を探すお話が合った際に接した人の中で、年収100万元以上の欧米系企業勤務者でがごろごろしてました。これだけ出せるところはまだまだ少ないでしょうねえ。

開発区と話すことといえば、開発区の宣伝めいた内容の話で終わることも多いですが、ちょっと質問すればいろいろと教えてくれるものです。そいいうこともあって、時間が合えば合うようにはしています。しかしコロナで国際間移動がまだまだ難しい中、積極的な新規投資はなかなか難しいでしょうね。

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