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クラウドゲーミングのその先に

NVIDIA(GPU開発のグローバルリーダー)の"GeForce NOW"というクラウドゲーミングサービスに注目しています。

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(画像:NVIDIA Corporation)

クラウドゲーミングとは、プレイステーションやNintendo Switchのようなディスク/カセットROM型のゲーム販売ではなく、インターネットを通じてストリーミング配信するサービスのことです。

NVIDIAは今回ソフトバンクと組んで、GeForce NOWを展開しています。

GeForce NOW Powered by SoftBankは、ゲームで遊ぶときに発生する負荷がかかるデータ処理を、GeForce NOWのサーバー側で行なったうえでストリーミング配信するクラウドゲームサービス。本来高負荷なゲームをプレイする際は、描画処理を担うビデオカードの性能が重要になってくる。この処理をすべてサーバー上で実行するので、CPU内蔵GPUを採用するノートパソコンやスマートフォン、タブレットでも快適に高負荷ゲームがプレイできるというわけだ。(ASCII.jp 2019年11月27日)

ゲームの観点だけで見ても、面白い取り組みだと感じています。これまでは、高精細な3Dゲーム(特にネット対応のアクションゲームやシューティングゲーム)をプレイするには、高性能なPC、いわゆる”ゲーミングPC”が必要でした。

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(画像:日本hp)

しかし、こうした高性能PCは、値段こそ最近はリーズナブルになってきましたが、依然として、重い・大きい(CPU・GPUの冷却の為に空間を広く取る)、熱い・煩い(CPU・GPUの冷却の為に大型ファンで排熱する)という問題がありました。

クラウド側で高負荷な処理を行うことができれば、ユーザーのインターフェースとしてのPCなどのデバイスは省スペック化・小型化・軽量化ができるようになるはずです。現状のGeForce NOWでは、まだ入力系のラグ(データ送受信の遅延)が多少見られ、ストレスフリーとまでは行かないようですが、いずれ解消されていくでしょう。

これは何もゲームの世界だけの話ではありません。動画の編集だったり、データの加工だったり、これまで相応の性能を要求してきた操作が、あらゆる性能のデバイスで実行可能になると、影響は非常に大きいと思います。

デバイスメーカーとしては、性能の他に差別化要素を盛り込まなければならないので試練と言えるかもしれません。かつて、クラウドストレージが誕生するまでは、いかに大容量のHDDを搭載するか、が競われたこともありましたが、今はクラウドストレージの誕生により、相対的に小容量のSSDを搭載するデバイスが増えてきました。

一方、ユーザーとしては、金融包摂ならぬ、IT包摂が実現するかもしれません。高い最新鋭の端末が必ずしも必要でなくなれば、所得やITリテラシーによる情報格差は縮小する可能性がある、というのは言い過ぎでしょうか。デバイスの性能が足枷とならず、高度なサービス便益を等しく享受できるというメリットは無視できません。

様々な期待を込めて、先ずは試してみるべく、現在募集中の「第2次クローズドベータテスト」に参加申込してみました。

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