ひさしくながく、つよく
わたしはいま、こんなに膨らむとは思わなかったほどの大きな気持ちを抱えて歩いています。立ち止まっているのかも知れないし、座り込んでいたいくらいには感情の波にやられているのですが。
この表してもいいのか分からないことは、書くのすら正直躊躇われるけれど、吐き出すところがないから記しておきます。
おそらく。
どういった、すき、なのか、まだいまいちわからないけれど、好きに違いはなくて。
ここにむかし、本当に好きな人がいたことを書いたけれど、自分が抱く感情が 恋じゃなくて愛なんだなと思ったのはその人以来で。
私は生来、潔癖で、有名人の不貞なんて反吐が出るほどきらいだった。主人が異性と関わりを持つことを嫌った。
それなのに、そんな感情を抱く自分が怖くて気持ち悪くて情けなくて受け入れられなくて。
でももうそういったことがらをすべて超えるほどに、愛だと思った。
キスをしたいとか抱きしめたいよりも強く、この人が生きて、平穏で、ずっとしあわせでいてほしいと強く願うほどに、思った。
はじめてあったとき、どう接したらいいか分からなくて。ずっと目を見ないように話していた。
一年もふたりで同じ空間にいたのに、交わした言葉は数えられる程度で。苦手かも知れないと思うほどだった。
わたしはその頃、主人との関係に悩んでいた。子どもの入園や、コロナの流行による生活の一変で、いろんなモヤモヤがたまっていた。
年下なんて関わる機会もなく、どんな話をしたらいいか分からなかったけど、落ち着いたトーンがある時から心地よくて、半ばやけっぱちで誰にも話したことがない夫婦関係の話をしたんだ。
初めてだった。母にも、友人にも、仲良しの妹にも、話したことがなかった。男性目線からみて主人がどう映るのかも確かめたかった。
ありえないですね、僕なら絶対しないですそんなこと
ずっとかかえてた気持ちに共感をしてくれたとき、我慢していたものがどばっと溢れ出して、わたしは初めてちゃんと主人に、嫌だという気持ちを伝えることができた。
きっかけなんて、ほんのささいで。
でもそう、私はあのときにやっと、やっと、自分に戻れた気がした。
恩人。そんなこといったらきっと引かれるけど。
頑張ってる背中だけは私が一番見たかも知れないと自惚れるほど見てきて、尊敬してるし、ずっと幸せでいてほしい。
だから、間違ってもなにか、言葉にして伝えることは許されない。
でも、気持ちだけは許してほしい。
好きがどんな好きなのかまだ分からないけど、それに他人からしたらきっとそんなことは 関係なく悪 だろうけど。
誰かに許されたいわけじゃなく、ただ、自分へ。
間違いなく、あなたを強くするきっかけをくれたのは、彼だから。
生涯忘れないであろう、大切な出会いだった。
久しぶりに会った彼の目は、変わらずにまっすぐ人を見つめて、涙が出そうになった。
好きな人がいると話す彼の横顔をみながら、このときが一生は続かないことをまた確信して。隠して。
絶対に大丈夫だよと笑う私に、なんの根拠があってそんなこというんですかと笑った。
根拠なんて、わたしが不用意に近づけないほどに優しいあなたが、大丈夫じゃないわけないじゃないと。言わなかった。
けどまた笑って誤魔化しながら、つよく、強く思う。
伝わらないと思うからこそ、君へ。
本当に、世界でいちばんしあわせになってくれ。
頼む。
わたしは数年後、これをどんな気持ちで読むんだろう。
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