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屋上から飛び降りた高校生だった彼女

私が彼女にはじめて出会ったのは、2021年の暮れ、クリスマス。
出張先の渋谷のホテルの一室で、画面越しに出会った彼女の第一印象は、
可愛くて、かっこよくて、のびやかな女性だった。

彼女は、高校2年生のとき、自ら屋上から飛び降りた。
今は、首の骨を損傷して、車椅子で一人で生活している。

彼女の番組やネット記事は、事前にリサーチ済みだった。
韓国出身の母の元で、ヤングケアラーというような子供時代を過ごした過去をもつと見聞きして、正直なところかなり身構えていた。
一度話してみて、「この人は本当に魅力的な方だなぁ」と思い、
上司に激推しして、そのあと仕事をご一緒させていただいた。

そんな彼女が、先日、半生を綴った本を出版した。
背が高くて男勝りなこと、ダレン・シャンや精霊の守り人を読んで冒険に出ることを夢見ていたこと、シャカパンに憧れていたこと、嫌いな数学のテストを夢見るようになっていたこと、高校の文化祭でコスプレをして踊ったことなど…まるで青春ドラマのごとく、ものすごくみずみずしく生き生きと描かれていた。
そんな彼女の人生は、自分の人生とリンクすることはたくさんあった。

彼女をネット記事で見た時は、「高校生で自殺未遂」というワードだけで、ただただ遠い存在だった。
もちろんリンクしない人生もたくさんある。
でも、やっぱり一番の感想は、彼女は、同じ時代を生きてきた、同い年のひとりの女性。そして、とってもかっこいい方なんだなということ。

最後に、読み返してて印象に残った彼女だからこそ言える言葉。

あなたのつらさは、私のつらさは、紛れもなく本物

しにたい気持ちが消えるまで p299

彼女のみずみずしい言葉に出会いたい方は、ぜひ一読を。

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