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rapとrep -ドキュメント20min 「I rep myself」-

就活が解禁したらしい今週、立て続けに2件のOG訪問を受けた。
次の春で、一応テレビディレクター6年目になる。
テレビっ子じゃないなりに、少なくとも、目の前に出会った取材者・取材テーマに対して、どのときも全力を尽くしたということは自負している。
とはいえ、全然まだまだスキルも思考も身につかない。
就活生に「ちゃんとテレビ見ないとね」と言っときながら、
自分もできていないので、たまに番組の感想を書こうかなと思う。

今回見たのは、NHK ドキュメント20min.「I rep myself .~ラップで叫ぶ自分自身~」。
若手制作者がこれまでにないドキュメンタリーの手法を試みて制作するこのシリーズの中でも、放送時によくTwitterの私のタイムラインに流れてきた。
内容はだいたいこんな感じ。

「I rep myself.〜ラップで叫ぶ自分自身〜」
初回放送日: 2023年2月13日

東京・新橋。夜のとばりがおりる頃、駅前広場で「サイファー」が始まった。数人が輪になり、即興でラップをつないでいく。あふれ出す言葉の渦から見えてくるものとは?

サイファーの輪に飛び込んだのは、NHKのディレクター。得意のラップで、次々とインタビューに挑んだ。ラップを「世界最速の言語文化」と称賛、本当の自分と出会えたと語る25歳。学校になじめず悩んでいた時にラップと出会い、「言葉で説明できないものが表現できる」という20歳。仕事や人生での挫折、それでも前を向いて生きていく―。パッションあふれるサラリーマンたち。身体の奥底からしぼり出す、熱き魂の叫びを聞け!

https://www.nhk.jp/p/ts/YN5YRJ9KP6/episode/te/2NL1K57KV2/

私も2年前に、ラップを扱った番組を制作したことがある。
当時高校2年生のネパール出身の笑顔が素敵な男の子が、一人公園でラップしていた。この時、はじめてラップというものに触れた。

人生一度きり 一度きり
虚しい日 気にしない
進む前に前に前に
ない正解
ある間違い
見える遠く掴めそう あと少し あと少し

彼の笑顔の裏に触れた時、正直、震えた。
6年間のディレクター人生で、確実に3本の指に入る印象的な瞬間だった。
彼のラップには、それだけの力があった。

最近みたラップ関連の番組で、もうひとつ目が離せなかったものがある。
NHK「おかえり音楽室 Awich」(1/14放送)。

▽今回は、日本のヒップホップをけん引する、Awichが沖縄・昭和薬科大学附属高等学校で熱唱▽運命を変えた恩人や同級生と涙の再会▽さまざまな感情があふれるなか、ノーカットのライブパフォーマンスに挑戦!▽Awichが「あの頃の自分」を見つめます。

https://www.nhk.jp/p/ts/RJ5G2XZ4N3/episode/te/1YVZ3829W7/

とにもかくにも、力強かった。
ノーカットのパフォーマンスもすごかった。

そして、今回の「ドキュメント20min.」で感じたこと。
それは、新橋でのサイファーだったという新鮮味というか、納得感だった。
若者でもなく、アンダーグラウドごりごり社会問題派でもなく…
でも、叫ばずにはいられない。自分だからこそ、どんな自分も背負い、表現し、肯定する。
ひとりのサラリーマンも。

「電車の隣で座った人から見た世界を見てみたくて、この会社にいる」

今日のOG訪問でそうつぶやいたけど、こういうことなのかもしれない。

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