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「ひな人形って、こんな自由でいいの!?」

3月3日のひな祭り、今年はいかがお過ごしでしたか?私は多分、最近マイブームの豆乳割り甘酒を少し飲んだ。ゆとり世代ぐらいの年齢層の女性だったら、なんだかんだで多くの人の実家にあるんじゃないかと思うひな人形。私の家にも、多分小学2年生ぐらいまでちゃんと飾っていて、それ以降はずっと段ボールにしまわれ、日の目を見ることはない感じ。
母は、「いつか女の子の孫が産まれたときに…」という思いで残しているようだけど、そんな未来があるのかは2024年3月3日時点では謎です。「多様性」の現代社会だったら、「お嫁にいけますように」って、また物議でも醸すのか…(最近、ドラマ「不適切にもほどがある」がおもしろすぎて影響を受けている笑)

小学2年生ぐらい。姉と母とひな人形を飾るのはけっこう楽しみだった。

先日仕事で、大分県杵築市を訪れた。杵築市は、江戸時代に畳の原料の「七島藺(しちとうい)」で栄えた藩があり、いまでも「小京都」と言われるほどの風情ある町並みに、武家や商家が残っている。

坂の上の小学校に通う孫を思って、地元資産家が資材で敷いた石畳。すごい。

ちょうどこの季節、町おこしイベントの一環として、「ひな人形めぐり」が行われていて、古いお屋敷の軒には、江戸時代から続くひな人形など、いろいろ飾られている。

江戸時代から伝わるおひな様。箱に入ってらっしゃる。

「こんなおひなさまもあるんだなーへー」と言いながら、素通り気味、足早で街を歩いていたら…道ばたにおひな様がいっぱい!

通りから見みえるひな人形らしきものだけど…え!?

ん!?なんだ?これは?!
よくよく見てみると…

3人官女が青いクルクルパーマを…
5人囃子が、笛ではなくたばこをお持ち!

他にも、「のんべえ雛」「お化粧雛」「病院雛」「ちゃんぽん雛」…
これは、きっと大分在住の気鋭のデザイナーさんが考えたんだろう!すごい!斬新!誰なんだろう?
仕掛け人が知りたくて、こんなおひな様飾っているお花屋さんのお姉さんに話しを聞いてみたら…
お姉さん「私たち、地元の人で去年からやってるんですよ~」

お姉さんは、お花屋さん兼駄菓子屋さんをやりながら、地域をちょっとでも盛り上げようとしている方だった。地方都市あるあるの、少子高齢化の波がこの辺りも押し寄せていて、地域のおばあちゃんとちびっこを結ぶきっかけを作りたくて、このアイデアを思いついたらしい。かつてこの地域にあったお店の数々を、ひな人形で表現している。これらのひな人形に対して、「不謹慎だ」という声もなく、当初の狙い通り、地元のおばあちゃんおじいちゃんと道行く小学生たちに大受け。「もっとやって~」ということで、今年は数を増やして、いろんなお店も参加して、2年目。

こちらは「産婦人科雛」お姉さんのお義姉さんが妊婦さんだったので、安産の願いを込めて

ただの「奇抜な」ものではなくて、裏ストーリーを聞けば聞くほど、ほっこりするし、自分自身が日本人形って、「伝統」っていうイメージに縛られてたんだなぁって思った。

こんな記事を書いてたら、映画「バービー」を思い出した。

フェミニスト関連の感想はさておき、このとき、バービーって、いろんな職業や人種や生き方があるってことが単純に新鮮だった。鬱のバービーとか老いのバービーとか、ポジティブな側面だけでない女性像はもちろん、男性の生きにくさ、人の生き方を描く人形でもあることはとてもおもしろかった。(贅沢言うなら、作品として、もっとそこを突き詰めてほしかった)

もうひとつ、先の杵築市の茶屋「とまや」に江戸時代から伝わる雛人形は、男の子が二人並んでいた。(写真を撮り忘れたことが残念)

もっと自由で、ゆるやかでいいのかもしれない。
私なら、○○雛を作ろっかな~。


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