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忍者の修行 1
はじまり
「最近なんだか身体が冷えるんだよ」
という夫。
「筋肉が落ちて代謝が減ってるのでは?」
「そうかなぁ」
「筋トレ、やろうよ」
「えー、やだー、疲れるし、めんどくさい」
それっきりになっていたのだが。
我が家のリビングに於いて、たいてい一日中垂れ流されているEテレから
「夫婦でやるのが続くポイントですかね」
と、キックボクシングを習っている夫婦がインタビューに答えているのが聞こえてきた。
それとなんの因果関係があったのか、
夫が、
「うちもやるぞ、筋トレ」
と言い出した。
ヤツには不思議なスイッチがどこかにある。
「寝る前に、毎日やるんだ」
突然、居直り、妻に問いかける。
「アンタだって筋肉落ちてるから疲れやすいんだ。
これは、忍術の修行だ。
最初は簡単なところから始めるんだ。
何から始める?」
いきなり何なのだ。
妻は適当に答える。
「じゃあねぇ、スクワット10回」
「言ったな?約束は守れよ!
今日は、10回。明日は、11回だ。
1日に1回ずつ、増やしていくぞ。
ウヒャー、もう飛べない!になるまでつづけるぞ」
「おうよ!」
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こうして筋トレは、いきなりスタートしたのだった。令和6年5月8日のことだった。
一応、夫は元陸上部員。
スクワットの正しいやり方は、昔取った杵柄!的に指導してくれた。のだが。
10回終わった!かんたんかんたん!
と思ったら、5秒休んだだけで、いきなり2セット目が始まった。
しかもスピードを上げられ、あわあわする妻に、
「1セット目はゆっくり負荷をかける。
2セット目は速くやるんだ」
何それ聞いてない。
初回から既に、割とキツい。
5月9日 11回×2セット
ばかばかしいね??
5月10日 12回×2セット
とっ、思った、けれど
5月11日 13回×2セット
うひゃー、もう無理!
5月12日 14回×2セット
「無理じゃない!毎日やるんだ!」
今日も1回増やされる。
5月13日 15回×2セット
もうだめ〜!
終わるや否や、ベッドに倒れ込んだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1716608206576-bQSW41rdQr.jpg?width=1200)
一体いつまで増え続けるのだろうか。
5日目にして、筋肉痛が来た。
持続可能なやり方を考えよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716608244481-MAkHy8aB7B.jpg?width=1200)
「おかげで筋肉がつきました」
と言える日を目指して、頑張ろうと思う。
お互いに体質が改善し、QOLがあがればよいなと思う。
5月14日〜15日
そんなわけで、
いかに持続するかを優先した結果、
5月14日 は、ゆっくり11回×3セットにしてみた。一回当たりは減ったが、トータルはちゃんと増えてる。
5月15日朝。
身体がめちゃくちゃ痛い。
「昨日のママ考案の、あれ凄い効いてるんだけど!身体いてぇ」
仕事関係で飲んで帰宅した夫は、そう言うと寝室に消えた。
インターネットで調べた"効果的なスクワットのやり方"から、
「太ももを床と並行にする」
だけを抽出したのだが、案外効くようだ。
一度にたくさん、気をつけきれんから、
ポイントを絞って、
かんたんに、かんたんに、続けたいのだ。
頑張りすぎたら、つづかない。
子どもの修学旅行の荷物を準備し終え、ようやく寝室に入ると、夫はまだ起きていた。
「なんだ、寝たんじゃなかったの?」
「なんか寝付けない〜」
「じゃあスクワットする?」
「ママだけやって〜 俺は今日はおやすみする〜 ここで見てる」
なんだ、この酔っぱらい。
仕方ない。やるぜ。
「しょうがないなあ。
今日は、12回×3セットだ」
「あ、そういうこと?そこ増やすんだ!」
布団に寝そべったままの夫が、何か感心した様子。
「一度にたくさんやっても無駄。
少ない回数でも、しっかりとしたフォームで、ゆっくり3セットやると効果的」と、ネットに書いてあったから、3セットに切り替えただけである。それに伴い、回数調整をしただけだ。
一回増やす、という約束は、守る。
守りきれなくなるまでは!
だが、一人だと、フォームが崩れてないかをチェックしづらいのね。自分で太ももを見ようとしてしまい、顔が下を向くだけで、負荷が減るものだな。
一応妻はサボらずにやったが、あまり効果的ではなかったかもしれない。
明日は二人でやろう。
1日サボった夫は、戻ってこれるだろうか?
5月16日
いよいよ明日は長男が修学旅行。
集合時間がめちゃくちゃ早い。
夫に
「ほら、さっさとスクワットして寝るよッ」
と声をかけると、
「え、パパたちスクワットなんてやってたの?」
と、明日朝提出期限の宿題に追われている次男が。
「そ。老化防止」
「1日サボるとキツいなあ」
「じゃあ、12回で据え置く?」
「いや、13回で」
では、13回×3セット。
「いやあ、キツいキツい。明日筋肉痛になりそう」
ギリギリ頑張りベッドにダイブすると、そのままよく眠れる。
5月17日
次男が塾に行ってる間に夫が帰宅した。
こんなに早い帰宅は珍しい。
「あれ、次男は?」
「塾だよ。そろそろ帰るんじゃないかな」
「長男くんがいないと静かだな」
「いつもうるさいのにね。宿でちゃんと寝てるかな。呼び出しの電話がこないといいけど…」
食事と風呂を済ませたあたりで
次男も塾から帰ってきて、しばらく団らんを楽しんだら、
「じゃあ、パパもう寝るね、おやすみ〜」
と、いつもの調子でリビングから夫が出ていく。
「おやすみ〜」
と、いつもはそのあと妻はダラダラとお一人様タイムを楽しむのだが。
ハッと気づく。
「パパ、スクワットやらないで寝るつもりだよね、あれ」
「ママ早くいきなよ、パパ寝ちゃうよ!俺は撮りためたアニメ消化してから寝るから」
「明日は土曜日だからって夜更かししないのよ!ちゃんと寝るのよ」
「はあ〜い」
慌てて寝室に向かうと、夫はベッドに横になり、寝ようとしていた。
「待て!スクワット!」
「え〜、なんか身体痛くって…」
「じゃあ、13回で据え置きでいいよ」
「え、それはダメ!忍者の修行だから増やさなきゃ…」
「じゃあ14回いくよ!」
14回×3セット。
3セット目になるとクラクラしてくる。
多分一人じゃ続かない。
なんとか頑張り、ベッドに倒れ込む。
1分もしないうちに夫の寝息が聞こえてきた。
5月18日
今日は長男が目指す学校の一般公開日。
本人は修学旅行中でいないが、雰囲気を知りたくて夫と出掛けてきた。が、小高い丘の上にあり、校内をウロウロしたりするのも含めたら1万歩を超えた。ここに通うようになったら、さぞかし鍛えられることだろう。
「学校公開に連れていくと親の方が疲れちゃうよね」と、保護者会でそんな話題になったっけ。
昼食をとり昼過ぎに帰宅したら、グッタリ動けない。
お囃子の練習に行く気力が湧かないなあ、と思っていたら、「今日は体調不良者多数のため中止」と連絡が入った。
じゃあもう、今日は早めに寝てしまおう。
夫もどうやら、体調があまりよろしくない様子。
実はこの数日、無理をしていたっぽい。
「どうする?今日の修行はおやすみにしようか?」
「休みます…」
「じゃあ、私だけやるから、見てて。多分わたし、ここで休んだら二度と戻って来れないと思うから」
すると、
「じゃあ、僕もやるよ、どうやるの?」
と、次男が参入!
それを見た夫が
「やっぱり俺も頑張ります…」
忍者の会会員が3人になった。
「じゃあ、今日は15回!ホラやるぞ!イーーチッ!ニィーーッ!」
ちょっとちょっと!私まだちゃんと準備できてないのになんでいきなりはじめるのよ、夫!!
慌てて追いつこうとしたら、次男が
「ママ、それじゃ全然負荷かかってないよ、ちゃんとやろ?」
ちっ、なんだよ2人して!
わかってますってば。
あんたたちが待たないからでしょうが。
15回終わったところで10秒休んだら
「ほら、もう一回いくぞ」
2セット目が終わり、また10秒したら
「ハイッ! イーーチッ」
「ええー、いったい何セットやるのー!」
狼狽える次男。
ンもう〜!!ちゃんと説明くらいしてから始めなさいよねー!!
明日は16回×3セットになるのを、次男はまだ知らない。
5月19日
そろそろ長男が帰ってくる頃かなぁ、と思いつつ、妻は布団でゴロゴロしていた。
喉が痛くて身体が怠い。熱はない。
駅まで迎えに行って先生に様子を聞きたいなぁと思いつつもぐだぐだしていたら、電話がきた。
先生からだった。
「熱はないんですが、具合が悪そうなのでお迎えにきてください」
地元の駅まで無事に到着したが、今日は一日つらそうだったらしく。
京都まで迎えに行くことにならなくてよかった、と思いながら、慌てて布団から飛び起きて駅に向かった。
駅に着いて本人を目にすると、先生が言うほど不調には見えなかったが、たぶん怠いのだろう。時折、少し咳が出る。
あれ?これ、先週の次男に似てる感じ?
夫の体調不良も、もしやこれ?
そして、妻も、もらったかも?
今夜は、無理はやめよう。
「今日の修行は、お休みにします」
妻は、そう宣言した。
「え、ほんと?いいの?」
ほんのり嬉しそうな夫。
「ただし、明日は、やるよ。何回にしようか?」
「16回、かな?」
「けどさ、麻の成長は待ってくれないんだよ?」
「じゃあ、17回ね」
「そうしよう」
そんな話をしていたら、次男が、そうっと
「あの…給食白衣、出し忘れていた…」
と、手渡してきた。
洗濯をし、浴室に干し終えた妻は、よろよろと布団に倒れ込みました。
5月20日
昨夜は、スパイスたっぷりのカレーを食べ、
市販のマサラチャイのティーバッグにジンジャー、カルダモン、シナモン(いずれも市販のパウダー)をがっつり足して煮出した特製マサラチャイを作って飲み(手軽にレンチンで作った)、
漢方と洋薬がバランスよく配合された風邪薬(飲み慣れているOTC薬)を飲んで、早々に寝た。
風邪は、初期のうちに洋薬でスパッと症状を止めてしっかり眠りを確保し、漢方薬や生薬で免疫を高めてやれば大抵はすぐよくなる、というのが妻の持論。
インドのお母さんは家族の体調に合わせてスパイスを使い分けるというんだから凄い。
スパイスは、生薬と似たようなものだからね。
家にあるもので、やれることは全てやって寝た。
今日はだいぶ調子が良い。
足三里のツボに"貼るお灸"を貼り付けている夫に、
「さて。今日はスクワットやるよ!17回だよね」
と誘いかけるも、
「ええ〜やるの〜?」
弱気な返事。
「言い出したのはパパでしょ」
「だってこんなに回数増えるなんて思ってなかったんだもん…」
「麻はどんどん伸びるんだよッ」
「ほら、次男クンもやるよー!」
と声をかけると、
「えー、俺、やらない、もう寝る」
なんだかとても眠そう。
さては昨夜、プラモデル作って夜更かししましたね?
部屋をそっと覗くと、もうすぅすぅ寝息をたてていた。
仕方ない。二人でやろう。
17回×3セット。
あれ?思ったより大変じゃなくなってる、ような気がする!
妻も夫も、終わった後のバタンキュー(死語)な感じが、あまりないぞ?
息は上がっているものの、もうダメ感がだいぶ少ない。
スパイスやらお灸やらの血流改善効果により、細胞へ酸素が供給されやすい状態となっていたことも、関係ありそうな気がする。
つまり、これまでは、無酸素運動になっていて発生した乳酸のせいでめちゃくちゃ息が上がって苦しかったのが、運動する前から血行がよかったせいで有酸素運動化した、ってこと?
知らんけど。
もしや、「身体が慣れてくる」状態を、即席で達成し得る方法かもしれない?!
だが、低体温を改善するには筋肉量を増やす必要があり、無酸素運動も必要?
スクワットは有酸素運動と無酸素運動の両方である、という説もあるみたいなので、もうしばらく続けていこう。
疲れにくい身体を目指して頑張ろう!
5月12日
「さて。今日は、18回?」
「だな。だいぶ増えてきたな…」
「最初のやり方だったら今頃23回くらい?になってたね、一度にそんなに続かなくて、やめちゃってたかも」
「あれ?あ、そうか、一度リセットして減ったんだったな。とはいえ、今のやり方でも、いずれ20回を超えてくるわけで」
「うーむ。麻ってどこまで伸びるんだろ?ある程度のびたら、あとはじわじわ伸びるんじゃない?」
「えー、どこまでも伸びるんじゃね?」
で、調べた。
![](https://assets.st-note.com/img/1716609129082-hPE0Ao3ph1.jpg?width=1200)
試験年次:2005年
供試圃場・土壌:北見農試(表層腐植質多湿黒ボク土)
"播種は5月8日"
"草文は6月下旬(積算温度500~600°C)で約50cmであったが、その後急激に伸長し、開花後の9月上旬には360cmに達した"
(出典:北海道立農業試験場,地質研究所,環境科学研究センター(2009)北海道立農業試験場資料第38号 p.56)
むむ。いずれ飽和するにせよ、すくなくとも100日は伸び続けるのか。
忍者の本場(?)伊賀や甲賀の気候なら、成長速度はもっと早いかもしれん。
「まぁ、無理しすぎなくても。いずれ辛くなってきたら、回数増やすのは1週間に一回ずつにしようか」
「それ、賛成!ところでさ、昨日、あまりしんどくなかったような気がしたんだけど、慣れてきたのかな?」
と妻が問うと、
「いや、慣れたらダメ。常にしんどくなるように負荷をかけないと筋肉はつかないぞ」
と夫。
そうなのか。
やはり夫が目指すのは無酸素運動による筋肉増強であり、筋肉も欲しいが太ももや腰まわりのアブラも減らしたい欲張りな妻とは目標が違うのだ。
妻が弱気になったりイイカゲンなことを言ったりすると、上に立ち正しいことを言おうと食いつきがちな夫の特性をうまく使い、夫のやる気を少し引き出せたようだ。
どんなやり方が正解かわからないが、とりあえず今日はいつものようにスクワット。
次男に声をかけようとしたら、
「塾の宿題が終わってないみたいだからいいよ」
と夫。
そこへ乱入してきたのは長男。
「何やってるんですか?ぼくもやります!」
「長男くんもやる?スクワットだよ。18回を3回やるよ」
「いーち、にーい、…」
両親のやる様子をキョロキョロみながら、なんとなく真似をする長男。
「じゅーはち、じゅーく、にじゅー、おわりっ!おやすみなさーい」
18回でやめて休憩する両親を置いて、長男は20回まで続け、そして行ってしまった。
あぁ愉快だなあ。
さて、続きをやるぞ。
いつもよりさらにゆっくりじわじわ負荷をかけつつ、18回をさらに2セット。
しんどいけど、しんどくない。
息は上がってるけど、「やったぜ」感が勝る。
これは、もしやβエンドルフィンが出てるのかしら?
こうやって筋トレハイになっていくんだな…
ジムに通い詰める人の気持ちが、ほんのりわかったような気がする。
5月22日
「今日はもう寝る〜」
と、寝室に消えようとする夫に、すかさず声をかける。
「寝る前にスクワットだよ。今日は19回、かな」
「えー…疲れる…」
妻は、これを書いてる以上、やめるわけにはいかない。
フェードアウトする気満々の夫との攻防が続く。
「このままぐだぐだしてたら、寝ちゃいそうだよ」
「このまま寝ちゃう〜」
「もしかして、やりたくないの?」
「…うん…」
「筋肉つけたいんでしょ?」
「そうだけど……」
といいつつ、夫は妻より先にスッとベッドから降り、スクワットの姿勢をとり始める。
「ほら、さっさとやるぞ。いーち、」
「やだ〜」といいながらやるのが、最早お約束と化しているようにもみえる。
もしかして
スクワットやるぞ、と誘うのが恥ずかしいだけ、だったりします?
そんなのいいから、真面目にやるんだよ。
じわじわ負荷をかけて、19回×3セット。
いい感じに、しんどい。
はぁはぁ息が上がったまま寝るのが癖になりつつある。
まさに、安眠効果、ありますね!!
なかなか寝付けないまま日付けが変わってしまう日々だったのに、就寝前のスクワットを始めてからはすっかり早寝になった。
スクワットのやり方を調べると、
15〜20回を3セットというのが理想的らしい。
それで、そこを目指して妻は提案したわけだが。
身体が少し慣れてきた今は、有酸素運動も取り入れたい。
夫の方式(1セット目はゆっくり負荷をかけ、2セット目は速くやる)は、いいとこ取りで、実は理に適っていたのかもしれない。
20回に到達したら、回数を増やすのは週に一度にし(合意済み)、3セット目を速くやる、というのを提案してみようと思う。
速くやる=速く終わる
これで夫のモチベーションが保てるだろうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1716609273678-gX3vn95knM.jpg?width=1200)
スマホ版Excelでぽちぽち作成。
ちょっと改良しようとしたら有料版に案内されてしまうので、大変簡素なグラフですが💦
ちょっと、麻の成長曲線(前ページ参照)に似てきたかも。笑
スクワット開始日が、麻の種を播いた日と同じ5/8だったことに、ちょっぴり縁を感じてしまった。
5月23日
夫にグラフを見せた。
![](https://assets.st-note.com/img/1716609340961-EcVrZW61Ae.jpg?width=1200)
「我々の限界は3倍になっておる」
なるほど。そう捉えたか。
「男を説得したいなら数字を見せろ」が鉄則なのをすっかり忘れていた。
「さ。今日もトレーニングの時間ですッ!」
夫が、いつになくやる気をみせている。
ついにスイッチが入ったか。
グラフをみちゃったら、続けたくなったのだろう。
まずは、ゆっくり負荷をかけて20回×2セット。
だいぶキツイ。
「ハイッ!では、3セット目は高速ね!」
3セット目は高速にする案も、お気に召したようだ。
「…じゅうはちじゅうくにじゅう!おしまいっ」
ドサッとベッドに倒れ込んだ。
初日だって、倒れ込んだのだ。
だが、トータル20回が限界だった我々と、今の我々は違うのだ、という自負が、トータル60回を乗り越えさせた。
「始めた頃は20回が限界だったよな。3倍か…、これが忍者の修行の恐ろしいところだ」
「…明日の回数、どうする?」
「どうしようか…」
「わかんない…」
ここで増やすのを週一回にしたら、このグラフの傾きがゆるくなる。
それは負けなのではないか、と、多分夫は思っているんだろうな…
「じゃあ、明日は21回ね」
「そうする」
5月24日
今日は久しぶりに全身筋肉痛でだるい一日だった。
3セット目高速バージョンが効いてる気がする。
夫が帰宅するなり、
「今日はもう飲んじゃいたい!」とのたまふ。
今週は仕事で色々あったみたい。
連休中に訪れた長野で買ってきた"大雪渓"がまだ少し残っていたので、妻も一緒に飲むことにした。
あいにくツマミは、"ガラムマサラの種"しかなかったのが悪かった。これは、スパイスで味付けされた柿の種で、超辛い。
からい、からい、と辛さを緩和する水がわりに飲んでいて、夫はすっかりふにゃふにゃになった。
「先に寝る〜、スクワットのときは起こして〜」
忘れてなかった。偉い。
子どもらに「寝なさい」と声をかけ、妻も寝る支度をして寝室にいくと、夫は半分起きていた。
「どうする?できる?」
「…ねむい」
「起こしてっていったじゃん」
「…じゃあ、がんばる」
夫だけでなく妻も少し酔ってフワフワしてる。
21回×3セット、
しっかり数えてなんとかやりきった。
ちゃんとやれたかは不明だが、数は、間違ってなかったと思う。
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