見出し画像

【ゴルフ】手(グリップ)を見直そう~いつでもスコア80台への道#8~

橘です。90台でラウンドすることが出来ても、あと一歩で80台に届かないアナタにアドバイスを贈る本コラム。今日のテーマは「手」。クラブと身体を結び唯一の接点なのに、軽視されがち。ここに大きなワナがあるんですよ。

やっぱり飛ばしたいという気持ち

スイング

ドライバーを例に考えます。アナタは初心者ではありませんから、普通に飛ぶ人。ヘッドスピードが40m/sぐらいであればキャリーで210Y、ラン次第では230Yぐらい飛んでいると思います。9番アイアンの飛距離は120Y。昔は9番アイアンの飛距離の2倍がドライバーの距離とかいわれていました。最近のアイアンはロフトが立ち気味ですから飛びがち。まぁ悪くない数値です。

それでもやっぱりこう考えてしまう。「あと10~20Y飛べば、もっといいスコアでまわれるのになぁ」。いやいや、そんなことはないとは思いますが、でも飛距離へのこだわりはいいこと。もっと飛ばしたい。その気持ちは否定されるものではありません。ではもっと飛ばすには、どうしたらいい? ここで以下の数式をご紹介させてください。

数式1

アナタはスコア80台を目指す人。初歩的な用語はもちろんご存じですよね。ヘッドスピードは、文字通りヘッドが動くスピード。単位は「m/秒」です。ボール初速は、インパクト直後のボールのスピードで、こちらも単位は「m/秒」。ミート率はそれを割り算した数値で、一般的に「1.5」が最大値といわれています。しかし、われわれ一般のアマチュアが正確に数値を測るなんて不可能ですよね。そこで簡易的な計測にはなりますが、シミュレーションゴルフで計測してみました。

シミュ1

シミュ2

簡易的な計測ではありますが、だいたい、いい線いってました。最高の数値でこんな感じです。

数値2

やっぱり最高で220Yです。とにかくヘッドスピードが遅い。我ながら悲しいです。悲しいからこそ、ウッド系を主体としたセッティングになっているわけです。

この状況から飛距離を伸ばすために考えられること。それは①ヘッドスピードを速くする。②ミート率を高くする。

順番が逆になりますが、②ミート率を考えてみます。ボールをちゃんとクラブヘッドの中央でインパクトできているか? 

インパクト

シールを貼って確かめてみました。だいたいフェイスの中央に集まっています。いい感じです。これ以上ないと思っています。だからミート率はいまがきっと最高。

①ヘッドスピードを速くする。とはいえ、それをコントロールできるのであれば、苦労はありません。グリップを強く握りすぎず、ヘッドが走るようにする。それぐらいしか思い当たりません。となると、今、私に出来ることは、最高の数値を毎回出すことぐらいになります。

ここで一つの疑問が湧いてきます。

もしクラブを重たくしても、ヘッドスピードやミート率が落ちなければ、衝突のパワーで飛距離が伸びるのではないか?

いろいろ調べました。もし、アタナの使っているクラブが軽すぎる場合、飛距離が伸びる可能性があります。しかし、単純に重いクラブを使っても、そんなことは絶対に起こりません。ここで私が体験したUSTマミヤのフィッテングで知ったことをご紹介させてください。

自分の握力をご存じですか?

画像7

アッタスシリーズでおなじみのUSTマミヤをご存じですか? シャフト専用のメーカーさんですね。同社はシャフトフィッティングを実施しています。T島さんもかつて受けていましたね。

実は私も5年ほど前に受けたことがあります。当時、シャフトはアッタス ロックスターの5S(シャフトの重量が50g台で硬さがS)を使っていました(いま振り返ってもいいシャフトだったなぁ)。飛距離に満足できない私は、シャフトの重量を重くすることで飛距離が伸びるのではないかと考えていたんですね。そしてフィッティングルームでいろいろ計測するのですが、まず一番に計測するのが、握力なんです。そして私の握力は両手の合計が45kg程度でした。これって10代の女子の平均だそうで、男子プロなら100kg前後らしいです。

「ドライバーのシャフト、60g台に変更したいんですが…」
スタッフさん「いやいや、いまの50g台が最高ですよ。握力が低いから、仮に重いクラブで振れても、ボールを打つときのインパクトの衝撃に耐えられないから、初速が落ちてボールが散らかります。無理です」
「いまの飛距離が最高?」
スタッフさん「はい、最高ですよ!」
「・・・・・・」

植竹希望選手

握力と飛距離の関係はプロでも語られています。例えば黄金世代のひとり、キレのいいスイングで飛ばし屋として知られる植竹希望プロ。彼女はインスタグラムにおいて、右手首の怪我で握力が半分程度まで落ちた結果、飛距離もかなり落ちてしまったと語っていました。つまりヘッドスピードが速くても、インパクトの瞬間の衝撃に手が耐えられない結果、初速が落ちて飛距離も落ちてしまったんですね。

握力不足を補う工夫

もしアナタの握力が左右合計で50kg未満であれば、私と同じような状況です。だからやみくもにクラブを買い替えたりせず、最大飛距離を伸ばすより、ミスを減らす=平均飛距離を限りなく最大飛距離に近づける努力が必要です。

握力を鍛える

こんな器具で握力を強くするのは、そこそこの努力と根気が必要です。私は早々に諦めました。(こういう器具を買ったのは事実ですが・・・)

グリップ

私がやったこと。まずグリップを交換しました。STMゴルフのS-1。一般的なグリップより少し太めで握りやすいんですよね。星型の凹凸があり滑りにくくなっています。

グローブにもひと工夫を加えています。

グローブ

「スリクソン グローブ GGG-S020」。2017年に発売されたものです。

画像12

画像13

掌にシリコン樹脂がプリントされているため、滑りにくい。だからこそ、握力が低い私でもクラブとグリップがズレにくい。

グローブまとめ買い

残念ながら2020年に廃盤となってしまったため、売り切りセール時に10枚ほど購入しています。耐久性が高いので、あと数年はもちそう。

なぜか飛距離が落ち始める

これだけいろいろ試行錯誤しているのに、ある日、ふと気が付きました。いつもの距離が出ていない。きっとグリップを強く握りすぎているからかな。気にせずに何カ月かが経過しました。飛距離は一向に戻りません。ついぞ私は10年来指導を受けている吉山勝茂プロ(埼玉県越生町 ニューサンピア埼玉おごせ練習場所属)に助言を求めました。

「なんかちょっと飛距離が落ちてるみたいなんです。シールで打点を確かめたりしているんですが、ちゃんと真ん中には当たっています。でも、初速が落ちているみたいなんですよね」
吉山プロ「グリップが気になるなぁ。ちょっと見せてみて」
「え?(いまさら?)」

グリップにすきま

吉山「思うんだけど、ひょっとしてグリップを強く握りすぎないように意識してたりする?」
「はい。ヘッドスピードを維持するために、グリップをゆるゆるにしてヘッドが加速しやすいようにって」
吉山「それだわ。グリップをゆるく握るのと、力まないのは別の話なんだけどね。いま、全体にゆるく握るから掌とグリップの間に空間ができてしまって、結果、右手まで浮いた状態になっているでしょ。だからインパクトのときの衝撃でクラブが掌の中でクッションみたいな状態になってるね。だから初速が落ちてしまう。特に左手の親指の付け根とグリップとの間に空間があるのがまずい。ここをぴったりとくっつけて。右手も空間を作らないように。それからロングサム(親指を伸ばして握る)でなくショートサム(親指を伸ばさないように握る)で。これでボールの初速が上がるから、飛距離も戻ってくると思うよ」
「・・・!」

グリップにすきまつくらない

なんということでしょう。ヘッドを走られるためにグリップを強く握りすぎない意識が、グリップと掌との間にスキマをつくることになってしまい、インパクト時にクッションのような働きをしていた。つまり初速を落とす握り方をしていたわけです。

私たちは普段、あまりグリップに意識を持っていきません。グリップの握り方を考えるのは初心者だけだと思っているからです。この思い込みは非常に危険です。アナタもぜひ、グリップがルーズになっていないか、大至急見直してください。それによってクラブを買い替えたり特殊なトレーニングやスイング改造なんかしなくても、飛距離が伸びる可能性があります。なんだか前置きがすごく長くなりましたが、今回私がお伝えしたいことは以上です。

................................................................................

橘ダイスケのマガジン一覧

一度100切りを達成しても、毎回100切りとはいなかいアナタのために、クラブセッティングや練習方法、マナー的なことからコース・マネジメントまで、さまざまな角度からご紹介している橘のメイン・マガジンです。

スコア80台達成となるとちょっとした工夫が必要になってきます。ただし技術的に90台で回れているのであれば、ほぼコース・マネジメントで80台は可能と思っています。上記マガジンを卒業された方はこちらをご覧ください。

橘が愛してやまないコースと練習場をご紹介するマガジン。対象エリアは埼玉がほとんどですが、ときどき地元・京都や滋賀からもピックアップしています。

橘のクラブセッティングや買ってよかったもの、ゴルフ場におけるマナーの在り方など、文字通り雑記を自由気ままに書かせていただいています。

記事本数も増えてきたので、それらをまとめたリンク集記事です。クラブセッティングや練習場など、マガジンとは違う観点で記事を分類しております。

................................................................................

最後までご覧いただき、ありがとうございました。飛距離アップは永遠のテーマですよね。そのために見直すべきは、クラブやスイングではなく、実はグリップでした、という話です。感想などぜひコメントいただければ幸いです。引き続き、アマチュアなりの気づきを書かせていいただきます。よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?