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六絃ストーリー 「一期一会。」

こんなことが、実際に起こるものだとは思わなかった。
画像を見て「アッ!」と思った人は昭和世代のギター好きの方でしょう。
今回はちょっと長いのですが、ギタリストならツボにはまるかもしれないので拡散希望。

あるとき、最近参加させていただいている「動画撮影チーム」の現場で、越ケ谷の先・・の小学校式典で録音を担当した日。
早朝から現場入りし、式典は予定通り「正午」に終わり、そこそこ疲れていたスタッフは、三々五々解散。
武蔵野線で帰ろうとした私は、車内で「ん?大宮まで20分?ランチに寄ろう」と衝動的に思いたちました。
大宮駅近くの繁華街で怖い思いをしながらランチをとり(この話は別の機会に)、帰ろうとしたとき「〇〇楽器」の看板が目に入る・・・。
(大宮にもあるんだ、いつもはお茶の水店だけど、寄ってみよう)と、それはごく自然な行動でした。

お店の入り口からして風格を感じ、歴史ある店であることが判ります。
店内に入ると、そこは昭和ギタリストにはお宝の山(いや壁)。
その中に、このギターが吊られていました。

デジマートにも絶対?出てこないJB600 

(ええっ?JB・・GRECO?)
既にデジマートを数千時間見ている私でも、見た記憶がない幻の?ギター。

スタッフに尋ねます「これは?珍しいですよね?おいくらですか?」
男性スタッフ「コレクターが出されたばかりで、値付けもまだです。詳しく見ていませんが、ネック折れしているみたいです」
いや、そこまで偶然はないだろう。というのは、本家ジェフベックの個体も
ネック折れして修理したというエピソードが伝わっている。

私はとっさに考えた。
このような貴重な日本製ギターは昨今価格が高騰している。それは海外だともっと高値で売れるから、ギターも弾かないブローカーが暗躍していて市場価格を釣り上げている・・・というような話を実際にスタッフと話した後、見境もなく、こう続けたのでした。
「売価が決まったら連絡してください。」

私の手元には、GRECO EF700GG (所有歴45年)とTOKAI LOVEROCK レスポール(この話もいつかしなくてはなるまい) イバニーズセミアコ AW800ZW(クリスマスの奇跡) フレッシャーストレイター(こやつの話も長くなる)と、4本のエレキギターがあった。これにもう一本加わることは、また別の意味で大きなことになる・・・・。

2週間に満たない午後、仕事中のスマホが鳴った。
「JB600 の値段が決まりました。〇万円です。」
(え?その金額で良いの?)
「お茶の水で販売するなら、お客様のいう通りの金額ですが、大宮で販売するなら、しかも今回のご縁を本社にも説明して確認済みです」
私「来週行きますので、取り置きをお願いします。」

今回の私の衝動的な行動を今一度振り返る。
1.別件で東京から埼玉へ行き、帰りに”衝動的に”大宮に立ち寄った。
2.偶然、楽器店の看板が目に入り、大変貴重なジャパンヴィンテージギターが、目の前にあった。
3.スタッフと会話をし、この個体が海外に行くのは忍びないという思いを共有した。
4.プロが検討した売価は、私にとって「ぎりぎり手が届く金額」だった。
5.もし私が買わなければ、ブローカーが海外に流出させてしまうかもしれない。これは仏像が仏様としてではなく競売にかけられるごとく、日本にとって大きな損害につながる。
6.私自身、このギターと出会ったことに意味があるはずだ。
まぁこれくらい並べれば、誰も私を責めることは出来ないだろう(?)。

今回は入手までの一連を記してみました。
スペックや音のことを文字で書いても伝わり切れないので、次はなぜ、この
ギターをギタリストは探すのか?をつぶやいてみたいと思います。

もしここまで読んでいただいた方の中で「ギターのことは分んない」という方がいたら、次の言葉で検索してほしい。
「ジェフベック」「ブロー・バイ・ブロウ」「ギター」




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