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一人勝手に回顧シリーズ#アルフレッド・ヒッチコック編(20)#私は告白する/風に向かう神父

【映画のプロット】
▶︎ヴィレットの死
弁護士のヴィレットが、頭から血を流して、死んでいる。現場から、僧衣をまとった男が、坂を下っていく。
カナダ🇨🇦・ケベック市の敬虔な神父マイケル・ローガン(モンゴメリー・クリフト)は、ある日の夜に、教会で働くオットー・ケラーから、強盗殺人を犯したとの告解を聞く。ケラーは、妻のアンナにも殺人を打ち明けている。警察に捕まり、神父と約束した金員を返せないことを嘆く。
ローガンは、おもむろに、同僚の神父らとの朝食の席を立って、ヴィレットの家に行く。家の前に黒山の人だかり。ローガンは、警部ほかから、ケラーの性格などについて尋ねられる。ケラーも、死体の第一発見者であり、簡単な取り調べを受ける。
ローガンは、国会議員の妻のルースと言葉を交わす。"これで、我々は自由だ"と。
ルースは、国会に赴き、昼の休会に入った夫と、昼食を取る。
オットー・ケラーは、ヴィレットの家の手入れから戻ると、ローガンに声を掛ける。"なぜ、ヴィレットの家に来たのか"と。告解が、警察に通報されたことを懸念する。ケラーは、自首以外に取るべき方策を教えてくれと、懇願する。
▶︎ローガンとルースの恋
刑事と検事が打ち合わせする。二人の少女が呼ばれ、昨日の夜11時から11時半の間に、ヴィレットの家から、神父が出て来たと証言する。
警察は、神父の前日の行動の聞き取りに動く。その中で、ローガンが浮上し、警部に呼ばれる。ヴィレットとの交際について聞かれる。また、言葉を交わしていた女性は誰かと聞かれるが、言を左右にして答えない。11時ごろは、人と歩いていたと言うが、それが誰なのかは答えない。
ルースは、夫と共に、検事から、殺人の容疑者が、ローガンだと聞くが、耳を貸さない。
ルースは、ローガンに電話して、面会を求める。翌日、二人は、観光地の"レビー"で会う。
二人は、船の甲板で、会う。ルースは、殺人の当夜、二人が会っていたことを伝えると言う。そして、今でも愛してると告白する。
検事は、謝罪のため、ルースに電話する。
ルース夫婦は、検事の下に出頭する。ローガンも同席する。ルースは、事件の当夜9〜11時ごろ、ルースの車の中でローガンと会い、翌朝、ヴィレットと会うこととしていたと告げる。そして、二人の密会を、ヴィレットに見咎められ、強請られていたので、ヴィレットと会う必要があったと語る。
ルースは、述懐する。ルースとローガンは、幼馴染だった。長じて、恋に落ちた。結婚の約束をする前に、戦争が始まり、ローガンは従軍する。出征する前夜、ルースとローガンは、最後のダンスを踊った。ローガンは、待つなと言い、ルースは、今の夫の下で働き出し、結婚した。戦争が終わり、ローガンは、還ってきた。ルースは、港に出迎えに行き、翌日、二人は会うこととした。逢瀬の当日、急な嵐に遭い、二人は、近くの邸宅に助けを求めたが、閉まっており、庭のあずまやで、雨☔️をしのいだ。翌朝、邸宅の持主のヴィレットがやって来て、ローガンと揉めた。ヴィレットは、倒されたが、ルースを見て、人妻と気づいた。それから、5年間、ローガンと会ってはいないが、ヴィレットは、どこにでも現れ、ゆすりを掛けている。ルースが夫の国会審議を傍聴していると、ヴィレットがやって来て、脱税か何かで、議員の力がいるとのことで、断ると、神父との関係をばらすと脅迫された。そして、ヴィレットに24時間の猶予を与えると言われて、神父に助けを求めた。
これで、神父のアリバイは成立したかに見えたが、警部は、なお11時から11時半までのアリバイがないと、諦めない。
▶︎ローガン逮捕される
翌朝、ルースの夫が、検事から電話があったと知らせる。
かたや、ケラーは、自分が殺人犯であることが、警察に通報されていないか、疑心暗鬼になる。ローガンは、自分が逮捕されると答える。
警察が、教会に来るが、ローガンは、街に出掛けている。神父は、警部の下に、出頭する。
神父の裁判が始まる。ケラーが証人に立つ。続いて、ルースが。
採決は、意外にも陪審員全員一致で、証拠不十分で、ローガンは、放免される。しかし、退廷時、野次馬から心ない言葉を浴びせられる。
▶︎ケラーの最期
ケラーは、拳銃を取り出し、ローガンに向けて、銃弾を放つ。銃弾は、妻アルマに当たり、アルマは息を引き取る。
ケラーは、ホテルに逃げ込み、厨房でシェフを撃つ。警察が包囲する。ケラーは、ローガンに告解を聞いてくれたことを評価するが、臆病者とののしる。ケラーは、警察に左肩を撃たれる。
ローガンは、前に出て、ケラーに投降を呼びかける。ケラーは、なお抵抗し、警察にとどめを刺され、ローガンの腕の中で、息を引き取る。
【感想】
今回の犯罪に巻き込まれる男は、神父。
真犯人を、たまたま知るが、決して漏らさない。
かたやで、かつての恋人が、コミュニティの輪の中にいる。
職業上の守秘を貫きながら、運命に身を委ねる。モンゴメリー・クリフトが、好演している。

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