こんな日がやってきた

中1息子、朝読書の時間がある。
「なんの本がいいかなあ、
 持って行かなきゃ」と言う。

息子が本を読んでいる姿を
ほとんど見たことがない。
ゲームばっかりやっている。

ダメもとで、『はてしない物語』を
薦めてみよう、と思いつく。
分厚くてケースに入っている。
「これ、おもしろいよ。
 ああ、でも重いかなあ」
なんて言いながら手渡す。
「ほんと、おもしろいから」
としつこく伝える。
「へえ、読んでみようかな。
(本を手に持ち)軽い、軽い
 うん、持って行く」
意外なこたえ。
なんと素直。
でも本当に読めるのか.…



学校から帰ってきて、
「読んでみた?」ときく。
「うん、読んでる。おもしろい」

目をまるくする、
とはこういう状況を言うのだろう。
心底、驚いた。

中学校の教室で、
毎朝、『はてしない物語』の
あの分厚い本を開いて、
息子は読んでいる。
こんなことってあるんだなあ。

こんな日はやってくるんだなあ。