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なんで休むの?
「ねー、なんで○○(娘)って休むの?」
「なんで、毎日毎日、休むの?」
昇降口で娘のクラスの男子にきかれた。
毎日毎日に力が入ってんなあ。
あー、ぱっと言葉が出てこない。
・・・
母とよく話す。
ぱっと言葉が出てこないんだよね、と。
本当にバッカだよねえ。
言葉がすぐ出る人っているよね。
あれ、うらやましいよね。
しばらく考えて、
あー!こう言えば良かったんだ、
って思うんだよね。
言葉がすぐに出ない親子は
この話を繰り返す。
そういう家系なのかしらね、と母。
おばあちゃんもそうなのよ。
おねえちゃんもそうだよねー。
お父さんもそう。
・・・
毎日毎日、に気が取られる。
ま、に強いアクセント。
休んでずるい、とかそういうことを
言いたいんじゃなさそうだ。
なんで休むのかを知りたいだけ。
でもこの質問も、
小学校三年生くらいまでかもしれない。
だんだん、この質問は消えていくのだろう。
「えーっとね、」
いまだになんて言えばいいのか、
わからずにいる。
心のカゼ、
と言ってみたことがあるけれど
それもすっごく違う気がする。
こんな時にあの友だちなら、
すらすらと分かりやすく伝えるだろう。
なんて思いながら、
「毎日毎日休むのはね、… 」
この後の言葉が続かない。
と分かっていながら口にする。
体操服の名前が目につく。
あ!この子か、と思う。
「あ、○ちゃんだ!」
娘からよくきく名前。
あなたが○ちゃん。
「○ちゃんだー!」
また繰り返す私。
「そうだよ。一年から三年まで
オレ、○○とずっと同じクラスだから」
人差し指で1をつくって言う。
「ずっと同じだから」また言った。
「えー、そうか」
「よろしくね!」
うん、と言って○ちゃんは
外に走っていった。
心配してくれてるんだ。
・・・
「なにか、
先生に伝えたいことある?」
担任が娘に言う。
何秒間かの空白。
おたがいに、
だまる、だまる。
待つ、待つ。
「… あの、なんで休むの?
ってきかれるのがイヤなの」
娘はしぼりだすように、
担任にゆっくり話していた。
「そうかあ。そうだよね。
みんな心配してるんだよ。
気になるんだよ。
でも二分もしたら、
みんな違うこと言うから。
遊ぼうぜ、ってなるから」
担任はしゃがんで
ゆっくり話していた。
私は、このやりとりを
後ろで聞きながら泣きそうだった。
娘は人前ではあんまり泣かない。
けれど、マスクの中では鼻水がたれて、
泣きそうで大変だったの、
とおふろで教えてくれた。
★コジコジ。
娘の友だちが漫画をかしてくれる。
おかめちゃんの問答えんぴつ、
という不思議な話が娘のお気に入りで、
私に声に出して読め、という。
それを聞いてにやにやしている。
自分でも声に出して読んでいる。
なぞな話。うちの音読。