ゆるめる練習を

ガッチガチだな、とやっと気づけた。
肩に力が入り、ただおろしておけない
右手は左の肘をぎゅっと持っている。
顔にも力が入っているのだろう。
その日は暑かったのもあるけれど、
額から汗が、吹き出してくる。
全身に力が入っているからだと
やっと気づく。
職員室の前で娘の担任と話すだけなのに、
汗かきかきの私。

先生は、と見ると汗ひとつかいてない。

体育祭のボランティアをすると、
テントのある来賓席に座れる特権がある。
友だちに誘われ、そのボランティアをやる。自転車の誘導などをやるだけ。
来賓席にどうぞ座って、と言われる。
人混みをかけわけ、
そろりそろりと進む。
座らせてもらうと、まあなんと快適。
後ろは暑い中、立ち見が大勢。
テント席に座る私の背中は緊張する。
隣の友だちに思わずつぶやく。
「ここに座るの、ドキドキする」と。
「へえ~。そんなタイプなのね。
 いいんだよ。やることやったんだから。
 私は全然そういうのない」とのこと。
「そうだね、権利だもんね」と言って。
「そうそう、権利。権利。」と友だち。
友だちの背中はパイプ椅子に
もたれかかって、ゆったりしている。
私の背中は終始まっすぐだ。
なるほど。またガッチガチだ。



ホームセンターでボタンインコを見た。
白い縁取りのある丸い目で、
頭はたしか白で身体は青。
真っ青ではなくて、
白を少し混ぜたような青。
きれいだなあ、とながめた。

ボタンインコは眠そうで、目が半分。
閉じそうで閉じない目。
じーっと見る。
このまま寝ちゃうかな、と思ったら
あくび。
またあくび。
さらにあくび。

その後、シャキーンと目覚め、
ブランコに飛び乗り、目がカッと開く。
身体をぶるぶるふるわせた毛繕い。
体操みたいにあちこち身体を動かす。
見ているだけでおもしろい。

この子がうちにいたらいいなあ、と思った。