最後の会議

昨晩、最後の会議だった。開始一時間前まで、参加するか欠席するかちょっと悩む。『でもさ、あんた最後だよ』と自分に言い聞かせる。オンラインで3時間が経過。23時に終わった。月1の会議。代表の進行はいつだって見事だし、仲間の顔はいつだって穏やかだ。これが、ずっとずっと続くのだろう、私は続けるのだろう、そう思っていた。

最後がオンラインで良かった。 



代表の、前に突き進む力は絶大だ。「覚悟」とよく言う。なんでも覚悟してやらないと、と。私は代表を尊敬していたし、学ばせてもらうことが、たくさんたくさんあった。私の30代はまるまる、このNPOの活動だった。活動に熱中するにつれ、…ボランティアの域は脱していて、なんだかもうヘトヘトではあったけれど。やっていることに無意味さは感じなかった。このタイミングで抜けることは申し訳ない、と思うけれど。今がその時なのだと思う。そう私は決めたのだ。

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代表の家で会議をすると、途中、お茶の時間がある。「お茶にしましょうかね」と声がかかる。人数分のカップがあって、「はーい、好きなの飲んで」と言ってくれる。ドリップコーヒーや紅茶、スティックコーヒーやそんなのがガサッと入った箱をテーブルに置いてくれて。おやつまで用意してくれている時もある。神戸で買ったという「焼きティラミス」はおいしかったな。いつか飲んだ、代表手作りの野菜スープの味は忘れられない。毎月毎月、代表の家で会議した。もうヘトヘトと思いながら、みんなよくがんばった。私もよくがんばった。自分でそう言ったっていいでしょう!よくがんばった。

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「じゃ、総会は、司会お願いね」と言われる。これが本当に最後の仕事。総会資料に私の名前はもうない。「はい、やります」と答える。総会でみんなに会ったら、涙腺がゆるみそうだと想像し、口に手をあてにやけた。その姿が画面にうつってあわてる。「あの、司会が泣いたらどうしましょう」なんて口走る。「大丈夫。洪水になっても支障なし」と代表。私はみんなの前でよく泣いた。

しっかり司会をやろうじゃないか。役員退任の挨拶も、悔いなきようにやろうじゃないか。私の30代まるごとの感謝をこめて(あ、今年43なんですけどね)、心からのメッセージをみなさんに伝えようと思う。