余裕綽々
自転車で川沿いを走るたび、
自転車ではなくて、
この道を歩きたいと思っていた。
いつかいつか、と思っていたら
今日がそのいつかとなった。
*
ぽっかり空いた3時間。
これは私の好きなように使ってよし。
使おう、と決意する。
カメラを持って、
隣の駅まで川沿いを歩いて、
あの神社に行って、手を合わせる。
ついでに、その近くの和食屋さんで
あんみつセットを食べる。
疲れていなければ、
また川沿いを歩く。
そんなプランにする。
*
あんみつがおいしかったから、
帰りも余裕で歩けた。
薄暗い中、光が当たると
ひときわ輝くんだなあ。
と、この子を見てつくづく思った。
今日は些細なやだなあ、があった。
それを反芻しそうになって、
いやいやと思う。そこにわざわざ
光を当てないでいいんだった。
それよりも些細な嬉しくなること
はいっぱいあった。
そっちに光を当てた方が良い。
私の意識を向けた方が良い。
ばったり会った友だちの
「どうしたの」と
気にかけてくれた顔を
もう一度思い出す。
ありがたい。
ありがたい。
ありがとう。