「本当」の練習
好きな文筆家の方がいる。
毎日毎日、書かれている。
もう書く気力も尽きるほどに
疲れているであろう日も、
書かれている。
それを読んだら、
読ませてもらったら、
私も毎日書こうと思った。
と言っても、私のは
誰かに見せるものではなくて、
誰にも見せることのない日記なのだけど。
そこに毎日書こう、と決めた。
裏表紙にカメの刻印がしてある日記帳は、
何年か前に買ったもので。
けっこう高かった。
それを引っ張り出して、
毎日書き始めたところです。
*
日記初日に、
私はなぜあの時おどけたのか?
と書きだして、気づいた。
もう人前で泣いたりすることは
疲れたから、おどけたふりをしたのだ。
おどけることで、自分を守ったのだなあと。
それに気づけたら、自分で自分を
理解できたような気がして安心した。
自分を責めるのではなく、そうかそうか、
と分かってあげられた気分。
*
文筆家の方は、
「本当」を書いているそうだ。
さらけ出すのではなく、「本当」を。
本屋にその文筆家の方、
手書きのPOPがあって。
そこにも「本当」と書いてあった。
「本当」をじーっと見つめた。
それから「本当」がずっと頭にある。
朝の散歩に憧れて、6時に散歩した。
慣れないことをするものだから、
一日疲れが抜けなかった…。という。
目が痛いのは、帰り道、
朝日がまぶしすぎたからだ。