瞳の奥のブルー 2

いつからか全く見なくなったけど、小さな頃繰り返し見る夢があった。
それはどこか遠い昔のどこか海の近いところで、石畳の道。
村なのか?町なのか?規模も、どこの国かも、どんな時代なのかも
はっきりとはわからない。
緩やかな坂道があってそれを下る幅2メートルくらいの道。
白い壁、ベージュの大きめの丸っこい石を敷き詰めた足元。
左に曲がる緩やかなカーブに入る手前、一瞬突き当たりに見える正面に
真っ白い大きな壁があって、それに沿って黒っぽい木の椅子が三つ。
その塀の上に真っ黒い猫が昼寝してたりするのを眺めつつ、道に沿って歩くと左前方に煙突。柔らかい煙。香ばしい匂い。パン屋さんだ。その隣にはいつもヒゲモジャのおじさんたちがたったままワイン?みたいな赤いような茶色のような、お酒を飲んで大きな声で話している。
右側の長い壁、向こうでは子どもの遊ぶ声がして、女の人たちが手仕事で何かの繊維を編んで形を作っている。そこでも楽しそうに話しながら笑っている。
時々口を開けてはその先に、いろんなシーンを覗かせながら続く白い壁。
時々のぞく、壁の向こう側の大きな木。赤い花。鳥の鳴き声。黒い蝶。
そして、空の青。どこまでも高く澄んだ青。
時々天を仰ぎながら、その道を歩いていく夢。
緩やかな坂を下っていく夢。

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