春雷
真っ白い布のような霧におおわれたおおいなるエネルギー
その空いっぱいの広がりの中を閃光が走る
さわやかな風とともに春雷がやってくる
遠くからここへと
まるで笑うようなリズムをきざみながら
想像できないスケールで
やってくる
ソロのティンパニーとシンバルの音色のような轟く交響楽の調べ
風は爽やかでここちよく
肌に触れるとキュッとなるような冷たさ
純白のエネルギーが ついにやってきた
遠くから雨が静かにふりながら
こちらにやってくる
とても静かで美しい音を立てて
そばまでやってきた
わたしはさらに耳をそっとすませ
雨のゆくえを背中で見守る
だんだんと閃光が強くなり
クレッシェンドな轟きはクライマックスを演じて
雨はよわまり
おさまっていく
すべてが清らかに透明な空気をたたえて
満ちていく
だんだん 白くなり目覚めていく
空の明 春の訪れ
#詩 #ポエトリー#春雷
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