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過去2多17433人/26795、再『痛くない死に方』、切り出せない「死に方」~663日目

 都内新規感染、昨日に次いで過去2番目に多い17433人/26795、都基準重症者22人(∔2)、死亡3人
 病床使用率48.0%
(3,322人/6,919床)※50%が緊急事態宣言発出養成の目安 国基準重症者病床使用率 36.8%(540人/1,468床)
 全国新規感染8万4000人超え、過去最多。16道府県で最多更新

在宅医の看取りを描く映画『痛くない死に方』を思い出す

 埼玉県ふじみ野市の医師殺害事件で、哀しくなった。
 (27日夜、埼玉県ふじみ野市の住宅で66歳男が猟銃を発砲、44歳医師を人質に立てこもり、一時は100人以上の近隣住民が避難。11時間後の28日朝、警察突入。医師は死亡、同行の男性理学療法士ら2人けが。男の母親が亡くなり、医師らが弔問に訪れた際にトラブル発生か)

 何となくある記憶が、脳みその奥から浮かび上がろうとした。そうだ。446人/7356件、サラバラ桜、映画『痛くない死に方』~356日目※(2021年4月3日)で書いた、映画『痛くない死に方』(監督・脚本:高橋伴明 原作:長尾和宏)。在宅訪問診療で、患者の自宅で看取りをする医師の話だった。主役は柄本佑。

映画『痛くない死に方』監督・脚本:高橋伴明 原作:長尾和宏

 昨年4月3日は二度目の緊急事態宣言明けだったらしい。一日の新規感染446人か。その時の方がコロナにびびって、街中に人が少なかったような。 こうして想起することがあるので、過去に何かを書き留めておくことも悪くはない。脳みそが活性化される(おそらく)。

 さて、その際noteに書いた内容を見返すと、介護する側・される側の俳優の演技や身体に注目し、主役の在宅看取医に関する記述はほぼない。それはおそらく、医師役の柄本佑が好きでも嫌いでもない俳優で、かつ二世俳優にはちと苦手意識を持つ自覚から直視するのを避けたこと、かつ、医師という役が介護する側・される側より当事者意識が遠かったせいか(介護する側・される側に今後自分がなる可能性はあるが、医師になることは多分ない)。抑えた演技だったのもあるが(坂井真紀もそうだったが)。

 ところが、今回の在宅訪問診療をしていた医師が殺害された事件を考えていたら、この角度の、なんとなくぼんやりとした表情と身体の、看取り医っぽいシルエットのポスターだか、チラシ、の残像みたいなものが、脳みその奥からゆるゆる湧き上がってきた。ああ、そうだ。前に書いてた。と思い出して、そして思い出して書いている、という次第。
 映画館の外でこのポスターの写真を撮ったこと、銀座だったのでその辺を久々に歩いたことも思い出した。んなこともあるんで、ポスターって、チラシって大事ですね。

 そう、こうして在宅医療をしてくれる医師、看護師、医療関係者がいるから、在宅医療は回っているんだ、と、以前もぼんやりと思っていた。
 その在宅医療の医師が殺された。

異なる「真実」のぶつかり、痛みをなんとか乗り越えて

 残念だ。残念で残念でたまらない。
 胃ろうとか、ワクチン接種とかを巡ったものか、などいろんな憶測がネットを飛び交っているが、「事実」は当事者たちにしかわからない。そして、容疑者・加害者の「真実」と、被害者の「真実」は異なるだろう。
 
人間の数だけ「真実」はある(同じ人間の中でも時系列で「真実」が変化していくことだってある)。その、自他で違う「真実」がぶつかり、他人との間に生じるきしきし、ひりひりした痛みを覚えながら、なんとか生きていく。ただ、現在は想像でしかわからないが、介護を長年してきたという加害者にも彼なりの思いはあると思うが。にしても、さんざん言われ尽くされた言葉だが、失われた命は戻らない。

 在宅医療に駆けずり回っていた医師の無念を思う。全く知らない人だが、涙が出た。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 先月、大阪で殺された人々も皆さま無念と思うが、中でもやはり医師の方の苦労と無念を思います。改めて、ご冥福をお祈りします。

切り出せなかった「死に方」

 自分はまだ介護、被介護の当事者とは言えない。しかし、ぐっと来た。
 その背景を一つ挙げる。先日、近しい人間に、エンディング(終末期)の意志を確認する話をしようとしたが、……できなかった
 60代、70代前半くらいまでならともかく、かなり高齢の、死期もそう遠くない人間に終末期の意志を確認するのは慎重さとパワーが必要だ。

 前からエンディングノートは複数持っている(財産管理も含め)、相手に渡してはいる。そのエンディングノートのうち、「自分らしい「生き」「死に」を考える会」が出した、この『自分らしい「生き」「死に」を考えるー私の生き方連絡ノート」を活用してー』(EDITEX、2016、1200円∔税)は、アドバイス・ケア・プランニング(ACP)に特化し、終末期医療の意志を事前に問う点が重視されている。
 「自分らしい「生き」「死に」を考える会」は医師、看護師、心理療法士、精神保健福祉士、主婦などがメンバーらしい。専門家の知見を活かした内容、のはず。

 たとえば、胃ろうについて聞く欄。などなど。
 「胃ろうを造りたいと思いますか?」

 「食事ができなくなったとしたら、人工的水分・栄養補給を望みますか?」
 「自分で意思表示ができないとき、人工呼吸器を付けたいと思いますか?」
 「治る見込みがないときに、どのような治療でも行ってほしいと思いますか? それとも、治療によっては行わなくてもよいと思いますか?」
  ノートは渡していた。切り出すか。かなり以前に「自分は胃ろうはしなくていい」と口頭で言ったその人に、再度確認する作業。。
 ためらい、その時はできなかった。
 後で、知り合いに「できなかった」と言ったら、「後で面倒が起きないように、次はトライしてみるといいかも」と言われた。

 そんな自分のたいしたことのない「苦悩」の背後に、大勢の医療・介護関係者、自らの介護体験を社会に生かしたいと考える人たち、がいる。のは知っている。
 なので、少しだけ、この事件で哀しくなった気持ちの理由としておこう。
 日々ご尽力される方々に感謝。
 (所用で時間無くなり尻切れトンボです) 
 
 体重5.3(短期目標=3月末までにコンスタント4)。

 皆さまのご健康を。


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